みなさん、ごきげんよう。うさぎのアリスです。あっというまに1週間が過ぎました。今日もまた、バンガロールは陽光降り注ぐ、とても気持ちのよい日曜日です。
今日はわたし、少しご機嫌なんです。なぜなら、「蚊が嫌う臭い草」を運ばなくてすんだからです。そのかわり、かわいいお花を運んでいます。
臭い草は、いまのところ、リス少年がお気に入りのブーツの中です。
ROCKYは、日増しに大きくなっています。もう、1キロは軽く超えたようです。このごろは、NORAお姉さんが大好きで、いつもあとをくっついています。
背も伸びたようです。この場合、胴も伸びた、っていうのかしら。
ところで今日は猫だけでなく人間レポートもわたしが担当します。というのも、みほさんは先週、体調が悪かったのです。
コーネンキショウガイ、というお年頃だそうです。
火曜日は、日本から来た若者たちに熱く語っていましたし、金曜日も、大勢の日本人の奥様方を招いて、お祭りの準備をしていましたし、バナナケーキを振る舞ったりもしていましたが、本人としては、「不調」なんですって。
自分比、なんだそうです。
集中力が持たなくて、コンピュータに向かっても、ちっとも仕事が捗らないので、猫たちと昼寝をなさったりしていました。
結構、いいご身分ですね。
コーネンキショウガイには、いろいろな症状があるそうですが、その一つに、「イライラしやすい」というのがあるそうです。でも、みほさんは、このイライラの原因が、いったい何なのか、しばしば自問していらっしゃいます。
先日も、英語の家庭教師の先生に、英語の授業中にも関わらず、「イライラの原因は、コーネンキショウガイのせいなのか、それともイライラさせる夫のせいなのか、わからないんです!」と熱く訴えていました。
わたしが言うのもなんですが、まるおさん、結構、イラッとさせるんですよ。
みほさんもいい加減、学べばいいのに。と老婆心ながら思います。
老婆じゃないけど。
そうそう、それから、みほさんによると、「すぐに太りやすいお年頃」でもあるそうです。
でも、みほさん、よく食べてますからね。仕方ないと思うんです。日本のお米を炊いた時には、「やっぱり、おいしいわ〜」と言いながら、もりもり3杯も食べています。
昨年、九州旅行で天草へ行かれた時に利用した三角の船着き場で、船を待つ間に市場へ行ったそうです。そこの鮮魚店で買った海苔が「ものすごくおいしい!」らしくて、ご飯と海苔としょうゆだけでも幸せなんだそうです。
それだけ食べておきながら、
「1キロ太ったってことは、ロッキーを腹回りに1匹くっつけてるようなものよね。3キロ増量だと、腹回りに2ロッキー、顎のラインに半ロッキー、二の腕に半ロッキー」
などと、おかしなことを言いながら、実際にロッキーをお腹の周りに巻き付けてみたりしていますから、ロッキーもいい迷惑です。
ところで毎週金曜日は、何十人ものお客様がいらっしゃるのですが、NORAは最初から堂々としていて、人を怖がる様子がありませんでした。ところがROCKYはとても人見知りです。
普段は狂ったようにハイパーに、部屋を駆け巡ったり、おもちゃで遊んだりしているのに、お客様が来ると、ベッドの下に潜り込んだりして、いっこうに出てきません。借りて来た猫、状態です。
猫だけに。
ところで、今日もみほさんは、今ひとつ「乗り気」じゃないらしいので、わたしが人間のこともレポートします。
これは、みほさんがいつも利用している近所のポークショップで買った「スモークチキン」です。豚肉店なのに、新鮮でおいしい鶏肉を売っているこのお店。本当はクリスマスシーズンだけの特別な料理であるスモークチキンを、年中提供し始めたそうです。
ということを、英語の先生のシブが教えてくれました。
シブは、英語だけでなく、インドのいろいろなことを教えてくれます。また、お互いにハズバンドが「パンジャビ」なので、話も合うそうです。
パンジャビとは、パンジャブ州あたりを出身とする人たちのことです。昔から、男子は甘えかされて育つ人が多いそうです。もちろん、みんながみんな、というわけではないと思いますけどね。
みほさんにとって、語学の先生以上に大切なお友達でもあります。このポークショップのことも、それからスモークチキンのことも、シブが教えてくれました!
スライスすると、こんな感じです。胴の骨が取り除かれていて、そこにスタッフィングされています。このままでも食べられるそうですが、みほさんは加熱していました。
宅配で届いたオーガニックのジャガイモやグリーンピーと、とてもよく合います。ただ、惜しいのは、グリーンチリが入っていて少々辛いこと。
みほさんは、少々辛いものもいけるのですが、まるおさんは、辛いものが苦手なので、ちょっと残念がっていました。お店の人に、今度、辛くないものを作ってもらえるか、頼んでみるそうです。
スモークの風味がとてもよく、辛い以外は本当に、おいしいんですって。そういえば、これを調理しているとき、NORAとROCKYがキッチンへやって、みほさんに食べ物をくださいとせがんでいました。魚を料理した時には、NORAがときどき反応を示しますが、チキンで反応したのは初めてなので、よほどいい匂いだったのでしょう。
ところでNORAは、絶対的にノンヴェジ、STRICTLY NON-VEGの、肉食女子です。キャットフードは食べますが、それ以外は、肉か魚しか口にしません。
ところがROCKYは、結構ヴェジ、なのです。さすが、インド猫ですね。庭の草の葉先などをむしゃむしゃ食べたりします。それが身体に悪いのかいいのかわかりません。
それから、みほさんが食事をしていると、必ず近寄って来て物欲しそうにします。仕方がないので、パンの切れ端を与えたところ、食べていました! NORAは決して食べないので、みほさんはびっくりしていましたが、猫にだって、好みはあるんです。
肉食女子のNORAが、またしても、獲物を仕留めたんです!
さて以下は、たいへん爽やかではない話題&画像もございます。ですから、そのようなものを目にされたくない方は、ここでお別れいたしましょう。
ごきげんよう。
あら、あなた、大丈夫ですか?
写真も載せますよ。でも小さめにしておきますから、しっかり見たい方だけ、クリックして拡大してみてください。
今朝、少し体調が回復したみほさんが、コーヒーを飲みながら、庭で気持ちよく過ごしていたときのことです。ROCKYは、仏像のあたりで駆け回っています。NORAはガゼボの下で、いつものようにお行儀よく座っています。
NORAの瞳が、いつもよりもきらきらと輝いていて、まっすぐで、それに口元が、少し微笑んでいるようにも見えました。みほさんは、「こんなにかわいらしいNORAの表情は見たことがないわ……」と和んでいました。
みほさんは、「癒し」とか、「癒される」という言葉が流行り始めて以来、この受け身の表現を嫌い続けてかれこれ20年になるそうです。
にもかかわらず、猫と暮らし始めて「癒されている」自分に気がついて、自分が軟化したなあと、思っているそうです。
今朝もそんなことを思いながら、NORAのつぶらな瞳に癒されていたのですが……。
突如、NORAの瞳が一段ときらめいたかと思うと、彼女はたいへんな瞬発力で駆け出し……。リスを一撃。
「少しは、癒させろ!!」とみほさんは心の中で悪態をつきつつも、まずはNORAが部屋に持ち込まないようにドアというドアを閉めて回ります。
ROCKYは、NORAのあとをついてまわります。
最初は恐る恐る、けれど途中からは躊躇なく触り始めるROCKY。それにしても、ROCKYとリス。柄がそっくりです。
以前は、捕獲した獲物を食べていたNORA。このごろは、食べさせたくないので、途中でみほさんが片付けます。そうしたら、NORAが獲物がなくなったことに気づいて、探しまわります。
そうこうしているうちに、NORAがまたしても、もう一匹を捕獲しました! どうしたんでしょう、NORA! さすがに30分とおかず、2匹の捕獲は辛いです。まるおさんが、リスがかわいそうだ……と茫然としています。
それもこれも、自然界の有様。残酷とかかわいそうとか、言ってちゃだめなんです。食物連鎖なんです。獲物を捕らえるのは猫の本能ですから、それをとめることはできません。リスにうろうろしないでと頼むしかありません。
「かわいそうとか言うんだったら、自分、一生、肉、食うなよ」と、みほさんがまるおさんに言っています。厳しいですね。
そんなわけで、ちっとも癒されない感じの日曜日を送っているみほさんですが、今はお気に入りの赤ワインを飲みながら、ご機嫌です。まるおさんはテレビでクリケットの試合を見ながら、楽しそうです。