ミューズ・クリエイションを結成して、早くも2年と10カ月。5月末には3周年を迎える。メンバーは現在ちょうどのべ100名。現在も40数名が在籍し、毎週金曜日、20数名が集い、活動を続けている。
「駐在員夫人の集まり」
という言葉の響きから、その一般的なイメージに影響を受け、「ややこしい人間関係」などを妄想され、特殊な世界を想像される向きも少なくないことは、重々承知している。
そんなことを思うにつけ、よく3年近くも、楽しみつつ、ポジティヴな環境を維持しながら続けられてきたものだと、感じ入る。
もちろん、常に順風満帆に、速やかに物事が運んでばかりではない。だからといって、わたしが常々ここに書いている「楽しげな活動のレポート」が、虚飾や虚構であるわけでは、当然ない。
在籍するメンバーが、インド生活を少しでも前向きに捉えられるように、ミューズ・クリエイションの存在そのものがまた、何らかの形で寄与してくれればと、願っている。
この3年間、何がよかったのか、そして何が問題だったのか、そしてこれから先、どのように進んで行くのか。
そろそろ、そういうことについても、きちんと考える時期かもしれない。
毎週金曜日のお菓子作りも、すっかりルーティンとなり。毎週25〜30人分のおやつを準備することが、さほど苦にならなくなったのも、ミューズ・クリエイションを始めたからこそ。
わたしにとって、料理をする時間は、無心になれる時間でもある。毎週木曜の夜、キッチンで夕飯を作りつつ、菓子作りをしている時間は、「禊」のようなひとときでもある。
深く考えすぎてもいけない。軽く考えすぎてもいけない。
しなやかに、在るために。
さて、これはクルミやラム酒付けのレーズンが入ったサブレ。コーンパウダーが入っているため、サクサクとやさしい歯ごたえだ。
金曜日は、バンガロール市街東部のホワイトフィールドにあるゲーテッド・コミュニティにて、Asian Coffee Morning (アジア人女性のグループ)主催のバザールが開催された。
ミューズ・クリエイションが拙宅で毎年開催している「ミューズ・チャリティバザール」と同じようなコンセプトで、主催者の一人のご自宅が開放されてのバザールだ。
シンガポールやマレーシアなど、東南アジアの食品販売が多く見られた。その他、ジュエリーやインテリア小物など。
ミューズ・クリエイションは、先月ジャパン・ハッバを終えたばかりで、あまり在庫がなかったが、それでも眠らせておくよりは販売した方がいいということになり、出店した。
おなじみチーム紙の作品。ジャパン・ハッバとは客層が異なり、値段をよく確認せず気前よく購入される人も少なくなかった。
イヴェントごとに、売れ筋商品や値段設定などを検討するなど、ミューズ・クリエイションは過去の経験を参考にしつつ、日進月歩状態だ。
チーム歌のメンバーは「浴衣を着ると苦しくて歌えない」ということで普通の服装だったが、他のメンバーは、浴衣着用の人たちも。華やかで、ひときわ目を引く浴衣姿だ。
チーム布の作品も、毎度テーブルをカラフルに彩る。インドでは、色柄が華やかなものが、とても魅力的に映る。
そしてチーム歌、ミューズ・クワイアの歌を披露。場所がなく階段で、であるが、それなりに音が響いて、ゲストの人たちにも喜んでもらえたようだ。なにしろ、水曜日に到着したBOSEのスピーカーが本当に役立った。こんな窮屈な環境にも、難なく対応。すばらしい。
「天使の歌声のようだったわ!」
などと褒められ、最早ウイーン少年合唱団状態だ。
実際、メンバーの入れ替わりの多さが最も堪えるのはチーム歌である。3月には2人のメンバーが帰任された。スタート時からのメンバーは、わたし以外に2人しかいない。
すでになじみの曲でも、「初めて」のメンバーが常にいる。選曲も、決して簡単なことではない。だからって、言うほど難しいことでもないが、ともあれ毎回、少しずつ、歌声に磨きがかかってゆくのは、すばらしいことである。
ソプラノ、メゾ、アルトのパートも、それなりに、バランスよく維持できているのもまた、よくできたものである。ただ、タイミングによっては参加できないメンバーもいたりするので、他チームから助っ人を依頼することもある。ミューズ・クリエイションは「兼部」も可能なのだ。
わずか3時間ほどの出店ながら、本日も予想以上の売り上げで、会場をあとにした。コミュニティ内のクラブハウスで、遅めのランチをとりつつ、軽く打ち上げ。
暑い午後、よく冷えたKINGFISHER ULTRAが、五臓六腑に染み渡る!
というわけで、こうして大小さまざまなイヴェントに参加しつつ、地域社会に「日本人女性による」ミューズ・クリエイションの存在感が浸透することは、とてもいいことだと思う。
この日の午後、なじみの慈善団体「ドミニカン・シスターズ」のシスター・アンから電話があり、子どもたちのサマーキャンプを実施するので、ぜひメンバーと来訪して欲しいとの電話がかかってきた。
本当は4月早々、他の団体を訪問する予定でアポイントメントの電話をしようと思っていた矢先であったが、先方から「来て欲しい」と頼りにされるのは、有り難いことでもある。実は依頼された日は、「ムンバイ一人旅」に出かける予定にしていたのだが、まだチケットやホテルを予約していなかったので、旅は延期することにした。
ミューズ・クリエイションを始めて依頼、旅をする機会が圧倒的に減ったのは否めない。以前は、夫の出張に便乗して、あちこち出かけていたのものだ。
しかし、今のわたしは一カ所に腰を据えての活動を優先すべきステージに立っているのかもしれない。望まれる場所で奉仕することも、大切な課程のひとつだと思えばこそ。
ところでこれは、夫から送られて来た写真。カルナタカ州の北部のフブリに拠点を置くロジスティクス(物流/運輸など)企業への投資に関わった夫は、1〜2カ月に一度、ボードミーティングのためにフブリへ赴かねばならない。
が、フライトの便数が少ないことから、時々、その企業が所持するプライヴェートジェットで行き来している。それが、なかなかに楽しいらしく、こうして写真を撮っては送ってくれるのだ。
ステップの下に敷かれた「レッドカーペット」が、なんだかかわいい。
なにしろ空港には時間を気にせずに向かえるし、もちろんチェックインや手荷物検査もなく、同乗者が揃ったら離陸するという身軽さ。
この米国ビーチクラフト社の小型ジェット機は、一般の旅客機よりも高い高度を飛行するとのことで、飛行時間も短いのだとか。
到着するのは、バンガロール北部にある現在の国際空港ではなく、空軍の管理下にある旧空港だから、我が家からも近い。いつかわたしも乗らせて欲しいと思っているのだが、さすがにパーティにでも招待されない限り、出張に便乗というのはないだろうな。
ちなみにインドの大企業や富裕層は、自家用の飛行機やヘリコプターを所持しているところも少なくなく、またチャーターで利用しているケースも多い。
なにしろ交通渋滞が激しい都市部にあっては、空港から市街へ一気に飛びたくなる気持ちはよくわかる。
ちなみにバンガロール市内では、ITCガーデニアの屋上にヘリコプターが離着陸できるヘリパッドがある。つい最近、20階建て以上の建物にはヘリパッドを設置してもよいとされる条例が出たらしいので、今後は更に増えるかもしれない。
■Bengaluru allows helipads atop 20 high-rise buildings, residential towers