バンガロールの盛夏は、4月から5月にかけて。その後、モンスーンの季節がやってくる。盛夏にも、雨が降ることはこれまでにもあったが、最近はモンスーンの時期のように、よく降る。急速な都市化と人口増加に伴い、恒常的に水不足のこの地にあっては、雨はありがたい側面もある。
しかし、農作物によっては、降りすぎる雨によってダメージを受けることもあり。たとえばマンゴーも、雨が降りすぎるとよくない、と聞く。
そんな最中、先週の水曜の夜は、すさまじい雹に見舞われた。その日は朝から、異常なほど蚊が大量発生し、朝から各部屋に蚊取り線香を焚きしめ、しかし蚊は怯むことなく乱舞、わたしの方が燻されてしまう始末だった。
その夜、とあるレセプションに招かれていたことから、6時半ごろ、煙臭くなったこともあり、シャワーを浴びていたところ、外からバチバチという音が聞こえて来た。
雹である。
この写真を撮っているときには、まだ余裕があった。それでも、ドアを開ければ、雹が肌に打ち付けて痛い! 写真を撮っている場合ではないと、バルコニーの洗濯物を取り込んだり、サンルームからの雨漏りの対応をしたりするうちにも、雹は降り積もり、庭を白く埋め尽くすほどとなった。
サンルームの窓ガラスはさほど厚さがないので、当たれば割れるのではないかと懸念したが、幸い「風向き」がよかったせいで、被害はなかった。
ガラスはともかく、バルコニーの瓦が割れるのではないか、とも思ったが、なんとか持ちこたえた様子。風雨で舞い落ちて来た木の葉がクッションになっていたようでもある。
サンルームはしかし、あちこちで雨漏りを発生。フロアはタイルだし、濡れたところで大した被害ではないが、一応、バケツなどを並べる。
水滴が、不規則なリズムで旋律を奏でる。
最近、外出の多いNORAは不在。きっとご近所で雨宿りをしていることだろう。ROCKYはといえば、生まれて初めて見る状況に興奮状態。雨漏りから避難させるべく、移動をして散らかっているなか、お食事である。
風がひんやりと心地よい。
インド菩提樹の葉、ブーゲンビリアの花が、盛大に落ちている。
排水口に生まれ育っただけあり、水を恐れぬROCKY。ひとしきり、状況に慣れると、外に出たくて仕方がないようす。
しかし、雨に濡れて風邪でも引かれたら困るので、家にいてもらう。
ちょうど、雷光が大地を照らした瞬間に、シャッターを切った一枚。フラッシュは焚いていない。
ちなみに、夫もパーティに参席する予定で早めに帰宅したため、事なきを得たが、タイミングがずれていたら、たいへんな渋滞に巻き込まれていたに違いない。
オフィスから自宅までは、距離こそ数キロメートルと短いのだが、その間に水没する箇所がいくつかあるのだ。以前、大雨の日に、ひどい目に遭って以来、要注意ポイントは把握している。
この状況で市内中心部の会場までたどり着けるとは到底思えなかったので、残念ながら外出は断念。自宅で過ごしたのだった。
ちなみに、以前ひどい目にあった、というときの記録を参考までに。我が家界隈に暮らす方には、参考になるかと思う。
■豪雨の夜、天然の夫。 (←Click!)
すさまじい量の、葉や花が庭を覆っている。これは庭師も大変だ。雨を含んだそれらは、どっしりと重く。
せっかく成長していたマネープラントも、ぼろぼろだ。また、いちからやり直し、である。
年に一度、毎年6月に、見事な花を咲かせてくれる月下美人も、葉っぱがぼろぼろに。乱暴な虫に食われたが如き惨状。今年はきちんと、咲いてくれるだろうか。
ともかくは、穴の空いた葉が元に戻ることはないので、月下美人以外は、バッサバッサと伐採することにした。庭師が来る前に、ハサミを片手に、破れた木枝や葉っぱを切りまくる。もう、やけくそだ。根っこさえしっかり張っていれば、この時期、草木の成長は早い。新鮮な緑に生まれ変わるためのプロセスだ、と思うことにする。
最終的には、非常にこざっぱりとした庭となってしまった。緑の成長を待ちつつ、新たな鉢植えなどを調達せねばならない。
◎サロン・ド・ミューズ。20〜30名対応のダイナミック焼き菓子
ミューズ・クリエイションのメンバーは3年前のスタート時以来、出入りが多い中、不思議と、常時45名前後を保っている。しかし毎週金曜日の活動に参加するメンバーの数は、以前の20名前後から25名前後に増えて久しい。
大人数分を短時間で準備できるお菓子、となると、どうしても内容が限定されてしまう。とはいえ、毎週のおやつ作りはもはや、習慣となっており、人数が多いからとやめてしまうのは、いかにも残念である。というわけで、大量を簡単においしくできるおやつ、について、もう少しヴァリエーションを増やしたいところだ。
この間のスイートポテト裏ごし労働のようなことは、極力避けつつ、今後、少し新しいものをリサーチしてみよう。
これは、先日焼いた定番のフルーツタルト。タルトの生地とカスタードクリームは、前夜のうちに作っておき、翌日、生地を焼いてフルーツを載せる。手間は多少かかるが、作業は簡単だ。
こちらは一昨日焼いたブレッド・プディング。簡単、という意味では、これはかなりポイントが高い。なにしろ、当日の朝、すぐに準備できる。ご近所、トムズ・ベーカリーのパン一袋でちょうどいいヴォリューム。
パンは、実は少し古くなったものが乾燥していいらしいが、前日購入したものを使っているので、一旦トーストして乾かし、バターを軽く塗る。それを4分の1に切って並べる。
本来は、卵、牛乳、砂糖、生クリームで液を作って浸すだけだが、それでは少々物足りないので、リンゴのスライスをバターと砂糖で炒めたもの、それからラム酒につけたレーズンをちりばめて、オーヴンで焼く。
カステラやロールケーキ、パンナコッタ、フルーツのムース、スコーンなども定番だが、もう少しヴァリエーションが欲しい。いつか、日本で流行っているらしい、巨大なプリンに挑戦してみようかしらとも思う。
◎守られて欲しい、インドの伝統的なテキスタイル
インド移住以来、折に触れて訪れているインド各種工芸品の展示会。飽きもせず、新聞広告で見つけるたびに、訪れる。ミューズ・クリエイションをはじめてからは、メンバー向けに『インドのテキスタイルとサリー講座』を行っていることもあり、その実践編として、希望する方のお買い物にお付き合いし、選ぶお手伝いをしている。
先日も、しばしば展示会が行われている市内のアートスクールで、手工芸品展が開催されていた。いつも同じように見えて、しかし、必ず「これは!」と思うものがある。
同行している人が気に入り、そして似合う物が、必ず1枚はある。2枚、3枚、あることもある。が、それを見つけ出すのは、簡単なことではない。布を見る目が慣れてなお、難しいから、その分、楽しい。
このバナラシシルク。シルクジョーゼットの手織りは、このおじさんが織ったのだという。地色が派手に見えるがしかし、織りの金色、そして配された水色や薄いピンクが上品で、とてもすてきな1枚だった。
「お店で買うと、40%は高いよ!」が口癖の、いいおじさんであった。
わたしは当面、よほど気に入った物でない限り買わないと決めているので(あまり着ていないサリーがまだ、たくさんある)、深みにはまらない程度に、あくまでも同行のメンバーに似合う物を探すという視点でのみ、発掘することに専心だ。
草木染めのハンドブロックのサリー。これも伝統とモダンの融合で、とてもユニークなデザイン。こういうものは、シルクに手染めと手が込んでいても、数千ルピーで購入できる。
サリーは買わなかったが、木綿のイカット(絣:かすり)の店で、テーブルクロスとベッドカヴァーを買った。右側のダブルイカット(経緯絣:たてよこかすり)。非常に高度な技術を要する織りで、インドとインドネシア(バリ)、そして日本(久留米や沖縄)にしか残されていない技術で織られている。
伝統柄だが、今でも新しい感じがすてき。これは、拙宅のテーブルにはやや小さめだったので、玄関口の棚のカヴァーとした。
この、非常に手間のかかる絣の、しかも手織りの布が1000ルピーとは、本当に廉価だ。然るべきところで、もっときちんと売ることはできないのだろうか、とさえ思う。
というのも、このところ、インドの手織り物業界が、いよいよ窮地に立たされる事態が起こっている。詳細は割愛するが、関心のある方、ぜひこちらをご覧いただいたき、嘆願に賛同をしていただければと思う。
●Save Handlooms - Don't Repeal the Handloom Reservation Act! (←Click!)
手紡ぎ、手織りの布、Khadi(カディ)はまた、マハトマ・ガンディの自主独立運動、スワデシ(国産品愛用)、スワラジ(自主独立)を源としている。といったことを書き始めると長くなるが、このようなことについても、インドのライフスタイルセミナーでしばしば、熱く語っている箇所のひとつだ。
◎久々に、カニ! 活カニ宅配で、マッドクラブを堪能す。
以前、瞬間的に利用した "Seatohome"というシーフードの宅配サーヴィスが、1年余りの休止を経て、復活! その間にも、何度か再開しないのかとの旨、Facebookのウォールに催促のコメントを書いたりしていたせいか、サーヴィス開始のその日、SMSでの告知と同時に、セールスの電話までかかってきた。
うれしい。うれしすぎる。
とここまで書いた瞬間、またしても「配達代を割り引きます!」とのSMSが届いた。通じ合っている。
詳細は、過去の記録を見ていただくとして、早速、活きたカニ (Mud Crab)をはじめ、エビやイカ、食べたことのない魚などを注文した。日本の鮮魚に比べれば、そら、ここはデカン高原につき、海辺からの輸送に時間もかかるし、鮮度は落ちる。が、とれたてを運んでもらえるのは、非常に有り難い。
注文したら翌日、着払いで配達してもらえる。
これは、金曜の食卓。超無口な食卓。他のおかずに手が伸びず、ひたすらカニに向かう沈黙の食卓。おいしかった。配達されるときの状況や調理方法については、過去のブログに残しているので、関心のある方はどうぞ。
なお、今回は前回と異なり、和風(しょうゆ、バター、酒)で調味してみた。
◎激旨! ガーリックバター&白ワインでカニのグリル❤ (←Click!)
◎freshtohome.com (←Click!)
ちなみにカニは、前回1キロで2匹と大振りだったが、今回は1キロで3匹と小さめだった。時期によるのかもしれないが、大振りの方がおいしかった。店の人にベストシーズンを聞いておく必要がありそうだ。
◎ミューズ・クリエイション「働き組」&「昼組」、充実の合同練習!
ミューズ・クリエイションのメンバーは、「バンガロールに暮らす日本人女性」という大まかな括りのもと、駐在員夫人、インド人を伴侶に持つ人、当地の企業に勤務する人など、バックグラウンドは多彩だ。ちなみにインド人女性も1人、在籍している。
仕事をしていない人は、毎週金曜日に活動しているが、「働き組」は週末や平日の夜の実施となる。イヴェントなどが週末に開催される時には、参加してくれる。
働き組のメンバーは主にミューズ・クワイア(チーム歌)のメンバーだということで、集まれば、歌う。昨日の午後は、久しぶりに3人の働き組、そしてわたしを除いて5名の昼組が集って、非常にまじめに、歌の練習に励んだのだった。
現在練習している曲、2曲を、それぞれ1時間ほどずつ、みっちりと。この写真は、注意事項を確認し合っている様子。まるで放課後、友だちと試験勉強をしている学生の図、のようでもある。ちょっと無理がある形容か。
ともあれ、途中にはもちろん、コーヒーブレイク、おやつ休憩もいれた。
焼いたばかりのホカホカスコーンに、生クリームとマーマレードをつけて食べる。
おいしい。
一応、運営する者として全チームを見ているわたしであるがゆえ、金曜日は歌いつつも、各チームを行き来したり、お茶の準備をしたり、2階に上って用事をすませたり、蚊取り線香をセットしたり、電気をつけたり、ファンを回したり、なんやかんやと、落ち着かない。
しかし、昨日は、予め型を抜いてセットしておいたスコーンを焼きに行った時以外は、歌に集中。この3年間でいちばん、「みっちりと歌った」午後であった。達成感である。
いつもよりかなり多めに夕食も用意していたので、残れる人は、ビールほか、このごろ超人気の豚肩塊肉煮込みやら、ポテトサラダやら、トウモロコシやら、トマトやキューリのサラダやらを振る舞い、楽しい午後であった。
ミューズ・クリエイションもまもなく丸3年。いろいろなことが実現できたようで、まだまだやりたいこともどんどん出て来る。
「働き組」に加えて「男組」も誕生しそうな気配である。駐在員の人たちにも、慈善団体訪問に参加してもらうべく、週末企画も考えようと思っている。なんにつけても、思い立ったら吉日。歳月は目まぐるしく流れる。
来月は半月ほど、毎年恒例米国行きで不在となるが、6月からはまた新たな気持ちで、スタートしたいものである。自分の本業はほどほどに、少しずつミューズ・クリエイションの活動に重きをおくべく、シフトしていこうと考えているところだ。