そしてついには、クリスマスイヴ。
夫は夕べ、一足先にムンバイへ発っており、夕べは久しぶりに、ひとりでゆっくりとした宵のひとときを過ごした。尤も家政夫モハンがいるから、実質的にはひとりとは言えないけれど。
それにしたって、ひとりきりでいてさえ、食事の準備に後片付け、一切合切をモハンがやってくれる。本当にどうしたもんだ。
自分の使ったコーヒーカップなどをキッチンに運んで、ちょっと濯いだりしようものなら、「マダム! それはなりませぬ!」とばかりに、すかさず背後からモハンが現れ、わたしの手からカップを奪取し、洗浄にいそしむのである。
いいのか? こんな人生。
でも、だからって時間に余裕があるかといえばそうではなく、次々にやるべきことが出てくるのはなぜか。ゆっくりとコンピュータに向かう時間もまだなく、間断なくどうでもいいような用事が発生する。
さて、夕刻、バンガロアを発ちムンバイへ。昨日、すでに一足先に到着していて、ミーティングをすませていた夫は、ホテルの部屋でクリケットの試合を見ていた。(またかい!)
ウェルカムワインを飲みながら、半ば酔っぱらいの夫。ミーティングがうまくいったのか、ご陽気である。機内食を食べていたものの、夜も8時を過ぎ、わたしは空腹である。
「お腹空いた! 夕食を食べに行こうよ」
「ん〜。どこにする? カフェで何か軽く食べようか?」
「ちょっと! 今日はクリスマスイヴでしょ? 何も予約してないの?」
「あ! 忘れてた!」
慌ててホテルのタイ料理レストランに予約を入れる。今回の滞在先、Taj Presidentの1階にあるこのタイ料理レストランは、雰囲気もよく、料理もとてもおいしいのだ。幸いすぐに、予約がとれた。軽く着替えて階下へ。
すでに酔っぱらいの夫には水を与え、わたしは白ワインを注文し、クリスマスイヴを乾杯する。
さて、明日のパーティーはどうなることだろう。わざわざこのパーティーに参加するためにムンバイに来たのだから、「来た甲斐があった」と思えるパーティーであればいいと思う。
食後はこの店自慢のチョコレートファッジを。温かいチョコレートソースがとろりとかけられたケーキにヴァニラアイスが添えられている。見た目はいまひとつだけど、とってもおいしいのだ! これが今年のクリスマスケーキ。