我が家のお向かいに、日本からの駐在員ご一家がお住まいであることは、以前記したかと思う。ずっと出払っていたため、ゆっくりお話しする機会がなかった。先日、お会いした折、お友達もご一緒にランチにいらっしゃいませんかとお誘いしていたのだった。今日が、その日だった。
これが米国であれば、自分で手料理など準備し、おもてなしするところだが、我が家には家政夫モハンがいる。北インドの家庭料理を食べたことがない方もあろうかと思い、彼に数種類の料理をリクエストしておいた。
いらっしゃったのは、お隣のレイコさん(バンガロア歴4年)、それからご友人のキミコさん(バンガロア歴2年)とトモコさん(バンガロア暦4カ月)の3名だ。テニスからのお帰りだということで、最初はお水でも……とテーブルに準備していたのだが、
「ビールはお召し上がりになります?」
と尋ねたところ、みなさんOKだったので、そりゃよかった! とばかりに冷蔵庫へ走り、昼間からキングフィッシャーで乾杯である。
みなさんとお話ししていて(というか、ついつい、いつものようにわたしがしゃべりすぎてしまうのだが)、まだ知らぬバンガロア情報を得ることができ、楽しいひとときだった。
モハンが気合いを入れて、朝から準備をして作ってくれた料理も、みなさん、喜んで食べてくださった。料理の写真を撮っておけばよかったのだが、おしゃべりに夢中ですっかり忘れていた。
従って、彼が調理中にわたしがキッチンに潜入して撮った一枚を、ここにご紹介。これは、デザートを作っているところ。この北インドはパンジャビ地方のデザートが、おいしくてねえ。
みなさんも、「おいしい!」 と言いながら食べてくださったのだが、最初は素材がわからない様子だったので、食べながら当ててもらうことにした。ココナツ? とか、チーズ? などとの予測が出たが、さにあらず。そう。これは、以前にも書いた、ニンジンのデザート「ガジャルハルワ」だ。オレンジ色のニンジンが出回る冬にのみ、作ることのできるデザートなのである。
大量のニンジンをすり下ろし、水につけておく。それを、たっぷりのミルクとバター、砂糖で延々と煮詰める。今日は少なくとも3時間は煮詰めていたようだ。カルダモンやナッツを加える場合もあるらしいが、モハンのはミルク、バター、砂糖だけだった様子。見た目は赤茶色のぱさぱさした、決しておいしそうなものではないけれど、食べてみると、意外なほどにやさしいおいしさなのだ。
みなさんがお子様のお迎えがあるからと、2時過ぎに帰られたあと、おいしいからと調子にのって、また食べたら、夜になってもお腹がすかない。夫は今夜はパーティーで夕食がいらず、結局わたしも食べないまま。かなりカロリーが高い「腹持ちのよい」デザートである。
ところで、上の写真は、「片隅の風景」と重複しているが、これはおとといラッセルマーケットで買ったバラである。とてもきれいでしょ? あのコーナーでのわたしは、どうも詩人であるため、俗世な話題は避けたいらしい。従って、敢えてここに書くのだが、 これらが先日記した20本で100ルピー(2ドル強)のバラである。リーズナブルである。匂いがしっかりと強くて、たくましさのあるバラだ。
本日ゲストの奥様方曰く、「水に漂白剤をちょっと入れると、花が長持ちする」とのこと。それは初耳。しかし、漂白剤はない。今度買って、実験してみようと思う。