●RAIN TREEで、オレンジ色のスカートを
パーティー明けの日曜日は、家でのんびりと過ごした。いつもの、アーユルヴェーダのエステティシャンに自宅まで来てもらい、頭から足の先まで全身マッサージ。平和な一日であった。
そして今日、月曜日。家事以外の雑用は山積しているのだが、午後には「外へ出たい病」が発症。別段用事があるわけでもなかったが、車に乗り込む。
今日は、かねてから関心のあった場所を訪れようと思う。まずは、以前から義姉スジャータに聞いていた、我が家の近所のRain Treeへ。ここはカフェといくつかのブティックが入っているコロニアル様式の建物。一見したところ、誰かの小邸宅のような風情である。
ちょっとおしゃれな雑貨を扱う店や、ファッションブティックが数軒、入っている。ジャイプール発のコットン製品ブランド、ANOKHIのブティックもある。わたしが以前、デリーのショップで、「KENZOもどき」のサルワールカミーズ(パンジャビドレス)を買い、アルヴィンドから「寝間着?」と聞かれた、あのブランドである。
上の大きな写真は、ゴアのデザイナーによるブランド、Wendell Rodricksのブティック。
どこかしら、コム・デ・ギャルソン的デザインの、斬新なイメージ。わたしはギャルソンの服にさほど関心はなく、買ったことも着たこともないのだが、左の窓辺においてあるオレンジ色のスカートに吸い寄せられて、思わず買ってしまった。
まるでドレスのようなロング丈の、「姫」みたいなスカートだ。日本ではまず着られないファッションではある。でも、ここはインド。何だっていいのだ。
RAIN TREEを出たあとは、いくつかの用事をすませ、帰り際に、もう一つの気になっていた場所に立ち寄った。我が家のある通り、カニンガムロード沿いにある、HATWORK BOULEVARDがそれだ。
●思いがけないところに。HATWORKS BOULEVARAD
この場所のことを知ったのは、1月29日(日)付のTHE ECONOMIC TIMES BANGALOREの紙面にてだった。
RAIN TREE同様、英国植民地時代のコロニアル建築の邸宅を改築して造られた、小規模なモールらしい。ファッション、インテリアブティック、スパ、レストラン、アートギャラリーなどの写真が並んでいる。
常時埃っぽく、雑然としているカニンガムロード沿いにあるとは信じがたい、静寂を漂わせた写真だ。インドは、思いがけない場所に思いがけない建物があるから面白い。
カニンガムロードのどのあたりにあるのか、見当はつけていたが、なにしろ込み合った場所。クマールにゆっくりと運転してもらい、看板を見つける。通りからほんの少し入り込んだ奥まった場所に、その建物はあった。
ここもまた、そうとは知らなければ立ち寄ることもなく通り過ぎてしまいそうな(現に何度も通り過ぎていた)、さりげない外観である。
しかしながら、わたしが好むところのコロニアル建築の建物は、光と影の調和が美しく、通りの喧噪を情趣溢れるBGMに変えてしまうが如くの、独特のドラマ性を漂わせている。建物の中は、異質の時間が流れている。
まずは、フレンチ・コスメ、Decleorのプロダクツを使用したSERENA SPAを見学。非常にムードのよいサロンだ。取材をしているわけでもないのに、最早取材気分で、写真を撮らせてもらう。上の大きな写真はカップルマッサージ用の部屋。光が美しくさし込んで、いい雰囲気だ。
右の写真はボディシャワーマッサージ用のストーンベッド。これもまた、気持ち良さそうだ。フェイシャルもマッサージも、一度は試してみたいところだが、Decleorのフェイシャルは、米国時代に一度試して、肌に合わなかった経緯がある。わたしには、リーズナブルなインドのアーユルヴェーダコスメがお似合いのようである。
マッサージは試してみたいところだ。が、値段はインドにしてはかなりお高い。高級ホテルのスパ並みかそれ以上である。試すのはまだ先か。
ベッドリネンやテーブルクロスなど、テキスタイルの店あり、斬新なデザインの「現代サリー」店あり、ただいま建築中の家具店あり、長時間を過ごすほどの店舗数ではないものの、立ち寄って悪くはない場所である。
さて、帰ろうかと車に戻ったら、クマールがタイヤを交換中。どうやらパンクしてしまったらしい。しからばカフェでコーヒーでも飲もうとテラスへ。ここは食事のメニューの他、ケーキなどもある。食べなかったのでお味のほどは不明だが、見た目はそこそこおいしそうだった。
お茶を飲みながら、ノートを広げて書き物をしていると、「ミホ!」と声を掛けられる。ファミリーフレンドのマリアムだ。ここにあるアクセサリーショップを彼女が経営しているのだという。
コマーシャルフィルムのモデルである彼女は、ムンバイへしばしば撮影に出かけているのだが、サイドビジネスとして店舗経営を始めたとか。来週からはリネン類も扱い始めると言う。
そろそろ、インドの人たちのインタヴュー記事を書き始めたくなってきた。またしても、取り散らかってしまいそうだが、中途半端を覚悟で、はじめてみようかと思う。