●おめでとうハニー。日本食で祝う門出 本日は、アルヴィンドとわたしの、新しい門出を祝し、3人そろってランチに出かける。
昨日、お向かいの日本人駐在員の方をお招きして日本料理の話をしていたら、なぜかみな、日本料理が食べたくなり、意見の一致をみたため、播磨へ。
ビールでも飲みたいところだったが、夫は午後から打ち合わせの電話が控えていたので、妻も辛抱してほうじ茶で乾杯。ランチセットを一つに、アラカルトから夫の好きなソフトシェルクラブの天ぷら、和風ビーフ、それから野菜炒めを注文。久々の、こってり盛りだくさんな料理だ。
アメリカ的日本料理なソフトシェルクラブを母も気に入り、久々の「醤油フレイヴァー」に日頃とは異なる味覚中枢が刺激された様子。白飯こそ、その品質にご不満の様子だったが(海外生活が長いと、あまり気にならなくなるものだが)、それ以外は比較的おいしく味わえたようだ。
それにしても、ここに至るまでの道のりは、長かった。いや、播磨に来るまでの、じゃなくってね。我々の、新しいスタートラインまでの。
夫と出会ってこの7月で十年になる。紆余曲折を経て、ようやく地盤が固まり始めて来た。いろいろあったし、これからもいろいろあるだろうけれど、やっぱりこの人と出会えてよかった。
これからの人生、一人でいるよりも、彼と一緒の方が、もっともっと面白いことが経験できそうだと思う。国際結婚という定義について、あまり真剣に考えることはないけれど、でもあえて言えば、異文化の者同士が暮らすということは、差異を巡るトラブルが多い分、思いがけない「おかしみ」がある。
わたしはその、「おかしみ」「妙味」に、賭けるね。この人生。
さて、こんなときこそ、慎重に、手綱を締め直して進むべき。喜びながら、着実に、冷静に。
●チャレンジャーな母マダム、インドで髪を切る。染める
母は髪の伸びが早いらしい。渡印前に、髪を切り、染めていたらしいのだが、すでに根元のあたりに白髪が見え始め、髪もそこはかとなくだらしなくのびている。
思えばカリフォルニアに来たときも、中途半端にのびていて、背後から風が吹くと髪が四方に飛ばされ乱れ、その絶壁な後頭部があらわになり、更には白髪部分と染めた部分の差異が明白になり、フランシスコ・ザビエル状態になりがちであった。
見かねて滞在の途中、ヘアサロンへ連れて行き、日本人女性に切ってもらったものである。
さて、今回もまた、同様の気配。前から見る分にはいいが、背後からがどうもまずい。ちなみに我が家は両親、娘二人ともに絶壁著しく、後頭部がふんわりと見えるよう、高度なテクニックでカットしてもらわないことには、相当に見苦しいのである。
さて、ここはインド。そんな技をこなせるスタイリストがいるだろうか。ま、しかし母の髪の伸びは早いとのことだから、失敗してもちょっと我慢すればいいだけのことだ。
たまにフェイシャルやネイルケアに出かけるメリディアン(Le Meridien Hotel)のf-salonは、ロレアルのプロダクツを扱っており、スタッフの雰囲気もプロフェッショナルな香りを漂わせていたので、ここならばいけるかも、と思っていた。夫も一度ここで切ってもらったことがある。
試しに、母をここへ連れて行くことにした。スタイリストの腕前によって、料金が異なるが、一番高いシニアで700ルピー。20ドルもしない。無論、ヘアカラーは高めだけれど、米日に比べれば安いものだ。
ともかく短めにさっぱりとした方がいい。どうせ母は英語ができないのだ。最早わたしが、好き勝手に希望を伝える。さて、どんな仕上がりになるのか、楽しみだ。
(写真左)まずは"before"の写真を。ヘアカラーも落ち始めて、髪が傷んで見える。
(写真中央)スタイリストはオリエンタル顔のお兄さんLADUPくん。西ベンガル(カルカッタ/コルカタのあるあたり)の、モンゴル系少数民族の出身なのだとか。非常に親しみのわく顔立ちである。雰囲気、手つきともに「プロ」なムードを漂わせていたので、大船に乗った気持ちで彼に任せる。なお、ヘアカラーはロレアルのケミカルフリーを使用。色は彼の勧めに従い「チョコレート」を。
(写真右)こちらが"after"の写真。いかがかしらん。わたしとしては、カーラーで巻いてふわふわなおばさまヘアより、こちらの方がすっきり知的なムードで好きなのだけれど。ちょっと細木数子、入っているけど。
家に帰ってからも、記念撮影。昨今の母は最早、モデル気取りである。
「なん、気取りよ〜と〜?」
と、戒めの言葉を告げたら、なにがおかしいのか、箸が転げてもおかしいお年頃と化して大笑い。ギャハギャハと笑いながら写真を撮っていたら、いつものハトがやって来た。こちらもまた、モデル気取りでつんとお澄まし。
さて、母の後ろ姿に最早、ザビエルの片鱗はなく。絶壁もいい加減でカモフラージュされている。チョコレートカラーもいい塩梅。マダム、若返りましたよ!
それにしても、わざわざ日本からインドに来て、髪を切り、染めて行く人も、そうそうおりますまい。いい経験をしたものだ。