昨今のマダムは、しばしばキッチンに立つ。モハンには悪いが、「俺の城」への進攻、目覚ましい。
鶏肉、ラム肉、魚介類。アントレ(主菜)からは一切、三大スパイスを排除して早くも2週間。無論、ダル(豆の煮込み)や野菜煮込みなどは相変わらずインド家庭料理風味だが、ともかく一品は、あっさりといきたいのである。
このごろは、パスタなども折にふれ、登場する。
つい先日は、駐在員マダムからいただいていた、日本より直送の超貴重な「サバの切り身」を塩焼きにした。本気で、夫のいない昼間にでも、こっそり食べてしまおうかと思った。わたしは幼少のみぎりより、サバが好き、なのである。
かつて福岡では、安くて新鮮でおいしいサバがたっぷり手に入ってね〜。今でもあるのかしらん? 大きな器にたっぷり入った、透き通るほどに新鮮なサバの刺身。醤油とごまであえられている。それをアツアツのご飯に載せて食べることの幸せ。歯ごたえ、風味、ともにもう、たまらん。ああもう、思い出しただけで……。
とはいえ、おいしいものはわかちあって食べたいものだと、堂々、書き込んだ直後に、独り占めはないな。と、心がちくりといたみ、夕餉に供した次第。
「十年間辛抱した」と言う割に、彼はサバの塩焼きが(も)好物なのでね。
これがまた、単なる塩焼きだけど、脂がほどよくのって、香ばしくて、おいしくてね〜。ああもう、思い出しただけで……。
そんなわけで、我が家に「インターナショナル」な夕餉が蘇りつつある。
ちなみに今夜はパエーリャだった。前日、スジャータがラッセルマーケットで買って来てくれていた小振りのロブスター、それに骨付き鶏肉、ポークソーセージなどと野菜、米を炊き込んだのだ。インド産のサフランも入れて。
トマトソースを作ったり、タマネギやガーリックをみじん切りにしたりの「下ごしらえ」はモハンに指示してやってもらうので、わたしが実質、キッチンに立つのは短時間。なかなかにいい、共同作業である。
ところで今日は、「播磨」のジュンコさんに教わっていたポーク専門店を訪れた。その名もHAMSHOP。MGロード、Bombay Storeのすぐそばにある。
豚の絵。落書きじゃないのよ〜。豚肉の店なのよ〜。店内に入るや、すっかり韓国人と思われ、ハングル語のサインを示される。コリアン向け薄切り豚肉がある、というのが、ここの売りらしい。
少々脂身の多いバラ肉だが、余分な脂身は切り取って、生姜焼きにしたり、軽く塩こしょうで炒めたりするとおいしそう。キャベツやトマトと炒めても、あっさりでいいかも。
それから巨大な塊肉も購入。これはアルヴィンドのお好み「塩竈焼き」にするもよし、「紅茶茹で」にするもよし。あっさりといきたいところだ。
塩竈焼きの何たるかを知りたい方は、こちらの3月16日の記録を参照されたし。
豚肉は、Bamburiesにも売っており、一度、ポークチョップを買って自ら調理したことがあった。なかなかにおいしかった。でも、せっかくなら、専門店の方がよかろう、ということで、こちらを試した次第。なにしろ、薄切り肉や塊肉があるのが魅力。
ちなみにモハンはポーク、ビーフ、エビを食べない。夕食の分け前が減って気の毒だが、仕方あるまい。野菜や豆で、お茶を濁してもらっている次第だ。
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【アメリカクラブ】アメリカで暮らす:第3回目を更新しています
●脱インド。香港、サンフランシスコ、ハワイ、ニューヨーク1カ月旅
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