■ムンバイならではのきらびやかファッションを買うべきか否か
「サリー」とひとことで言えど、その素材、デザイン、意匠などは、インド国内、それぞれの地において、大いに異なる。
ムンバイのサリーはボリウッド映画の女優らが着用している、「ド派手系」が主流だ。赤、青、緑、黄色といった原色の布地を臆することなく用い、色とりどりの石やらスパンコールが鏤められ、金糸銀糸の刺繍が施されている。
サリーもそうだが、レンガー・チョーリー(レンガはスカート、チョーリーはブラウス)と呼ばれるロングドレスとミニマムなトップ、ストールをあわせる、やはりボリウッド女優もどきなファッションも、盛大なる派手さだ。
そんな派手なムンバイ的衣服を、欲しいと思う。すでに、ムンバイ滞在2日目、人気店で下調べをしてきた。そしてとても素敵な一着を見つけた。美しい刺繍が施された真っ赤のレンガー・チョーリーだ。欲しい。
しかし、いつ着るのだ? そもそも、本当にこれは、わたしに似合うのか? それとも、これを着て、踊る気か?
無論、この写真の女性のように、力一杯、腹部を露出するつもりはない。控えめに、隠すつもりではある。でも、あと5キロ、いや7キロ、今より痩せていたら、出すと思う。そんなわたしを許して。
悩んだ末、一旦は引き上げることにした。でも、引き上げたあともなお、気になる。インドでは、「一品ものの手作り」が主流であることも、魅力の一つだ。これを逃したら、もう一生、同じものに出合うことはないのだという、希少価値な魅力。
「このデザインは、あなたによく似合う! ほら、肌の色にもぴったり。実にいいですよ。世界で一つしかないデザインですからね。しかもこの値段。有り得ませんよ!」
商売上手な兄さんたちの、口車に乗りそうな自分が怖い!!
ムンバイ滞在最終日の、自らの動向に注目したい。
※上記の写真は、Queensという店のサイトより借用した。この店の周辺(Marine Drive)には、いくつかのサリー専門店がある。きらびやかな布を眺め歩くだけでも、楽しい。
■そしてついには、タヒリアーニのブティックへ!
デリー発デザイナーズブランド、タヒリアーニの賞品を受け取りに行くことは、数日前に記した通りだ。さて、どんな服をいただけるのであろう。わくわくしながら、そのブティックへと向かう。
タージマハルホテルのすぐそばにあるそのブティックの、外観は工事中ではあるものの、高級感を漂わせている。
店へ入り、あらかじめ電話で知らせていた賞品券を示す。マネージャー曰く、
「10,000ルピー以内の賞品と交換できます。お好きなものをお選びください」
とのこと。10,000ルピーといえばUS$250ほど。無償でいただくには、とても大きな額である。うれしい。
しかしながら、インドとはいえ高級ブティックだけあり、殆どのラインナップが15000ルピーを超える。従っては、ブラウス、もしくはTシャツなどのトップから選ぶことにした。
あれこれと試着した末、今までの自分なら絶対に選ばないような色とデザインの一着を選んだ。モンスーンシーズンに合わせた最新のデザインらしい。かなり奇抜に見えるが、他の商品に比べるとかなり地味な方だ。
着てみると、結構、似合うような気がする。ふふふ。
あの日、Whartonの同窓会イヴェントで、ラッフルに見事当選し、ギフト券を獲得して後、引き換えに行く時間がないからと、わたくしにくださったナカツカさんご夫妻、どうもありがとうございました!
ご機嫌な気分のあと、タージのビューティーサロンでネイルケアをしてもらう。今日の担当者は男子2名。インドではフットケア及びペディキュアは男性が担当することが多いが、マニキュアも、というのは少ない方だ。
なぜか二人とも、インド人にしては非常に身長が高く、がっしりとしていて、体格がいい。そんな二人が背中を丸め、シュッシュッと手足の爪をとぎ、手入れをしてくれているさまを見ていると、なんだかおかしさがこみ上げてくる。なんでまた、その立派な体格で、この職業を選んだのかしら……と、余計なお世話を思い巡らす。
ものすごく体格がいいのに、眉間を寄せるその下の、大きくつぶらなその瞳。まつげがぎっしり、すごく長くてクルリ〜ンとしているさまがまた、アンバランスでかわいくて、おかしさがこみ上げてくる。まったく失敬な客である。
ちなみに、インドのネイルサロンは、一般的に「手入れ」は力を入れるが、仕上げの「塗り」が甘いということは、以前も書いたかと思う。しかし、この体格のいいお兄さん二人は、「塗り」も非常に丁寧だった。
ちなみに上のサンダルは、例のPlum Treeのもの。購入時、「これは日本人のお客様にとても人気です」と言われた。確かに日本人マダムの間で、相当に人気のブランドなのだ。かわいくて、履き心地がいいのが魅力。トウリングはコマーシャルストリートで買った。