みぽりん感激! な一日だった。誰なんだいったい。
お察しの通り、今、ちょっと(かなり)アルコールが入っている。そんなときに、文章を書いてはならんと思うが、ちょっと気分がよいのでね。夫が出張中だから、って訳じゃないのよ〜。
本日午後3時頃、昨日に引き続き、某マーケットリサーチのために、町へ出た。といっても、今日は車を使わず、「徒歩でご近所巡り」である。まずは小汚い裏通りを探索。移住当初、箱入り息子(アルヴィンド)が歩いた後、具合が悪くなったあのご近所だ。
狙っていたシーンになかなか出くわさないが、それでも、それなりの成果はあった。その後、カニンガムロードへ戻る。カニンガムロードは、その距離こそ短いけれど、バンガロール市街の中では、結構な「繁華街」である。
約1キロメートルの範囲内に、シグマモール(ショッピングモール)あり、マクドナルドあり、ピザハットにドミノピザ、バリスタカフェ、カフェコーヒーデイあり。もちろん、飲食関係ばかりではない。インド工芸品店にサリー店、小洒落たブティック、ビューティーサロンもある。
更には病院、クリニック、IT企業、航空会社、DHS(クーリエサーヴィス)に主要銀行数店舗、Airtel(電話会社)等々、それなりに栄えた通りなのである。
にも関わらず、滅多に歩くことはない。なぜなら、交通の往来激しく著しく、排気ガスが力一杯、蔓延しているからだ。通常の日本人感覚を持ち合わせていれば、マスクなしで、いやマスクがあったとしても、歩くに耐え難い通りである。排気ガスに加え、交通量が多くて、「対岸へ渡る」ことさえ、一苦労。
たまに歩くと、自分が「殺気立っている」のがわかる。しかし、仕事となれば別である。足取り軽く、歩くのである。
さて、写真を撮っていれば物乞われ、老婆に少年につきまとわれ、しかし見えぬふりして、それでもしつこくつきまとわれ、ええいほっといてくれと振りきり歩き、一通りの撮影を終えて、infiniteaというティーショップへ入る。
この店には、インドに来て直後、まだアパートメントを確定する前、ご近所の様子を下調べしていた際に、アルヴィンドと一緒に訪れた。そのとき、店長だと言う男性と挨拶を交わし、彼の話に二人して印象を受けたのだった。
ダージリンのお茶農家の息子だと言う彼。非常に急がしそうで、しかし楽しげに、精力的に働いていた。若々しいのが印象的だった。
さて、本日。わたしは前回と同じメザニン(中2階)席で、この店のおすすめだというゴールドダージリンティーを飲みながら、この店ならではのMOMO(チベットの蒸餃子)を食べていた。ついでに、料理の写真も撮っていた。
そうしたら、"May I help you?"と、見慣れた若者が近づいて来た。おう! 店長ではないか! 写真を撮ったり、何やらノートを記していたりしたので、「少々怪しげに」思ったのか、近づいて来たのであろう。
彼の方はわたしのことを覚えていなかったが、わたしは、よく覚えている。それにしても、フレンドリーな青年である。改めて挨拶を交わし、少々の世間話をしているうちに、「十億分の一のインド」が閃いた。
かくかくしかじかを説明し、近々インタヴューさせてほしいと頼んでみた。すると、明日から1カ月以上不在だから、今日、これから所用があるけれど、20分ほど待ってくれるなら、その後30分ほど時間が取れるという。
明日から長期不在となれば、本日は多忙に違いない。「無理しないでね、急ぎじゃないから」と言ったのだが、彼もインタヴューをうけることには好意的である。大丈夫だと言う。
20分待ちでは絶対にすまないであろうことは覚悟の上で、午後4時50分現在、7時までは粘ろうと決め、待つことにした。
お茶を何杯も飲み、MOMOを食べ尽くし、お腹たぷたぷになりながらも、待つ。なんだかんだで5時50分。ようやく彼が現れた。明日からの旅のチケットを、旅行会社へ取りに行っていたらしい。
ほんと、忙しいところに悪いわね。と言いつつも、インタヴュー開始。
へ〜、そうなの、DJやってたんだ。音楽業界に行きたかったの? えええっ? あなた26歳なの? 開店当時は23歳?! と、のっけから、インパクトのあるバックグラウンドだ。
話を聞いている途中、銀行の人が訪れて、インタヴューは中座。ノープロブレムよ。わたしは待つから、用事を先にすませて。更に30分待つ。そうして続きの話を慌ただしく聞く。
実質の取材時間は30分を切っていた。しかし、短いながらも、非常に興味深いストーリーを聞くことができた。
いい話を聞けたこともうれしいし、「この人の話を聞きたい!」と思う、自分の嗅覚が確かであることを実感できたことも、うれしかった。
うれしくてご陽気になり、売っているティーバッグのお茶(6個入り)を全16種類まとめて買う。と、威張って言うほど、高価な買い物ではないのだけれどね。
ちなみにこれらは、インドで初めてのナイロン製のティーバッグらしい。更に、ダージリンで作った緑茶による「マッチャパウダー」も買ってみた。一つ一つ、味見をしよう。
ところで彼は、6月30日に結婚したばかりとかで、明日から、実はハネムーンで数週間、ヨーロッパへ行くのだという。それから故郷のコルカタ(カルカッタ)へ行くため、1カ月以上の不在らしい。
「まあ、おめでとう!! 楽しい旅をしてきてね!」
と言うと、心底嬉しそうに微笑んでいた。チャーミングかも。
「日本人マーケットを開拓したいときには、わたしに一声かけてね。何か手伝えると思うわ!」
と、Muse Indiaのセールス怠りなく、名刺を数枚手渡し、握手を交わして、去る。
相変わらず、排ガス立ちこめる夕暮れ午後7時。しかし、家路を急ぐ足取り軽く。そうなんだ。6月30日に結婚したんだ。ん? それって、わたしたちの結婚記念日(米国編)と一緒じゃない! これもご縁ね〜。
ああ、やっぱりインタヴューの仕事は意義深い。人の話を聞くことで、自分が強く、触発される。
そんなわけで、数日後には、「十億分の一のインド」第二弾を発信する予定。