さて、本日は、第2回目のクッキングクラスだった。第2回とはいえ、初参加の人が多かったので、その人たちには早めに来てもらって、まずはスパイスや調理器具の講習。
スパイスの匂いをかいだり、かじってみたりしながら、一つ一つを確認していく。加工されたものではなく、自然の調味料だけで、作り上げられるインドの料理は、油脂分を多用する外食は別として、非常にヘルシーだといつも思う。
バランスよく調理をすれば、まさに「薬膳」のようでもある。ところで、先日の日本のニュースで、全日本スパイス協会が、輸入するスパイスを放射線殺菌させてほしいと、関連機関に要望書を提出したようだ。これを読むと「どうしたもんだ」と困惑するが、さておき。
さて、本日のメニューは、下記の3つであった。
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●パラック・パニール(ホウレンソウとチーズのカレー)
たっぷりのホウレンソウとカッテージチーズを素材とした、ヴェジタリアン料理。「サグ・パニール」と呼ばれることもあります。「サグ」とは青菜全般を指す言葉で、「パラック」はホウレンソウの意味です。使用するカッテージチーズは、牛乳で手作りします。
●イエロームーン・ダール(黄色いムーン豆の煮込み)
北インドの食卓に欠かせない、日本で言えば味噌汁にあたるダール。黄色いムーン豆で作られるダールは、まろやかで消化のいい、ヘルシーな一品です。北インドでは、体調が優れないときにも、柔らかめに炊いたごはんと一緒に食されます。
●チャパティ
北インドの主食、小麦粉で作られるパンです。日本では「ナン」がおなじみですが、一般家庭の食卓では、手軽なチャパティが供されます。料理を包み込みながら、食します。
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まず、チーズ作りのデモンストレーションをはじめ、順を追って調理の様子を見学したあと、本日はチャパティ作りの実践を。これが結構難しい。捏ねた後、ちぎって丸めて伸ばすのだが、きれいに丸く伸ばすのが簡単ではない。
これまで、菓子作りの際に、タルトやクッキーの生地を伸したことはあったが、いままでチャパティを作ったことがなく、わたしも初心者である。
丸くするつもりが、「おにぎり型」になったりして、癪に触る。これは、何枚も練習する必要がありそうだ。
さて、伸ばした生地は、チャパティ専用のTavaと呼ばれる平たいフライパンで焼く。
裏表を軽く焼いた後、トングでチャパティをつかみ、直火にさらして焼き、膨らませる。これが、チャパティのポイントだ。
ところが、いくらきれいに丸くても、厚みがあると膨らまない。一方。形は悪くても、薄いものはぷっくりと膨らんだ。
焼き上がったアツアツを、味見しながら、参加者が一人ずつ、「焼き」に挑戦する。膨らんだものは、中に熱い蒸気が入っていて、とても熱い。一方、膨らんでいない厚いものの、それはそれでおいしい。
チャパティは全粒小麦を用いるため、素朴な風味で健康にもよい。無論わたしは、チャパティよりもご飯を主食とする方が好きではある。
「要は、形ではなく薄さだ」との結論に達したが、形がきれいで、しかも薄いというのが、もちろん理想である。わたしも今後の講習に向けて、こっそり練習しておく必要があるかもしれん。
たとえモハンがいるとしても、インド人の妻として、おむすび型は、いかにも情けない。
さて、調理実習のあとは、お待ちかねのランチタイムである。講習したメニューだけでは足りないので、今日もまた、あらかじめ用意していた料理を出す。
撮影のアングルが間違っている気がするが、講習で作ったのは奥の2品。中央は、マダム作インゲンと揚げナスのサラダ、手前はポテトのグリルとラムチョップのカレーだ。
講習で作らなかったラムチョップやポテトが「主役」のような気がしないでもないが、一応、北インド家庭料理の基本メニューとして、ダールやパラックパニールやチャパティは外せないのである。
次回は、休日のブランチに好適な、揚げパン「プーリー」や、ひよこ豆の煮込み、カボチャの煮込みなどに挑戦したい。
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●MUSE COOKING CLASS マルハン家での料理教室
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食後、若々しい日本のマダムらと、互いに噛み合っているんだか、まったく噛み合っていないんだか、毎度よくわからない話題で盛り上がり、いや、盛り上がっていたのかどうかすら定かではないが、ともあれ、お茶を飲み、フルーツを食べ、解散。
クッキングクラスをすることで、わたし自身、自然とインド料理の腕前があがりそうで、うれしい。しかしモハンがいる限り、自分で作る必要はまったくない気もするわけで、それは無用の長物となるのか、という気もして、なんだかよくわからない。