昨日8月9日は、夫の34歳の誕生日だった。それと同時にラクシャー・バンダン(Raksha-Bandhan)と呼ばれる祝祭日でもあった。兄弟姉妹の絆を強める儀礼の日、とでも言おうか。
姉、もしくは妹が、兄、もしくは弟の腕にラーキー(Rakhi)と呼ばれる紐を巻き、男兄弟の健康や厄除を祈るのである。昨日は、あいにくアルヴィンドがムンバイ出張だったため、今日、一日遅れの誕生日会&ラクシャー・バンダンの儀式を執り行ったのだった。
右の写真にあるハート形の器は、先日、MGロードのBombay Storeで買い物をしていたときに見つけた、ラーキーのセット。
小さなキャンドル、ラーキー、米粒、ターメリックなどが載っている。かわいいので買ってみたが、スジャータは自分のラーキーとターメリック、米粒を持って来てくれた。
儀式といっても、ややこしいことをするわけではない。まず、スジャータがアルヴィンドの手首にラーキーを巻き付け、それから額にターメリックと米粒をくっつけ(うまくくっつかなかった)、お菓子を食べさせるのである。お菓子を食べさせるのは結婚式の儀式と同じ感じだ。
一連の儀式を終えたあと、二人はハグして(抱き合って)、そのあと、アルヴィンドがお礼として、スジャータに幾ばくかの「お小遣い」を渡すのである。これが「正当な儀式」かどうかは定かではないが、取りあえず。
さて、夕食は本日、妻が腕をふるった。まずは午後、夫の大好物であるエクレアを焼こうと張り切ってキッチンに立ったのだが……。オーヴンが、不調。電熱棒(というのか?)が、上下正しく働かず、たまに上だけ、たまに下だけ、といった気まぐれを起こすため、シュー皮がまともに膨らまないのだ。
マダム、脱力。インド製のオーヴンだもの。仕方ないわね。オーヴンがないことには、エクレアなどできるはずもなく。デザートはK.C.Dasにて調達。
さて、エミさんとショーンも来てくれて、夫の誕生日を祝福してくれる。
夕食メニューは、夫の好物であるチキンカツやポテトサラダ、その他マッシュルーム(エリンギ風)のソテーや大根&インゲンのサラダなどを作る。
スジャータが、揚げ物にはセサミオイル(ごま油)がいいと勧めてくれていたので、使ってみた。ちなみに日本や中国のごま油とは異なり、匂いがほとんどないのだ。
ごま油は温度が上がりすぎないので、揚げ物が焦げ付かず、しかし中までしっかり火が通ると言う利点がある故、おすすめらしい。ところが、揚げてみると、特有の癖のある香りがする。
「揚げ」の部分は家政夫モハンに頼んだため気づかなかったが、食べてみて、「ん?」という感じ。普通の油で、揚げればよかった。わたしもチキンカツは好物だが、1つ食べて、もう、いいや。という味。エミさんも匂いがダメなよう。
幸い、夫やスジャータ、ラグヴァンは匂いが気にならないらしく、喜んで食べていたのでよかったけれど。日本人の口には合わない味であった。
みなに誕生日を祝されて、本人曰く、好物のチキンカツを食べられて、K.C.Dasのデザートもおいしくて、とても幸せだったようだ。仕事の面においては、なにかと波乱の少なくない日々ではあるが、この一年もまた、前向きに頑張ってほしいものである。
●おまけ写真● これは1997年、つまり9年前の夏。1996年、マンハッタンで出会った我々が、一緒に暮らし始めたばかりのころ。そのアパートメントに、初めてスジャータが訪れたときの写真だ。
やはりこのときも、アルヴィンドの誕生日とラクシャー・バンダンを共に祝ったのだった。このときわたしは、「渡米後初めて」タルトを焼いて、彼のバースデーケーキとしたのだった。
タルトなど、一度にいくつも焼けてしまう、巨大でパワフルな米国のオーヴンが懐かしい。
それにしても、ハニー。若いわね。