来週のムンバイ行き前にやるべきことが山積しているが、どうも作業が波に乗らない。昨日から夫はムンバイ出張につき、普通なら一人だと集中できるところなのだが、思うようにいかない。
午後、明日のクッキングクラスの買い出しを口実に、外出。気分転換である。毎度おなじみ、ブリゲイドロードのNILGIRI'Sへ行こうと思うが、通りは大渋滞だ。
聞けば今日は祝日らしい。カルナタカ州の祝いごとらしい。このごろは、しょっちゅう、祭りやらお祝いやらをやっているので、相変わらず何が何だかわからない。
それにしても、道路はひどい混みようで、舗道は人が溢れ、お祭り騒ぎである。実際お祭りなのである。交通渋滞は、前方で国旗を掲げている車の連隊が原因のようだ。
デモなのか、ストライキなのか、テロなのか、祝っているのか、一見するだけでは何が何だかわからないのもインドである。なにしろ、そのいずれもが、しょっちゅう勃発している故。
横断歩道があるにはあるが、信号がないために車は間断なく道路を埋め尽くす。対岸になかなか渡れない。ああもう、全然渡れない。人々は危険を冒し、車の波を縫う。そのへんに立っている警官に、交通整理をしてくれと詰め寄ったが、てれ〜ん、として埒があかない。
インドである。
わたしが交通整理をしたいくらいである。
おおよその商店が閉店していたにもかかわらず、NILGIRI'Sが開いていたのは救いであった。明日はデザートにブレッドプディングを作るので、新鮮な卵と生クリームを仕入れたかったのだ。
それから、切らしていたコーヒー豆も買う。たったそれだけのために、ここまで来たのかと思うと、一抹の寂しさが心を過るので、近くの書店、CROSSWORDまで足を伸ばす。
書店をぐるりと巡って、本当はもう帰宅して仕事にかかるべきところなのだが、帰りにコマーシャルストリートに近いサフィナプラザ(SAFINA PLAZA)に寄る。ここは少しもお洒落じゃない、地元のショッピングモールで、これまでも何度かここに書き記したかと思う。
今日もまた、「全国工芸品展」みたいなのをやっていた。たまに「職人自ら」販売している場合があり、安いということもあるが、職人さんたちと話を聞いたり、感想を述べたり、直接購入できるのが楽しくて、ふらふらと見て回る。
毎回、似たような品揃えの中にも、必ずいくつか、目に留まるものがあるのである。実は昨日もここへ来て一巡し、かつて購入した「ヒマラヤ山麓で作られた石けん」を見つけ、購入していたのだった。
そして今日は、このサンダルウッドの木彫り製品が気になった。決して「すてき!」とは言いがたいが、素朴な味わいのあるペンダント。白檀のいい香りがする。個性的である。
デリーにほど近いハリアナ州から来たという店のおじさん、ポケットから少々くたびれたハンカチを取り出し、表面を拭く。すると、光沢が増して美しい。
小鳥や象、バラの花をモチーフにしたものがさまざまある。軽いので首に下げても肩が凝らないのがいい。すべて手作りだが、1つUS$10程度と、お手頃である。
伝統工芸支援者のわたしとしては、これを日本へのお土産のひとつにしようと思う。いくつかをまとめて購入した。
聞けば、上の大きな写真に写っているこのおじさんが、彫ったのだと言う。おじさん自ら、職人であった。この工芸品は彼の一家が手がけているもので、1984年には、ナショナルアワード(国家の褒章)をもらったとのこと。時の首相と一緒に写った写真が飾られている。
ぐっと若いおじさん。この写真も仏頂面である。写真に写るのが、苦手なようである。
さて、左に写っているのはおじさんの甥で、彼は細密画を描く職人。別のブースで自らの作品を販売しているらしい。
わたしが写真を撮影させてもらったら、写真を電子メールで送ってくれと言われた。メールアドレスをもらった。このブログのことも知らせようと思う。
今回のイヴェントは日曜日までやっているらしいので、バンガロール在住の方、ご興味があればどうぞ。
そして夜。どこかで祝祭が開かれていたらしい。
打ち上げ花火を上げる音が、延々と、延々と、延々と、もううるさいくらいに、鳴り響き続けていた。11時過ぎまで、うるさかった。
祝うにも、限度があるだろう、という祝い方であった。