なにしろ年末である。
日常の些末な出来事に加え、諸々、記しておきたいことは募るが、なにしろ師走である。こまごまに気を取られている場合ではない。忘れようと思う。
今日は、夫と近所のウィンザーマナー・シェラトンへランチを食べに行った。
気分転換に「インド食以外を食べたい」という妻のリクエスト対し、夫は朗らかに、
「あのホテルの、ミールス(定食)がおいしいんだよ! 前からミホに食べさせたいって言ってたでしょ? あそこに行こう!」
と、張り切っている。
だから、それは、コテコテのインド料理やろ!!
妻の最低限の要求が、よく聞こえていないようだ。妻も妻で、まあ、インド料理でもいいや。という気分になり、出かけたのだった。
先日、Kさんと食べた定食の、値段は実に10倍である。あちらが150円程度。こちらが1500円程度。
ここにはヴェジタリアン、ノンヴェジタリアン、シーフードの3種類があった。
わたしはシーフードにした。シーフードそのものは、過去何度か訪れ、母とも行ったことのあるTAJ GATEWAYのKARAVALLIが充実している気がするが、この店のムードやプレゼンテーションもまたいい。
前菜に出て来るバナナケーキのような「バナナドサ」がまたおいしかった。でも、通常のドサのようにパンケーキ状ではなく、小さなパンのようである。
料理も概ねおいしく、米粉のシンプルなパン「アッパム」もまた、香ばしくて美味だった。
ちなみに、わたしの数少ないミールス体験から判断するに、(ちなみに北インドの定食は「ターリー」、南インドは「ミールス」と呼ばれる)、味、サーヴィス、コストパフォーマンス総合評価に於いて、ムンバイのSAMRATが一番だ。
ローカル店であり、なにしろ混沌ではあるが、おいしい。ボリュームも満点過ぎる。バラエティも豊かだ。はずれが少ない。ムンバイに行かれる方、チャーチゲートとナリマンポイントの接点あたりにある、SAMRAT。お試しいただきたい。
午後1時半を過ぎると込むので、開店直後の12時あたりに出陣することをお勧めする。
ところで、話は変わるが、2007年は「インドにおける日印友好年」だ。半年ほど前に、外務省のサイトを巡っていて発見した。つまりインドにおいて、日本の文化を紹介するなどの行事があるらしい。
デリー辺りではイヴェントも多数行われるのだろうが、ここバンガロールではなんの噂も聞かない。わたしが知らないだけかもしれない。
それはさておき、現在も日本に滞在中であろうはずのマンモハン・シン首相夫妻と安倍首相夫妻が、その開催式典を行ったようだ。ということが、インドの新聞には出ている。
このごろ、「パラレルワールド」がキーワードとして沸いてくる。
パラレルワールド。平行世界。
日本での自分、インドでの自分、米国での自分、旅する自分、暮らす自分、働く自分……。
それぞれの世界が、実は接点なく、平行していて、そこをわたしはとびとびに、移動しているような、そんな気にさせられるときがある。
で、このシン首相の来日。
インドでは、シン首相は日本にいることになっているが、実は「別世界」に紛れ込んでいるんじゃないだろうか。
どこかずれた世界の日本に、誤って入り込んでいるんじゃないだろうか。
そんな気がするのである。