このごろは、ショッピングモールもでき、ホーム関連ストアも誕生し、家電店も増え、数年前からは想像もつかないくらい、モノを購入しやすくなったバンガロール。引っ越して来た1年半前と比べてさえ、かなり便利になっている。
とはいえ、「自分の好みに合う物があるかどうか」は、話が別だ。無論、それはバンガロールに限らず、世界のどの町でも同じようなことが言えるだろうけれど。クラシックな家具を買い求めるのに東奔西走したことは、インド移住初期の記録に記している通りだ。
そして今、室内照明に、頭を悩ませている。英国植民地下だったインドには、欧州のアンティークの家具や調度品が未だたくさん見られるが、アンティークだとどうしても高く付く場合があるので、わたしとしては、「アンティーク風の」シャンデリアが欲しいと思っている。
ところが、昨今はイタリアや北欧的な「モダンなインテリア」が流行のようで、わたしが望むようなクリスタルのクラシックなデザインをした商品を扱う店は少ない。
インテリア雑誌の広告を見るに、デリ−には照明の店がとても多い。実際、カーンマーケットの近くにも照明店がたくさんあったことを思い出す。でも、バンガロールでは今のところ、気のきいた店が見つからない。思い当たるのはアンティークショップだけ。
そのうちの一つがコラマンガラ(バンガロール市街南)にあるので、今日は足をのばしてみることにした。
せっかくコラマンガラに行くのなら、友だちに会いたいと思い、昨日のうちに電話をいれておいた。グラフィックデザイン関係の仕事をしている彼女は、最近コラマンガラにオフィスを借りて、仕事をしているのだ。
ロフト風の広々としたデザインオフィスの一画を間借りしている彼女。周辺はインドのローカル色漂う地域で、なにしろ鳥居のようなヒンドゥー寺院の門をくぐって入って行くのがいい。
彼女と共に、FIORANOというイタリアンレストランへ。雰囲気もよく、静かでいい感じの店内だ。
このごろ気に入っている「クロスティーニ」を前菜に、ピザやポークチョップを頼んでシェアする。
最後にチーズケーキも。ポークチョップは一部火の通りが浅かったので、新しく作り直してもらったが、味はどれもおいしかった。
近況報告に互いの仕事の話など、とても楽しいひととき。
一緒になにか、仕事をできるといいね、と話をしつつ、食事を終え、さてわたしは照明器具を求める旅へ……。
わたしは、かつてゴアを旅したときに古びた教会などでよく見かけた、こういうタイプや、こういうタイプの、いかにも埃が溜まりやすく電球をかえにくい、つまり過去はオイルランプとして使われていた「コップのような形」をしたカヴァーが好きなのだ。
新しいところで言えば、LEELA PALACE HOTELのこの照明。これは、実はデリーの照明店の商品であることは広告で突き止めたのだが、バンガロールにはショールームがないため、現在「カタログ取り寄せ中」なのだ。いつ届くかはわからんが。
この手の商品は、アンティーク以外では見つけるのがなかなか難しい。
そんなわけでこれまでもあちこち巡ったが、今のところ一番いい感じなのは、これまでも何度か訪れたSOMETHING ELSEという店。上の大きな写真、そして以下の写真がその店で撮影したものだ。
「夫と相談したいから」
と言ったら、写真を撮らせてもらえた。
左写真のような色ガラスのランプをいくつも吊るしてもすてき。右写真はベルギー製のクリスタル。店のひと曰く百年以上は前のもの。
写真左のブロンズ製シャンデリアもすてき。ただ、電球部分がまん丸なのが、好きではない。別のカヴァーに変えることもできるとは思うけれど。
この二つが、かなり高級。オーストリア製で200年以上前のものらしい。傷もないし、本当に200年? と疑わしく尋ねるが、「天井から吊るすものですから、そう簡単には割れませんよ。すべてオリジナルです」とのこと。
左のランプはエミール・ガレ。本物らしい。偽物だとしても、十分かわいいからほしい。エミール・ガレのランプが US$ 1,000しないというのは、インドにしてはとても高いが、先進国基準だと安いのではないか。でも、やっぱり高いけれど。
さて、非常に大ざっぱではあるが、大きめのシャンデリアはいずれも数千ドルである。アンティークにしては安いような気がするが、わからん。なにもアンティークじゃなくていいから、このようなタイプがあれば、それでいいのだ。
新居のエントランスホールからリヴィングルームにかけては吹き抜けなので、せめてエントランス前だけでも、どーんと存在感のある照明がほしい。ここで気合いをいれておけば、あとは「そこそこ」でも、雰囲気がよく見えると思うのだ。
照明求めて、デリーや、アンティーク家具が多いというコルカタあたりまで、旅をしたいものである。贅沢な願望である。ううむ。もうしばらく、近所でリサーチを続けよう。
さて、今夜、ハニーは出張でわたしは久々に一人である。帰宅直後の6時頃から、ワインを飲み始め、いい気分。夕飯は自分で用意するつもりだった。
と、突然、ドーナツが食べたくなった。
最後の一袋となっていた「森永ホットケーキミックス」を取り出し、卵とわずかな水を加えて捏ねる。そうして、「リング型」にするのももどかしく、油を熱しつつ、ころころ丸めて、揚げた。
油をしっかりと切った、揚げたてのあつあつを、ひとくち。サクッとかじれば、ホンワカ湯気があがり、こりゃあ、たまらん!
無茶苦茶おいしかろ〜もん。すてきホットケーキミックス!
赤ワインとドーナツ。その後、夕べの残りの大根の煮付けを食べた。
すごい夕食だった。