なにかと立て込んではいるものの、元気な毎日だ。古くからの読者はご存知の通り、我々は、「よく寝る」夫婦だ。睡眠が大切なのだ。だから、平時は7〜8時間、しっかり寝る。仕事で立て込んでいるときでも、6時間は寝るようにしている。
東京時代の、若く、過激に忙しかった頃ですら、完徹した夜は極めて少ない。1時間でも2時間でも、眠るようにしていた。だから、さほど立て込んでいない昨今は、よく寝るのだ。睡眠は時間よりも質が問題だが、ともあれ、身体は休めているので、基本的に元気である。
夫の咳も、アールヴェーダな薬のお陰か、すっかり治まった。
さて、どうでもいい前置きはさておき、ハイダラバードの旅の余韻に浸る間もなく、ここ数日は仕事や新居関連で時間を費やしている。新居関連については、書きたいこと山のごとし。早くも「ご近所バトル」に巻き込まれて、インドってどうしてこんなにも、予想通りに厄介な展開だろうと、最早笑える。
そんな詳細は、今すぐにも書きたいが、長大な文章になりそうなので、ときを改めて書きたい。
ちなみに、大工仕事は「インドにしてはかなり順調」である。しかし、毎度「油断大敵」。週に数回のチェックは怠れない。
さて、今日は夫が弁当持参で出かけるので、わたしはひとり、ランチは久々に「お好み焼き」を焼いた。具は、キャベツと卵しかなかった。あまりに寂しい気もしたが、おたふくソースとキューピーマヨネーズがある。それに鰹節や海苔もある。青のりではないが、そのあたりは、柔軟に対応である。
お好み焼き焼きが上手な関西出身のY子さんに教わったとおり、チャパティを作るためのATTAという全粒小麦粉で焼いた。
ところで夫は、電話での打ち合わせが長引いていて、なかなかオフィスに行かない。結局、弁当は家で食べることにして、昼過ぎから出勤するとのこと。
テーブルに、夫は自分の弁当を広げる。ちなみにモハン作のインドランチだ。そしてわたしは、お好み焼きを広げる。それを見るなり、
「オイシソ!」と叫ぶ夫。
「半分ちょうだい! 半分ちょうだい!」とうるさい。
いやよ、半分も。二口くらいならいいけど。と言いながら小さく切り分けて、皿に載せてやると、「おいしい!」と喜んで食べる。そうして、「もう一口」「もう一口」とうるさい。
わたしとしては、天かすもいれず、豚肉もなにもなく、少々寂しいかとも思ったが、鰹節をまるで具のごとく大量に盛りつけた故、それなりにおいしかった。しかし、物足りないな、とも思った。でも、夫は喜んで食べている。3分の1は奪われた。
やはりお好み焼きは、グローバルに、インターナショナルに、多分、おいしい食べ物なのだと実感する。
車窓から、黄色い花々が目に飛び込んで来る。季節のメリハリが淡いこの地で、かすかに季節の巡りを感じさせてくれる大切な存在。そろそろ、夏が来ようとしている。
それにしても、青空に映える黄色のまばゆいこと。いつのころからか、黄色はわたしの好きな色になっていた。子供の頃は、その中性的な存在感を好んではいなかったのだが、大人に近づく頃から、黄色が好きだと思うようになった。
さて、バンガロールもまた、スイカの季節であった。街角で、ごろごろしている。市場に出かけ、1つ買った。おいしいと、いいのだが。野菜や果物を仕入れ、ドラッグストアでインドコスメやシャンプーを購入し(また新しい製品に挑戦)、帰りにRAIN TREEでお茶をして帰宅した。
なぜか、どちらも黄色いパッケージだ。
それぞれまったく関係のない日本の友人二人から、同じ日に、黄色い航空便が届いている。
わたしには、わざわざ小包を日本から送ってくれるような友だちは、ほとんどいない。威張って書くことでもないが、だからこのような贈り物が同じ日に届くことなど、初めてのことである。
いったい、どうした偶然だ。それにしても、何が入っているのだろう?
わくわくしながら、さっそく開けてみると……。一つは、先だってのNHK特集の『インドの衝撃』を録画したDVDであった。3話分がすべて録画されている。
実は数日前、妹に録画を頼んでおいたDVDが日本から届いていており、昨日、見た。1話目は問題なく見られたが、一番見たかった2話目の録画状況がおかしく、DVDやわたしのコンピュータで見ることができなかった。
2話目は、現在やっている仕事にもちょっと関係のある内容なので、どうしてもじっくり見たい。夫のウインドウズで試したところ、見られたが、彼は明日からムンバイ出張だし、他の日も自分が使っているから、わたしが使える機会は少ない。どうしたもんだと思っていた矢先のことであった。
うれしい。これでじっくり、見ることができる。
すべてを見終えたのはまだ1話だけだが、思うところ、いろいろあった。特にIITに関しては、IITを卒業した身内(ラグヴァンやマドヴァン)と、IITに行くつもりは微塵もなかったという我が夫から、それぞれに話を聞いている。
彼らの経験や見方を知るだけでも、なかなかメディアでは知り得ないインドの教育の問題点や、数学の実態などについて、少々厚みのある捉え方ができる。従っては、これもまた時を改めて記したいと思う。
そうしてもう一つの包み。それには、「フリーズドライの本とろろ(山芋パウダー)」が入っていた。
「これがあると、フツーの小麦粉でも、おいしいお好み焼きになるよ」
とのメッセージが!
わたしは特段、日頃の行いがいい人間ではないが、「ひょっとして、わたしって、実は日頃の行い、いいのかも!」と思わせる幸運さ、タイミングのよさ、である。
今日は幸福の黄色に縁がある一日であった。
うれしい贈り物を、どうもありがとう!