さて、帰宅する前に、新居の工事進捗状況を確認に訪れる。引っ越し目標は3月末だから、残すところあと1カ月。がんばってほしいところだ。今のところ、間に合うんだか間に合わないんだか、よくわからない。間に合うような気もする。しかし、こまごまとしたところで、時間がかかりそうな気もする。
さて、まずは書斎。先だって、採寸ミスで作り直しとなっていた「空中書棚」は、きちんと作り直され、すでに宙に浮いていた。いい感じだ。右の写真は、別の書棚の台の部分。この上に書棚が置かれるのである。潤沢に引き出しを用意している。片付けが楽しくなりそうだ。
こちらはマスターベッドルーム。タンス関係も、着実にできている。そして気になるのは、兄さんたちの手作業。引き出しを作っている。
電動のこぎりで切り目を入れたあと、ノミで溝を作るべく、彫っていく。その作業が、やたらと楽しそうである。ちょっと、やらせてほしい。ちょっと、やらせてくれない? という言葉を飲み込む。至近距離でじろじろ見つめられるばかりか、写真まで撮られては、彼らもやりにくいことしきりであろう。
左の写真はキッチンの様子。食器棚を作っているところだ。かなり大きい。帰り際、大工衆がこれを「どこいしょ」と起こして、見せてくれた。非常にいい感じにできている。右の、置き去られた物体は、キッチンの中央に据えられるアイランドだ。今はまだ、どんな具合になるのか、見当のつかない姿である。
そして毎度気になるお隣の様子。まだまだ基礎工事のまっただ中だ。右の写真は、窓枠を作っている様子。ラジャスタン地方風、手の込んだ職人芸が執り行われている。ちょうど、アパートメントマネージャーのアマルナドがやってきたので、世間話&問題点の相談などをする。
工事中は常にガードマンを配してくれているし、庭の水まきもやってくれているしで、管理は概ね好調だ。
「ところで、隣のCEOの家、派手な工事をやってますね。いったい、期限はいつなんですか?」
「3月15日です」
「えええ〜っ! あと1カ月もないじゃない! そんなん、どう考えたって無理やろう!」
「無理ですよね。でも、一応、そういう契約になってるんです」
契約。インドにおいて、それはなんて幻想的な言葉。まるで「夢」を語るかのように。
お隣の工事がわたしたちの転居より早く終わってくれるのはありがたいが、いくらCEOの家だからって、そんな短期間で、基礎工事から内装工事まで、やり遂げられるものなのかしらん。確かに、動員数は多いが。
自宅と併せ、目を離せない、お隣の工事現場ではある。