早めに自宅でランチをとり、午後より買い物、そしてスパに出かける。
昨年の来たおなじみのコマーシャルストリート。
汚い町並みのなかに、きらりと光る店。
文具店では、ペイントやニスのスプレーをもとめ、布屋でブラウス用の布を買い、娘がよく行くというアクセサリーショップにも連れて行ってもらう。
いろいろあること! と目を見張り、レモントパーズのペンダントヘッドをみつけ一個お買い上げ。まだ欲しいものがたくさんあるけれど、また、来ることにしよう。娘の買い物にも付き合い(※スクリュードライヴァーとS字フック購入)、次なる場所へ移動。
そこは昔、国営ホテルだったというのがリニューアルされ、カエデのマークがあるグランド・アショカホテル。かっぷくよく、たくわえたひげも立派なドアマンに迎えられ、ホテル内へ。
レストランがあり、みなお茶を楽しんでいる様子を横目に、娘のあけるガラス扉が開くと、うわーっと、思わず大声を出したいくらい、小さいけれど美しいプールがあり、木々は美しく、手入れされた庭。
導かれるように、(※その庭の一画にある)スパへ。
ドクターから、一応問診などを受け、身体によいという飲み物や果物、そしてエクササイズの仕方などを教わり、エステルーム(※トリートメントルーム)へ。
娘がドクターのいるスパというので、少々汚い雰囲気の場所かと想像していたので、あまりのいきとどいた美しい場所に、ここは本当にインドなの? と驚嘆するばかり。
福岡にいても、こんなすてきなスパに行ったことがない。ワシントンDCのオリエンタルホテル以来、2度目の驚きだ。
一週間のプログラムを組んでもらい、スパ三昧の日々が始まる。なんたる幸福者か。
まず初日の今日は、真っ白いガウン(※バスローブ)に着替え、花を浮かべた器の中に足をひたし、軽く洗ってもらい、お祈りのあと、いよいよオイルマッサージが始まる。
二人の美しい女性にいざなわれ、ベッドにふせ、二人して肩から足からとにかくオイルを塗りマッサージ(※アビヤンガと呼ばれるシンクロナイズドマッサージ)。
それが終わったら、今度はハーブなどを包んだ大きいボール状のものを熱いオイルの中にひたし、それで身体中をポンポンと叩いていく。
わたしの文章では、この感じは伝わらないと思うので、いつか経験してみてください。どのくらいの時間がたったのか、次はスチームバスに入り、シャワーを浴びて、本日のコースが終了。
人生80年という時代。自分を心身両面から見直し、充実した晩年をこうして楽しめる方向にあることを、本当に感謝したい。ありがとう!
[母日記:娘による補足]
これまでもブログや記事などで記して来たので詳細は割愛するが、母の滞在中、一度はアーユルヴェーダのドクターに診てもらい、母に適したライフスタイルの助言を仰ごうと思っていた。
本日、おなじみThe Grand Ashokのスパをマネジメントしているドクター・グプタを通して予約を入れ、まずは30分のコンサルテーションを受ける。
診療室での問診に始まり、アーユルヴェーダならではの「脈診」。
それから目、鼻、口などをチェックされた後、両手両足の触診、血圧測定などを受ける。
母は高脂血症と骨粗鬆症の薬を飲んでいるが、それ以外にはとりたてて健康上の問題はない。ただ、ときどき、軽い手足のしびれや、心臓のもやもやとした感じなどを訴えていたので、実はバンガロールで心臓病の専門医に連れて行こうかとも思っていた。
今流行の「メディカルツアー」である。
が、脈診の結果、内臓にはなんら問題はないとのこと。
心臓に関して言えば、ドクター曰く、一人暮らしに対する不安感や、夫を失った寂しさなどが、まだ心に蓄積されていて、それが原因であろうとのことである。ま、仕方ないのである。
ともあれ、母の体質を聞き(母はカファ/ ヴァータの混合タイプ)、心身の状態を向上させるためのポイントを教わる。
母もわたしと同様、体内の油分が足りないため、内臓や関節が滑らかに動いていないとのこと。かさかさとこすり合わされている状態だとか。
とはいえ脂っこい食べ物を取るべきではなく、一番の解決策は「水を飲む」こと。1日2リットル程度摂取することを勧められる。一方、お茶を一日に何杯も飲む習慣はやめるよう言われた。緑茶もカフェインが多いから、一日1、2杯にとどめなさいとのこと。
と、緑茶に未練がましい母だが、頻繁に飲むのに加え、「濃いお茶」を好む母である。
身体には、あまりよろしくないようである。
朝、ニンニクをひとかけを、水とともに飲む。それから20分ほどの軽いウォーキング。そのあとショウガ湯を作り、すこし冷めたところにハチミツを入れ(沸騰していると、ハチミツの有効成分が損なわれる)、飲む。
そのあと、マスタードオイル(インドでは安くで手に入るが、日本では買えるのだろうか)で全身を軽くマッサージし、温シャワーをあびるのが理想的とのこと。
その他、睡眠前にスキムミルクにショウガを入れて温めたものを飲む、果物はリンゴやバナナ、スイカやザクロはいいが、レモンやオレンジなど柑橘系は避ける。塩分糖分を控えよ、緑黄色野菜はたっぷりと摂取していいが、豆類や大豆、豆腐などは食べ過ぎないように、スパイスやタマネギ、ガーリックなどは積極的に摂取してもいいなど、母の体質に応じたアドヴァイスを受ける。
わたしとも、アルヴィンドとも異なる、それぞれの結果が出てくるところが興味深い。
こうしてドクターの問診に立ち会うにつけ、巷に出回っている健康情報の不確かさについてを思う。メディアに翻弄されて、納豆だ、キャベツだ、酢大豆だ、唐辛子だと、自分の身体に適するかしないかを考慮せずに大量摂取するのは、いかにも危険なことに思える。
ともあれ、1週間のプログラムを受けてもらい、その後、滞在中は2週間に1度ほど通えば、日本に戻るころには、なにかが向上しているかもしれない。してもらいたいものである。