今日は朝の11時から、予定通り3回に亘って、OWCが支援している26の慈善団体に関する説明会を行った。
体調を崩されて欠席された方も数名いらっしゃったが、合計11名の日本人女性に参加していただき、現状の一端を知っていただけるところとなった。
みなさんの慈善活動に対する関心の高さ、実際活動なさっている内容の濃さなど、学ばせてもらうことも少なくなかった。
孤児院、HIV罹患者のセンター、スラムの保護施設、聾唖学校、視聴覚障害者センター、がん患者のホスピス、精神障害者施設、身体障害者施設、職業訓練センター……。
一口に26団体と言っても、その活動内容はさまざまだ。
望まれているヴォランティアの内容もまた、それぞれである。
英語の教授や美術、音楽の指導、コンピュータの使用法伝授、図書館の整備、スポーツやダンスの指導・補助、工芸品作りの手伝い、幼児の世話、食事の手伝いなど、実際に身体を動かすヴォランティアのほか、施設で作られている工芸品、ポストカードなどの購入、寄付金などを通して支援することもできる。
「自分がどのように関わるか」
ということは、まだわたし自身、具体的に見えていない。が、説明会を通して、いくつかのアイデアが浮かんだ。
一過性の活動にならないよう、他の方々の意見や提案を参考にしながら、少しずつ、自分にできることをやっていこうと思う。
今日は、非常に有意義な一日だった。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。
■サリー着付け教室の様子が新聞に。
「マダム。今日の新聞に載ったんですってね」
説明会の合間、キッチンへと入ったわたしに、メイドのプレシラがいう。
「え、そうなの? 知らないけど。あ、昨日のサリーの講習会の記事かしら」
「ガーデナーが言ってました。マダムが新聞に載ってましたって。英語の新聞だそうです」
我が家の庭師、山下清的は、英語が話せないというのに、英語の新聞を読んでいるのか。それはさておき、いったいどの新聞だったのだろう。
居合わせた日本人マダムに尋ねたところ、Bangalore Mirrorに載っていたとのこと。それならうちも購読している。新聞棚を探してみるが、ない。我が家は現在、4紙を購読しているが、1紙が届かないということはよくある。
尤も毎日、すべての新聞にくまなく目を通すという訳でもなく、いちいち新聞販売店に電話をして催促するのも面倒なので、普段はそのままにしている。集金のときにきちんと配達してくれと釘を刺したりすることもあるが、暖簾に腕押しである。
さて、本日は、よりによってそのBangalore Mirrorが届いていなかった。ドライヴァーのラヴィに3部ほど買ってきてと電話をする。
夕方、確認をしたら、
「すみません、マダム! 忘れてました!」
これだもの。ひょっとすると売り切れているかもしれないと思い、面倒ながらも新聞販売店に電話をする。
「Purva Carnataionのマルハンですけど、今朝、Bangalore Mirrorが届かなかったので、持って来てもらえますか?」
「え、何ですか?」
「Bangalore Mirror」
「うちは、そんなマガジンは扱ってませんが」
「マガジンじゃなくて、タブロイドの日刊紙の、Bangalore Mirrorって、あるでしょ?」
「いやあ、知りません」
「ちょっと。マネージャーにかわってもらえる?」
「わたしがマネージャーです」
「……。あのね。お宅でいったい何百紙を扱ってらっしゃるか知りませんけど、Bangalore Mirror本当に、ご存じないの?」
「え? もう一度、言ってください。Bangalore、なんですか?」
そんなに、わたしの「R」の発音が悪いのか。本当に、わからないのか。
「だからぁ! バンガァルォ〜 ミィルゥォァア〜だって言ってるでしょ! エム アイ ア〜ル ア〜ル オウ ア〜ル! ミィルゥォァア〜!」
ついつい声を荒げてしまう。音量もマキシマムだ。庭で電話をかけていたのだが、近所への音漏れを懸念して屋内に入る。
「マダム、フラットナンバーを教えてください。Purva Carnataionの、何号室ですか?」
「いや、だから、わかったの? なんの新聞か?」
「マダム、これからお届けしますから、フラットナンバー、教えてください」
だから、まず、わかったのか、わかったような気がするだけなのか、そこのところをはっきりさせてはくれんかね。
Bangalore Mirrorは、紙名の真下に広告を入れるという、かなり下品なレイアウトが特徴だ。まさか学習塾のGIRAFFEを紙名だと勘違いしてたんじゃないだろうな。
ま、そんな話はさておき、ともあれ、何を望むにも、いちいちいちいち「全身全霊で訴える感じ」のインド生活である。
どうせ、わかっちゃいないだろう。新聞を届けてなんか、こないだろう。あきらめの境地で言う。
「010号室」
果たして、それから30分後、玄関のベルがピンポ〜ンと鳴る。
まさかと思いつつドアを開ければ、そこにはBangalore Mirror片手に携えた、新聞屋のおじさんが! すごい! 本当に持って来てくれた! 当たり前のことをされたにも関わらず、感激。
"THANK YOU VERY MUCH!!"
と、過度に感謝すらしてしまう。……何かおかしい。
さておき、その記事が、上の大きな写真である。写真を一瞥した瞬間、脳裏に浮かんだ言葉。
「小顔マッサージ」。
自虐的になるつもりはないが、しかし後列に立っていながら、前列並みの大きさ。と思うのは自意識過剰か。
普段、集合写真を撮ってもらうときは「遠近法テク」を使って「半歩下がる」を心がけているのだが、このときは後ろに「植え込み」があって、寸分たりとも下がれなかったのだ。
ま、そんなどうでもいいことはさておき、そして記事の内容についてもさておき、記念の新聞を入手できてよかった。
夜、ラヴィが更に3部のBangalore Mirrorを持って来た。結局、なるようになる。なにもかもが、インドらしい日々。
1部は、記事を見たがっていたメイドのプレシラにあげようと思う。