●ネズミ対策に、野良ネコを手なずける。
2007年がもうすぐ終わるというのに、まばゆい陽光降り注ぐ庭、半袖姿。洗濯物を干して心地よい日曜の午後。
十日ほど前から、野良ネコがしばしば遊びに来るようになった。「野ネズミ対策」にネコは有効かもしれぬと思い、ミルクを与えることにしてみた。
ある朝、ボウルにミルクを入れて、庭の一隅に置いておいたら、いつのまにかきれいになくなっていた。
翌日も。その翌日も。しかし、ムンバイで不在の間に、うちのミルクのことを忘れてしまうのではないかと思ったが、帰宅した翌朝には、わたしが窓を開けるのを待ちかねていたかのように、庭の隅でこちらの様子をうかがっている。
まだ小さな子供のネコで、こちらを警戒してはいるけれど、日増しに慣れて来ている様子。昨日はミルクにビスケットを入れてみた。やっぱりきれいに平らげていた。
アルヴィンドと考えて名前を付けた。いろいろと案が出たが、アルヴィンドの命名による「モカ」に決まった。
日曜日の今朝。爽やかな気分で庭に出てみれば、芝生の真ん中に、モカが「フ○」を残していた。……やってくれるぜ。
●健康的な、毎日の暮らしのために……
わたしは、そこそこに、健康を心がけている。インドに来てからも、恒常的に体調がよく、元気にやっている。アルヴィンドの家族性高脂血症(遺伝的にコレステロール値が高い)と若干の高血圧、そしてわたしの腰痛をのぞけば、かなりいい感じである。そこで、我が家の「インド的健康法」について、簡単に紹介しようと思う。
■やっていること。■
●一日一万歩以上を、歩く。
万歩計を買ってから、庭を歩くようになった。朝、起床してすぐ、庭へ出て約3000〜4000歩を歩く。日中は、たとえ家にいたとしても、階段の上り下りやその他うろうろで、3000〜4000歩を歩いている。足りない分は、夕食の1時間後あたりに歩く。アルヴィンドも歩くようになった。
一万歩以上を歩くようになって、体重が減った。と言えたらどんなにいいだろう。減らんのよね、これが。しかし、身体にいいような気はする。最近は腰痛も浅いし。しかし腰痛は総合的な努力によって軽減されているので、ウォーキングだけの成果ではないだろう。
万歩計は、10分以上立て続けに歩く「有酸素運動」としての歩きと、それ以外の歩きとを区別できる。賢い。有酸素運動だけで一万歩を超えると、ちっとは痩せたりもするのかもしれない。
●朝、しっかりとシャワーを浴びる。特に洗髪は朝。
朝、しっかりとシャワーを浴び、洗髪をする。アーユルヴェーダによると、入浴は、朝するものである。とはいえ、夜は一日の汚れが身体についているような気がするので、軽くシャワーを浴びることにしている。ただし、最近になって洗髪は朝に切り替えた。
夜洗うと神経が高ぶって熟睡できないため、アーユルヴェーダでは禁忌とされていることを知ったからだ。ましてや濡れた頭で寝るのは禁物だという。そのせいかどうかわからないが、多分、以下のオイルマッサージとの効果とも相まって、最近は熟睡傾向にある。
●就寝前、NAVRATNA OILでヘッドマッサージをする。
ドラッグストアで、インドのさまざまなナチュラルプロダクツを試すのが、インド生活楽しみの一つでもある。大半の商品がリーズナブルなので、あれこれと試すのに躊躇なく買えるのがいい。自分に合わないものは、アルヴィンドに使ってもらう。
さて、自分のお気に入りのシャンプーやコンディショナー、基礎化粧品などは、この2年のうちにかなり絞り込まれた。その中のひとつに、マッサージオイル、NAVRATNAがある。これは、そのあやしげなボトルにひかれ、数カ月前に発見・購入。使用を開始した。
アーユルヴェーダの処方に基づいた9種類の薬草が配合された冷却効果のある「万能オイル」である。コンピュータに向かっていて疲労感が増したときなど、こめかみや首筋につけるとすっきりする。また睡眠前にヘッドマッサージをすると、非常にリラックスできる。
アルヴィンドもこのオイルの大ファンで、わたしが一度ヘッドマッサージを施したところ、大いに気に入った。以来、連日のように就寝前のヘッドマッサージを所望されるのが難であるが、朝まで二人して熟睡できるようになったのはこのオイルのおかげである。
●水分をたっぷり摂る。
室温の水を飲む。1日に1リットル〜2リットル、飲んでいる。朝や食後は白湯の方がいいらしい。一方、冷水、氷水は身体によくない。インドに来てから冷たい水は、ほとんど飲んでいない。空きっ腹にアルコールもやめた。ビールさえ、まずは水を飲んでから、飲むようになった。
●食事中は、水分を摂らない。
水を飲んだ方がいいとはいえ、食事中は禁物である。食事の合間に水やお茶を摂るのは、身体によくないらしい。胃液が薄まり、消化機能が弱まるからだと、アーユルヴェーダの本にあった。食べ物をよく噛んで消化させるためにも、水で流し込むようにして食べるのはよくないらしい。
●市販薬に頼らない。
そもそも、薬に頼らないよう心がけて来たが、インドに来てからはなおさら、その傾向を強めている。体調が悪いときには、消化の良いものを食べ、睡眠を十分にとる。風邪をひいたかな、と思ったら、ホットミルクにハチミツとターメリックを入れたものを飲んで、温かくして眠る。
咳の出始めは、小さじ1杯程度のハチミツをなめると効果がある。胃がもたれるときには、ミントの濃縮液、PUDIN HARAを水に薄めて飲む。我が家には、常備薬がほとんどない。バンドエイドと、いざというときの鎮痛剤。虫さされ用のアロエジェルなど。
●週に一度のアーユルヴェーダマッサージ
毎週一度、アーユルヴェーダのマッサージに来てもらっている。加えて、月に一度はホテルのスパなどへ出かける。こういう贅沢ができるのは、インド生活の醍醐味である。このマッサージのおかげで、腰痛が随分と軽減しているのかもしれない。
●野菜や果物をたっぷりと。化学調味料を使わない食生活
天然のスパイスに塩、胡椒、あとはタマネギやショウガ、ニンニクなどを駆使して風味付けをして、料理をする。インドはスパイスの種類が多い上、野菜が豊富で安いから、健康的な食卓を実現しやすい。
トマトやタマネギは毎晩、何らかの形で調理する。豆類やホウレンソウ、ブロッコリ、インゲンなどの緑黄色野菜もたっぷりと。肉よりも野菜のボリュームを増やすことを心がけている。
尤も、醤油やみりんは時々使うが、みりんはなくてもやっていける。醤油があれば、インドにある素材だけでも、そこそこ日本の味は実現できる。だし昆布、鰹節などがあれば、なおよい。
■なかなか、できないこと。■
●コーヒーを減らす。
南インド産のコーヒーは、マイルドでかなりおいしい。朝食後、午前中についつい2杯は、飲んでしまう。午後はカフェラテを作って1杯。少なくとも3杯は飲んでいる。加えてお茶も2、3杯。全体で2杯程度が理想らしいが、無理だ。
●食事の量を減らす。
無理だ。どうしてこうも、食欲が旺盛なんだろう。
●アルコールを減らす。
難しい。このごろのインド産ワインが、おいしくなってきたせいだ。特に2007年のSULA(特に赤のCABERNET SHIRAZ、白のSAUVIGNON BLANC)は、劇的においしくなっている気がする。気のせいだろうか。従って、1日に1、2杯はついつい、飲んでしまう。キングフィッシャーの「ストロング」もおいしい。気のせいだろうか。
●苛々を減らす。怒声をあげない。
インドの日常。これができると、すばらしい。自分のビッチぶりに自己嫌悪に陥ることがしばしばだ。もっと自分をコントロールせねばならん。が、知らず知らずのうちに、沸騰してしまう。
●毎日、ヨガをする。
ヨガが身体にいいのは百も承知なのだが、このごろは、どうも続かない。週に一度やれば、いい方だ。ヨガをするよりも、庭を歩く方が気に入っている。腰痛その他のためには、ヨガもかなり有効なのだが……。これは努力して、せめて1日おきでもいいからやるべきだろう。