上の繊細な刺繍。これはコルカタ(カルカッタ)製のサリーで、シフォン地に「フレンチ・ノット (French knot) 」と呼ばれる技法で刺繍が施されています。テキスタイル王国インドでは、このような手工芸品が健在で、折に触れ見事な職人技を目にすることができます。
さて、下の写真はムンバイ宅の窓から眺めるワールドトレードセンターです。ここでは、しばしば多彩なジャンルの展示会が行われているため、近所へ買い物に行くついでに、時々立ち寄ります。
この週末は、インド新聞社大手が主催する "ETHNIC FASHION VILLAGE 2009" が開催されていましたので、足を運んでみました。
衣類や絵画、インテリア小物、ジュエリー、ベッドリネン、家庭用品など、多岐に亘るジャンルのブースが広大な展示場に並んでいます。
いずれもインド各地から、商人や職人たちが直接訪れ販売をしていることから、値段も卸値に近く、また都市部の店頭ではなかなか見つけられないこともあり、買い物をするつもりがなくても、ついつい引き込まれてしまいます。
今日はあまり時間もないし、ざっと見て回るだけ……と思っていたのですが、いくつか気になるブースを見つけたので、それらをここでご紹介します。ちなみにブースは100店近くもあるため、ゆっくり見て回ったなら、何時間もかかります。
下の写真は、ラジャスターン地方の衣料店で見つけたトップ。ややGIRLYかとも思いましたが、試着してみたところ、意外と似合った(ような気がする)ので、購入。アイロン不要、絞るように巻き、折り曲げてコンパクトに収納できるので、旅行にも便利です。
わたしが買い物をしていると、母子連れがやってきました。母親が小さなパーティ用のポーチを手に取って、娘に聞いています。
「ねえ、これどうかしら。かわいいと思わない?」
「お母さん、またぁ? そんなバッグ、100個ぐらい持ってるじゃないの」
「え、こんなデザインのは持ってないわよ。これ、すてきだわ〜」
「お母さん、それ買っても絶対使わないに決まってるんだから!」
娘に喝破され、苦笑いをするお母さん。娘がお母さんの衝動買いの、よいブレーキ役になっているようです。微笑ましい二人でした。
こちらは、コルカタで刺繍製品を製造販売している店のブース。この店の刺繍のクオリティはかなり高く、サリーやサルワール・カミーズ(トップとボトム、スカーフの3点セット)のマテリアルなどがカラフルに展示されています。
下の写真は、サルワール・カミーズのマテリアル。こちらもすべて、手刺繍です。このマテリアルをテイラーに持って行き、自分のサイズに合わせて縫製してもらいます。インドではこのようなテイラーメイドが一般的で、自分にぴったりの服を気軽に作れるのが魅力です。
下の写真は、ラジャスターン州のジョドプールという都市から訪れたというアーティスト。彼の一家はみなこのビジネスをしており、彼自身、絵を描くとともに、こうして展示即売会の営業にも訪れているとのこと。
ヒンドゥー教の神々や、古(いにしえ)のマハラジャ、マラハニなどをモチーフとしたきらびやかな作品。アーティストから直接、絵の描き方などを尋ねるのは、とても興味深いものです。
さて、こちらはアーユルヴェーダ発祥の地として知られるケララ州の、ハーバル・プロダクツの店。以前、どこかのブティックで見つけて買ったものの、以来目にすることのなかった良質の石けんを見つけました。
ヤシの葉を乾燥・成型して作られたエコロジカルなパッケージ入りのこの石けん。ココナツオイルやニーム、トゥルシ、ターメリックといった、インドならではのお肌によいハーブが配合されています。3種類ほどあったので、それぞれ購入しました。
インドでは、アーユルヴェーダの処方に基づく、天然素材の石けんがあちこちで手に入るので、気に入ったものは、身体だけでなく、洗顔にも利用しています。
1個100円程度。先進国基準で考えると、本当にリーズナブルです。
パッケージはあやしいとはいえ、やはりハーブのシャンプーやモイスチャライザーなどもありますので、適当に見繕って購入。それから、マイソールというサンダルウッド(白檀)で有名な都市で作られた、サンダルウッドのお香も買いました。
石けん、シャンプ、お香と、あれこれとたっぷり買って1000円程度。インド生活の醍醐味です。天然素材の石けんなどは、肌のトラブルがある人にもやさしく、日本へのお土産にもとても喜ばれるので、いい商品を見かけた時にはまとめ買いをしておきます。
その他、ジュエリーやサンダル、ハンドバッグなどさまざまな店がありましたが、きりがありませんので、今日はこの辺にしておきます。