ミルク粥、オートミール、シリアルなどが主食となる我が家の食卓だが、このごろわたしは、トーストである。あの、ムンバイのヤズダニ・ベーカリーで買ったパンがまだ余ってるの?
と思われるかもしれぬが、違うのだ。バンガロールで調達したのである。しかも、毎度行きつけの、THOM'Sにて。あそこの食パンはサンドイッチ用に薄切りなので、ほとんど買うことがなかった。
ところが、先日、ふと思ったのだ。切らないままのを、買えばいいではないか、と。
もちろん店頭には置かれていないので、店のお兄さんに、「切ってないのが欲しいのだけど」と頼んだら、奥から出して来てくれたのだった。
それが、これである。この無骨な感じが、いい。これを2センチほどの厚みに切って、冷凍保存し、朝、焼くのである。
これが、なかなかにいけるのだ。いや、なかなかどころか、かなり旨い! ヤズダニものに比べると若干甘い気がするが、まあ、気にしなければよい。
焼いている途中でバターを塗って二度焼き。
バターって太りそう。
と世間には思われがちのバター。それならば、市販の菓子を食べるのを即やめるべきである。そこに溶け込んでいる目に見えない油脂と糖分のすごさは、そらもう、すごい。特に欧州菓子のそれ。
菓子を作っている人なら、そのすごさを肌身に感じるはずである。であるからして、これくらいのバターは、かわいいものなのである。
■頭痛の問題。そして新しいスパに挑戦
体調の不具合を書くことは、基本的に避けている。というのも、日本の母に無用の心配をかけたくないというのがひとつ。それから、そんなことを書いても、なんにもならんと思うのがひとつ。
しかし、いまだ母はここを読めていないので、書くのだが、ここ数週間、頭痛が頻繁に起こる。
頭の深い場所ではなく、頭頂、後頭部、首筋と、比較的表面の部分であることから、凝りや疲労感、あるいは大腸の不具合が理由だろうと思っているのだが、ヨガをしても、アーユルヴェーダを受けても、いまいち、冴えない。
気候のせいも、あるかもしれない。
ひょっとして、更年期障害? とは思いたくない。
非常に頑丈な人間と思われがちだが、わたしは基本、「人並み」である。人並みに、体調を悪くすることはある。人間だもの。
それゆえ、日ごろから健康的な食生活と、ライフスタイルを心がけてはいるのだが、それをしても、今回の頭痛は長引いた。
(ちなみに現在は、かなりよい)
コンピュータに向かう時間を減らしたりもしているのだが、昨日は頭痛がピークだったので、ヘッドマッサージに行くことにした。
昨年オープンしたこの店。建設中の外観を見ながら、母と二人で「ここ、なにができるのかしらねえ」と言っていた、妙な建物である。
バンガロール拠点のチェーン店であるBODY CRAFT。ヘアサロンを中心に、フェイシャル、ネイルケア、マッサージを受けられる、インドの昔ながらのビューティサロンのモダン版、といったところだ。
今回は、ペディキュアを受けながら、ヘッド&ショルダーマッサージを受ける。
どちらもまあ、「普通」な感じではあるが、しかし、長いこと頭をじっくりとマッサージしてもらったことで、ずいぶんとほぐれた気がする。
今週末からニューヨークだし、思い切り楽しむには体力をつけておかねば。家の雑事があれこれとあって、落ち着かない日々ではあるのだが、思えばそれは、いつものことである。がんばらねば。
■タッサーシルクの宝庫を発見! JHARCRAFT
昨日は、ウガディと呼ばれる南インドの正月であることはどこかで記した。
その正月セールの広告で、気になるサリー店を見つけた。タッサーシルク、オーガニックシルクなどを扱う店が、コマーシャルストリートの近くにできているようなのだ。
早速、BODY CRAFTでマッサージを受けたあと、訪れたその店はJHARCRAFT。クラフトなご縁である。
以前は別のサリー店が入っていたそこに、昨年8月にオープンしたという。ジャールカンド州の政府公認の工芸品店らしい。
看板の文字に、たいそうそそられる。今日はあまり時間がないので、取り敢えずニューヨークの友人へのお土産の、ストールだけを購入しようと思うのだが……。そうは問屋が卸さないのである。
やっぱり、あれこれと、見ずにはいられないのである。
あ〜もう、なんてきれいな色! この色の組み合わせがもう、たまらん!! タッサーシルクの上品な光沢が生きたサリー。肌触りも柔らかく、軽やかで……。
「今日は、時間がないので、ストールだけを買いたいんだけど……、あ、あれも見せて。それもいいわねえ」
と、急いでいる割に、次々に広げてもらい、写真まで撮らせてもらい、なにやら落ち着きのない客である。
タッサーシルクやエリシルクの、素朴な織のサリーのほか、カンタ刺繍が施されたサリーも豊富にそろっている。これはもう、見ていてはきりがないほどだ。
カンタ刺繍はコルカタのある西ベンガル地方の刺繍だと思い込んでいたのだが、ジャールカンド州のものらしい。
「ジャーカンド州は、東インドですよね。コルカタに近いのですか?」
「いいえ。カンタ刺繍はジャールカンド州のものです」
店のお姉さんと、話がかみあわない。
「ジャールカンド州は、MSドーニーの故郷です!」
クリケットのヒーローの故郷とは。そりゃすごい!
だからって、「ああ、あそこね〜!」とわかるわけもなく。
家に帰って地図で調べたら、西ベンガル州の西隣の州であった。近いじゃん、コルカタから。まあ、バンガロールからチェンナイくらいの距離感はあるにしても。
サリーを見ていてはエンドレスなので、ストールを探すことにする。そらもう、カラフルなシルクのストールがたっぷりと。
お土産を選んでいるはずなのに、またしても「自分にも」な衝動が沸き上がり、あれこれと羽織る。
日本円にして1000円未満という、リーズナブルさがまた、購買意欲をそそる。
サリーやドレスマテリアルのほか、普通の布も販売されている。好みのシルクを見つけて洋服を作ることも可能だ。
布以外にも、ジャールカンド州の工芸品があれこれと置かれている。
紀元前からの歴史を持つメタルワーク(ドクラ)も、あれこれと飾られていた。
我が家にもいただきものが一つあるが、あまり好みではないこともあり、かなり「無碍に」扱われている。もうちょっと、丁寧に飾るべきか。
購入時、小冊子をもらった。ジャールカンド州の手工芸品に関する情報誌だ。こうして見るにつけ、インドの手工芸品の歴史の深さ、幅の広さを、改めて感じずにはいられない。
今後も、こういう店で買い物をしたいと思わされるのであった。また、改めてゆっくりと赴こうと思う。
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