木曜日の独立記念日以降、4連休の会社も多い。ミューズ・クリエイションのメンバーも旅行に出かけている人が多い中、しかし一昨日金曜日のSTUDIO MUSEは、久しぶりに朝組をオープン。午後には小人数ながらもメンバーが集まり、9月6日のチャリティバザールに向けての準備にいそしんだ。
朝組のメンバーは、午後には子供のお迎えなどがある人たちで構成されている。このところ、夏休みで日本へ一時帰国されていたメンバーがバンガロールに戻られ、活動が再開された次第。
先日開催した『インドのテキスタイルとサリー講座』に参加の養蚕ボーイズ(バンガロール郊外の養蚕農家支援のため派遣されたJICAの青年海外協力隊隊員)2名も、遠路はるばるSTUDIO MUSEに来訪。バザールで販売する繭の手工芸品を作るべく、メンバーにイヤリングの作り方などを教わりつつ、現在、試行錯誤中である。
手のひらに載る、白く小さきもの。
このたった一つの繭から、1000メートル以上もの糸が紡げるのだという。せいぜい100メートルか200メートルを想像していたのだが、その細さと長さに驚く。
養蚕といえば、日本の伝統的な産業でもある。そもそもは弥生時代に中国大陸から伝わった養蚕の技術。明治時代には日本の主要な産業となり、生糸の輸出が中国を抜いて世界一になった時期もあるようだ。
皇室では、明治時代以降、養蚕業の奨励や文化継承のため、歴代の皇后が蚕を育て繭をつくってきた。宮内庁には「紅葉山御養蚕所」があり、久しく美智子様が養蚕を行われていた。昨年、新天皇の即位を前に、雅子様に引き継がれたとのニュースも目にしていた。そんなことを思い出し、養蚕業への関心が高まる。
さて、このところ雨が多いカルナタカ州。本来は4〜5月が盛夏、6〜7月が雨季なのだが、今年は長雨が続く。なんでも「8月3日から10日までの1週間の降雨量としては、118年ぶりの多さ」らしい。記録のアピールっぷりが微妙だが、ともかく、雨が多い。つい2、3カ月ほど前には、今年はエルニーニョの影響で雨が少なくなる、チェンナイだけでなく、バンガロールも深刻な水不足が懸念されると言っていたのに。カルナタカ州北部では洪水被害が取り沙汰されている。
灌漑インフラストラクチャー、なんとかならないのか!
と毎度のことながら、切に思う。恒常的に水が少ない北部インドは、階段井戸などが発達していて、古来から貯水に対する意識が高い。一方の南は、豊かなカヴェリ川の恩恵を受けながらも、気候の変動で川の水が激減するたびに慌て、川の水の利権を巡り、カルナタカ州とタミル・ナドゥ州が争う事態が、もう100年以上も繰り返されている。
個人的に、節水を心がけるも虚しい。こうしてぼやくことしかできない無力さ。焼け石に水、どころか、焼け石に涙1滴。という感じ。
ともあれ、肌寒いバンガロール。風邪をひきやすいがゆえ、体内が温まるものを食べたいものだ。昨夜はスペインはリオハのワインを開ける。大地の力強さと、太陽のほの甘い味がする。好みの味。とてもおいしい。
そして夕飯は、鍋。韓国料理店アリランの豆腐を入手した時には、毎度、鍋物となる。木綿も絹も、どちらもいいが、固めの木綿豆腐をグツグツ煮るとふわふわになり、適度な歯ごたえがあって、本当においしい。
朝方、ドサッと落ちてきたヤシの葉で遊ぶ猫らと人間。日曜の今日は、のんびりと、読書や映画鑑賞をして過ごそう。ワインの残りでも飲みながら……🍷
*先ほど夫に繭の写真を見せて、「この繭から何メートルの糸が取れると思う?」と問うたところ「1メートル!」と返事。ほんと、自分の仕事と関心のあること以外は、真剣に考えようとしないお方である。面白い。