昨日は、『インドのテキスタイルとサリー講座』と、『異文化コミュニケーション勉強会』という、かつてない組み合わせでセミナーを実施した。
サリー試着も楽しめる講座は、普通、女性を対象に平日実施しているのだが、今回は、JICAの青年海外協力隊よりバンガロール近郊の養蚕農家支援に派遣されている男子2名からのリクエストがあったこともあり、週末の実施とした。
彼らが日常的に関わっている繭。その繭が絹糸となり、絹糸が絹布となり、サリーとして完成する。その完成品としてのサリー、テキスタイルを間近に触れるのが目的である。
わたしが持っているサリーの大半は、手織り、手紡ぎ、手刺繍の、インドの伝統的な手工芸が反映されたものなので、サリーを通して精緻な職人技を目の当たりにすることができる。
インドにおける手工芸の意義、英国統治時代にマハトマ・ガンディが提唱した「スワデシ(国産品愛用)/スワラジ(自主独立)」を端緒にしている歴史的背景についても触れる。
養蚕ボーイズ(と、勝手に命名)はミューズ・クリエイションの「チーム・フレックス」のメンバーでもあり、9月6日(金)のミューズ・チャリティバザールでは、養蚕農家の人たちと制作する「繭の工芸品」を販売する予定だ。わたしも近々、養蚕農家を見学に訪れたいと考えている。
サリーの試着、おやつ休憩(アップルクランブルのカスタードクリーム&生クリーム添え)を挟んで、後半は『異文化コミュニケーション勉強会』。
あっという間に時間が流れ、7時には一旦ビールで乾杯、8時に終了でディナータイム。毎度「肉」が人気なので、今日は先日食べておいしかったポークスペアリブの西京味噌漬けグリル(塊)をど〜んと焼き、あとはビーフのフィレなども。ビーフは2度に分けて焼いたが、気持ちがいいほど、瞬く間になくなる。
参加者同士の親睦を深めるのに、毎度、食事は不可欠だ。皆が去りしあと、疲労困憊ながらも黙々と片付けをする。食器を洗いながら、諸々を反芻する時間は、冷却と復習の大切なひととき。
すっきりしたキッチンで、自分に「お疲れさま〜」と言いながら、1杯の水を飲み干す。そのあと、熱いシャワーを浴びるときの達成感は、長距離を駆け抜けたあとのような爽快感だ。
さて今日はゆっくりと過ごす1日。
しかし明日の午後は、今度は日本からの来訪者を迎えての、またしてもレクチャー。無論こちらは「懇親会」は不要なので、本題に集中できる。いかに簡潔に限られた数時間で話を伝えられるかが肝。と書きながら、難しい。なにしろ広く深いインド。毎度毎度、尽きなくてたいへんだ。
とはいえ、この何時間かの知識共有が、受講者の心に残り、異文化に接するに際しての視点や態度にポジティヴな変化が生まれ、好奇心が高まってくれたとしたならば、伝える者としては、切に幸せなことである。