ミューズ・クリエイションのチーム歌。改めミューズ・クワイアのメンバーだったヴァイオリニストの恵美子さんと昨年始めた「SAREES」。7曲目の今回は、やはりクワイアのメンバーだった亜沙美さんが、ピアノ伴奏を引き受けてくれた。インドを離れてなお、遠隔に住む3人が、こうして一つの曲を仕上げ、形にできるご縁。
今回の選曲は、インドにCOVID-19の第二波が襲いかかる前に決めた。昨日、歌いながら、今の世界の状況を思う心に染み入る。
アヴェ・マリア。「聖母」にまつわる個人的な物語で思い出すのは、ドレスデンの聖母教会。1991年、1994年、そして2018年。過去3回、訪れたドレスデンの、聖母教会を巡る物語を、写真と共に紹介している。聴いて、読むのは忙しいかもしれないが、ともあれ、楽しんでいただければと思う。
◉1958
◉1991/ドライヴ旅の情報誌の取材で、初めて訪れたドレスデン
◉1994/欧州3カ月一人旅のノートから
◉1994/欧州3カ月一人旅のノートから
◉2018/夫と欧州旅の途中で
【ドレスデン旅の記録ブログ/ぜひご一読ください】
◉27年越しの念願。遂には、奇跡の光景をこの目で。
➡︎https://museindia.typepad.jp/2018/旅ドイツ/
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無数の国を旅し、無数の教会を訪れてきた。そして無数の聖母マリアに出会ってきた。中でも忘れ得ぬ場所。旧東ドイツ、ドレスデン。
ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが統合してまもない1991年。旧西ドイツのフランクフルトから、旧東ドイツのベルリンまで、ドライヴ取材をした。滑らかな旧西のアウトバーン(ハイウェイ)は、旧東に入った途端、ガタガタの舗装路に。
かつて栄華を極めたドレスデン。第二次世界大戦時の爆撃の傷痕を残し。あまりにも緩やかな時の流れ。灰色の街の中央には、異様な存在感を漂わせた瓦礫の廃墟があった。
3年後の1994年。わたしはひとり、欧州を列車で3カ月間、放浪した。ドレスデンに立ち寄った。そして、瓦礫の廃墟があった広場を訪れ、驚愕した。
廃墟は他でもない、かつてドレスデンを象徴する聖母教会で、だから人々は、「同じ姿に戻す」ために、再建を始めていたのだ。
聖母教会。正式名称、フラウエン教会。予定よりも早く、2005年に完成していた。以来わたしは、ずっとずっと、再訪を望んでいた。そしてついに実現した2018年。欧州旅の途中、プラハから列車でドレスデンへ。
ツヴィンガー宮殿の前にあるホテルにチェックイン。寒風吹き荒ぶ街を、逸る心を抑えながら、市街中心部へと歩く。
24年前、瓦礫の山だった場所。そこには、圧倒的な存在感で、そびえ立つ聖母教会があった。史上最大の、立体的なジクソーパズルは、確かに完成していた。
言葉なく、滂沱の涙を流す妻を、不思議そうに眺める夫。
礼拝のあと、キューポラを駆け上る。「膝が痛いんじゃなかったの?」と夫。痛みなど忘れるほどの、込み上げる衝動だった。
フラウエン教会の奇跡。それは奇跡のひとことでは片付けられない、国境を越えて、人々の、祈りと願いと希望の象徴だった。
聖母教会の頂にある英国から贈られた「和解の十字架」。十字架を作った鋳物師は、ドレスデンを空爆したパイロットの息子だった。それは「偶然」から生まれた、「数奇な縁」だった。
LOVE & HOPE, NO BORDERS.
【MIHO着用のサリー】
◎2007年、ムンバイへ出張に行った時、タージ・マハルパレスホテルのグラウンドフロアにある老舗テキスタイル&サリー店で購入。クライアント女史をアテンドしつつ、気がつけば取材の合間の買い物が増えていたのも良き思い出。ブラウスは、2015年にバンガロールで開催された手工芸品展でコルカタの職人から購入した。ブラウスは後ろからの見え方が決め手。サリーとは異なる色柄のブラウスを着ることで、印象が変わって見えるのもサリーの楽しさだ。
【これまでのSAREES♪サリーズ】
(1)『いのちの名前』/映画「千と千尋の神隠し」より/“The Name of Life” from Spirited Away
(2)『ユー・レイズ・ミー・アップ』You Raise Me Up/DIWALI SPECIAL ヒンドゥー教の新年「ディワリ」。
(3)『カブトムシ』Kabutomushi/ Beatle by Aiko
(4)『Your Song 僕の歌は君の歌』 by Elton John, Lady Gaga
(5)『灰色と青』by 米津玄師 (+菅田将暉 )
(6) 『旅路』by 藤井風
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