🐾北バンガロール。空港に近いこのヤラハンカの地に新居を構え、街中の旧居と往来する日々が始まって、まもなく1年。
全部で200以上のヴィラが建設予定だが、完成しているのはまだ30程度。クラブハウスやスポーツジムなどの公共施設などを含め、全体が完成するにはまだ数年かかるだろう。
北バンガロールは昨今、随所で開発が進んでいる。空港周辺はもちろんのこと、数キロ先にはこの街最大のショッピングモールが完成するし、市内のカボンパーク(ニューヨークにとってのセントラルパークのような存在)に並ぶ大きな公園の建設も計画されている。
旧居と新居は車で約40分程度の距離。二つの家の管理は手間がかかるが、今のところ、問題はない。問題があるとするならば、4猫らが旧居にいるということ。我々が不在の週末は、ドライヴァーが朝晩、訪れて餌を与えてくれる。
猫らは自由にやっているようだが、人間らは寂しい。
昨夜、ご近所を散歩していたら、半野良さんを見つけた。片耳に切れ込みが入っているので、避妊手術を済ませた女子猫のようだ。ぴょんぴょん跳ねるように、元気に走り回るかわいい猫。
同じく散歩をするご近所さんと挨拶を交わしつつ、皆フレンドリー、平和なコミュニティでよかった。
夜中、激しい雨音で目が覚める。有り難き乾季の雨。雨音に包まれて、脳裏には、大好きな曲、”RAIN”が巡る。坂本龍一のアルバム、『1996』に収録された曲。
ちょうどわたしが日本を離れてニューヨークに暮らし始めたころに発売されたこのアルバムが、わたしにとっては、もっともよく聞いた、坂本龍一のアルバムだったと、思い返しながら……。
昨夜は何度も目が覚めて、よく眠れなかった。
高校時代。YMO。シンセサイザー。バンド活動。戦場のメリークリスマス。ラストエンペラー。シェルタリング・スカイ……。アルバム『1996』。……1996!
渡米直後の1996年。マンハッタンの小さなライブハウス。最前列の席で。数メートル先で、ピアノを奏で歌う彼の姿が今でも鮮やかに蘇る。
その数年後。ウエスト・ヴィレッジの路上で、わたしとアルヴィンドは、立ち止まり、毎度の口論していた。
そのとき、マウンテンバイクを実にゆっくりと走らせていた男性が、我々を凝視しながら通過した。目が合った。
……ん? ……ん!! 坂本龍一氏!? 口論、中断。
そんな瞬間の出会いすらも、宝物のように、際立って蘇るのだ。
かつて、ほんの短い間ご夫婦だった二人の、東風、連弾。この動画が、本当に好き。矢野顕子さんとの思い出もまた、いつか綴りたい。
僕には 始めと終わりがあるんだ
こうして 長い間 空を見てる
音楽 いつまでも続く 音楽
踊っている僕を 君は見ている
(作曲/坂本龍一、作詞/矢野顕子、ピーター・バラカン)
May his soul rest in peace.
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