午後のフライトで到着する夫を迎えに行く前に、天神へ。
ランチは思わず、とんこつラーメン。
ここ数年、お気に入りの「一蘭」へ。
静かに自分に向き合いながら、
味に集中できる状況が、意外によい。
書店ですばらしいコンセプトの絵本を見つけ、
衝動買い。
「せかいのひとびと」
こういう本を、子供たちには読んで欲しいな。
いや、子供だけじゃない。
「多様性」の意識からは遠い、特に日本の大人たちにも。
地下鉄で福岡空港へ。
韓国、中国、フィリピンなど、アジア便がたくさん。
トイレで着替えている間に、
入国審査で修学旅行生の大群に先を越され、
最後の最後の最後に出て来た夫。
香港で乗り遅れたのかと思ったよ。
夕刻、実家に到着。
家でゆっくりしたいのだが、夫は出かけたいという。
屋台に行きたい、というので、中洲へ。
実はフライトで隣り合わせた福岡のご夫婦に、
お勧めの店などをあれこれと聞いたらしい。
更には、ガイドブックで情報を収集。
「ツカサ」という屋台がいいと言うが……。
どこよ、それ。という話だ。
福岡市出身だが、屋台事情に疎い我。
結局は、普通の居酒屋的な店にふらりと入る。
福岡なら、なんということはない店でも、
そう、外れることはないだろう。
「まる家」。なんだか親近感を覚える名前である。
海鮮類がおいしそうだ。
ごま鯖、手作り豆腐、銀ダラの味噌焼きに、豚しゃぶサラダ……。
これに鉄板餃子も頼んだ。
キビナゴの天ぷらや、カンパチの刺身にもひかれたが、
昼間のラーメンがかなり堪えているので、控えめに。
どれもそれなりにおいしかった。
夕食をすませたころ、界隈は屋台で賑やかに。
「司」という店も発見。
やっぱり屋台で食べたかったと夫。
また、次回ね。
帰り道、中洲の風俗街に紛れ込む。
早く脱しようと早歩きをする妻のうしろで、
興味津々にふらふらと歩く夫。
「ミホ、さっきセールスの人が僕に近づいて来てね、両手でこうしながら、オッパイ、オッパイ、って誘われたよ」
とジェスチャーつきで教えてくれた。
で、どうしたの? と問えば、
「ゴメンナサイ、ワイフと一緒ですって言ったら、申し訳なさそうだったよ」とのこと。
相変わらず、味わい深い経験をする夫である。
さて、明日もう1泊、実家に泊まって、明後日から九州旅。ぼちぼち、行きたいものである。
★ ★ ★
今ごろインドはディワリのころ。
ヒンドゥー教の正月で、光の祭りとも言われる。
豊穣と富、美を司る女神ラクシュミを祝う日でもあり、
各家庭は、彼女を招き入れるため、
「ここに来て下さい」とばかり、
オイルランプに火を灯し、家の随所に光を添える。
とてつもなく電力を消費しながら、
イルミネーションも派手に派手に。
そして極めつけは、盛大すぎる花火。
まるで爆音、戦闘下なのか、とさえ思うほどの、
壮絶な花火。
世界は爆音に包まれる。
駅から実家への帰り道。
人の歩く姿が見当たらない、
静かできれいで、
しかし、自分の足音しか聞こえない、
まったく生気のない街を歩きながら、
わたしは、早くも、少しインドが恋しい。