四季の起伏浅い高原都市にも季節の移ろい。
庭に降り注ぐ光が、
やわらかく、静かに、
少し頼り無さげになる時節。
同じ12分の1カ月なのに、
12月は、12月というだけで、気ぜわしい。
慌ただしく拙速して、
やるべきことが中途半端になったり、
心が急いて落ち着かず、
平常心を喪わないように、
もう、本当に意識的に、心身を慈しみ、
日々を大切に過ごして行かなければと思うのだ。
無理をしても、速やかに回復できる年齢は、過ぎた。
さすれば、無理をすることは、賢明ではない。
基本は、「よく食べ」「よく眠る」
若いころから、どんなときでも、睡眠時間を確保していた。
東京で編集者をやっていたころ、過酷な労働状況だったが、
ともかく、数時間でも、寝る時間を確保することにつとめた。
周囲がたとえ「徹夜しちゃったよ」と言っていても。
徹夜。それはわたしにとって、最大の敵だった。
翌日、脳みそはまったく通常通りに機能しなくなるから。
今までの人生、だから完徹をしたのは、たぶん3回ほど。
それも20代のときに。
日本で働く人たちは、本当に、睡眠時間が短い人が多い。
わたしには、心底、無理だった。
あの世界に身を置きながら、常に違和感を覚えていた。
30歳になって、ニューヨークへ渡って以来、
そんな無茶はしないでおこうと、心に決めたのだ。
だから久しく、元気でこられたと思っている。
わが夫も同様のライフスタイルゆえ、うまくサイクルが回っている。
我々がリフレッシュできるのは、7時間半〜8時間睡眠。
世間からは、「寝過ぎ」と言われるが、
7時間を切った日が続くともう、たちまち冴えない。
大切な仕事のために時間をとり、
大切な私事のために余裕を設け、
取捨選択。すべてはスケジュール管理。
敢えて、余白を。
決して、詰め込まない。
そして、きちんと料理をする時間を作る。
しっかりと、眠る時間を作る。
こうして書くと、本当にシンプルなことである。
しかし今の世の中、それがとても、難しいことのようでもある。
そうでなくても、思いがけないハプニング、トラブルが起こるインド生活。
ささやかな復旧のために、長時間を無為に過ごすことは日常茶飯事。
ゆえに、余白は、余白に終わらぬことが多い。
頭を冴えさせ、処理能力を高め、速やかに仕事をし、
同時に心の余裕を保ちながら、暮らす。