子どもは乗っちゃいけないと思うのだが。ミニバイクを乗りこなすさまが妙にさまになっていた、ムスリムの少年。
土曜日、夫は日帰りでムンバイ出張。わたしは読みかけの本を読み、プロジェクトの資料づくりなど。
「ヒラリーとビルの物語」を読み終えた。事実は小説より奇なり、の極み。二人の半生に驚嘆する。
夫は早めの便で帰宅するから家で食事をするとのことなので、先日のマナガツオを煮付けることにする。
キッチンに本を持ち込んで、本を読みつつ、時折、煮崩れぬようにじわじわと、煮汁をかけながら。
煮汁は、醤油とみりん、水、それにインド産の白ワイン。
インドで手に入るT-FALの深底フライパンは非常に便利。深さ10センチほど。蓋も付いている。炒め物、煮物、インドカレー料理、あらゆる料理に応用できる。普通のフライパンよりも、優秀。もう一つ買おうと思う。
マナガツオの煮付けは、非常においしかった。
いつもは塩焼きや唐揚げ、グリルなどで、煮付けにしたのは初めてだったが、かなりいける。みりんがなくても、醤油、砂糖、水、あるいは酒で実現できそうだ。インドでも、日本の味をお手軽に。
「ついつい機内でスナックを食べてしまったから、夕飯は軽めにする」
と帰宅するなり言っていたアルヴィンドだが、魚を見ると大喜びで、
「あなたは、ネコの生まれ変わりですか?」
と問いたくなるほど、骨のまわりもきれいに食べ尽くしていた。
今日はほとんどコンピュータに向かうことなく、読書の一日であった。
一週間のうちで、人の出入りがない唯一の日。静か。
それにしても、ここはなんと、蝶が多いのだろう。
ガーデンチェアに腰掛けていると、周りをひらひら、ひらひらと、仲間同士の二匹が戯れるように飛んできたり。
10年前のこの街は、本当にすばらしい場所だったに違いないと、また今日も改めて思う。
夫はといえば、今日はまたしても「大切な」クリケットの試合があるとかで、インドチームのユニフォームシャツを着て、雰囲気盛り上げつつTV観戦。
夜にはスジャータとラグヴァンがやってくるので、夕方には夕飯の下ごしらえ。今日はキングフィッシュのムニエル。それからポテトサラダにカリフラワーとトマト、タマネギのソテーなど。
スジャータが、今日もサラダとスイーツを持って来てくれるというので。
火曜日はラグヴァヴァンの誕生日なので、それに先駆けてスパークリングワインで乾杯。
いつも、何かの口実を作っては、乾杯をしている気がする。
子供たちが、いつもよりも賑やかだ。皆、満面の笑顔で、サリーを着るゼスチャーをする。
先日の新聞記事を見たようだ。切り抜きを丁寧にポケットから取り出して見せてくれる少年。
まるで自分の家族のことのように、あまりにも屈託のない喜ばれ方をして、彼らのためにこそ、新聞に載せてもらって本当によかったと思ったくらいだった。
今日はディワリに因んだ「花火」の切り絵と、それから「お箸の使い方」練習。
さて、インドの子供たちは、日本の子供たちに勝るとも劣らぬほど、器用だと思う。
箸の使い方もあっというまに覚えて、豆をつまむ練習。
この子供たちの十年後は、果たしてどのようなインドの、どのような環境で、あるだろう。
この子たちは、自らの才能を、可能性を、いったいどれだけ、生かして生きることができるのだろう。