一昨日のチャリティ・ティーパーティで集まった寄付の品々を届けに、バンガロールの北部郊外にあるHIV/ AIDS患者を支援する施設のFREEDOM FOUNDATIONへ足を運んだ。
本来なら、事前に訪問し、下調べをした上で先方のニーズに沿ったものを持参したかったが、時間的に難しいことから電話で担当者から状況を聞き、必要なものを教わっていたのだった。
ティーパーティで集まった寄付の品々(衣類や靴、シーツ、洗剤、石けん、ビスケットやジャムなど)に加え、寄付金で望まれる商品を購入するべく、往路、買い物をする。
ギー(精製バター)、ジャム、ハチミツ、健康飲料パウダーなどの食品に加え、大きなボトルい入ったシャンプーやモイスチャライザー、掃除用洗剤などを購入した。
合計金額は6083ルピーとなった。
寄付金の合計6736ルピーからの差額653ルピーは、次回の寄付に繰り越して使用したいと思う。
すべての商品を、道中で見つけたNilgiri'sで購入することができた。
ご報告までに、レシートも添付しておく。
さて、アウターリングロードを突っ切って、Hennur Roadを北上する。
この道路は、新空港へ至る道の東側に、平行して南北にのびている。
この界隈の開発も徐々に進んでいるようで、車窓から建設中のアパートメントらしきビルディングがいくつか見られた。
やがて視界が開け、農村の風景が見えて来たところで、狭くガタガタの未舗装道路に突入し、FREEDOM FOUNDATIONに到着した。
最低限の設備しかない貧しい施設だとの噂通り、非常に簡素な建物である。担当者のマドゥリは外出中とのことで、他のスタッフが出迎えてくれた。
万一、不要なものがあったら別の施設に渡す旨を伝えたが、すべて役に立ちそうだとのことで、残らず引き取ってくれた。
訪問者の記名ノートを渡され、寄付の内容などを記すように言われる。
わたしの名前と、それから「バンガロール在住日本人女性」による寄付であると記す。
ページをぱらぱらとめくれば、4、5日おきに誰かが訪れ、物や寄付金を託していることがわかる。しかし、それだけでは到底まかなえないであろうことは、この施設の設備を見ているだけでも察せられる。
この施設は、低所得者層のためのエイズ支援団体で、エイズの検査、投薬、発症者への治療などを無償で行っている。
ドクター1名と、看護婦やスタッフなどが十名以上常駐して、患者たちのケアを行っているという。
大人用のベッドが25床あり、現在は22名のエイズ患者(発症者)が入院しているという。うち数家族は一家で生活をしている。
数日前の豪雨で病室内に雨水が流入したため、現在は多くの患者は他の施設に避難しているらしいが、普段は満室のようである。
加えて、HIVポジティブだが発症していない9歳から19歳までの子供たち12人がここで暮らしている。わたしが訪問した時間はみな学校にいっており、子供部屋は静かだった。
ベッドはOWCによって新品が寄付されたという。上の写真は男性患者のベッドルーム。
上の写真の太陽熱温水システムのソーラーパネルも、OWCによって新しいものが設置されたとのこと。会員がおさめる入会金や、各イヴェントで支払う参加費の一部が、このような慈善活動に反映されている。
帰り際、外出していた責任者のマドゥリが戻って来た。
彼女としばらく話をする。聞けばこの土地、地主がアパートメントビルディングを建てるため、立ち退きを要請されており、つい最近、近隣に移転先が決まって、10月初旬に移るとのこと。
現在の家賃から大幅に値上がり、月額75,000ルピー(20万円弱)になるという。3階建てのビルディングで、かなり広大な敷地だという事実を聞けば、その値段は悪くないのではないかと思ってしまう。
しかし、ここは郊外である。そもそも土地も物価も非常に安い土地だった。貧しいエイズ患者のための非営利団体としては、その金額はあまりにも大きすぎるのである。ましてや現在の家賃の4、5倍。マドゥリが不安げな表情を見せる。
家賃以外にも、食費や光熱費など、必要な経費はさらにかさみ、運営はたいへん難しそうだ。
なんとかしたいと思うけれど、わたし一人の力はささやかすぎる。
知れば知るほど、訪れれば訪れるほど、助けを求める人々の多さに、なにやら途方に暮れる思いだ。
最後にマドゥリからの伝言。
移転先のビルディングには、中庭があるという。しかしそこは手つかずの空き地状態であるらしい。彼女としては、植物や花を植え、ベンチなどを備えたいという。
誰か庭園設計ができ、庭園を仕上げてくれる人がいれば支援してほしいと、切に願っていた。
日本の企業で、ローカルへの社会貢献を検討している方があれば、彼らの声を聞いていただければと思う。わたしも個人的に、自分自身がインド関連の仕事で得た利益から、今後もできる限りを支援に回して行きたいと考えている。
庭全体を整えるほどの支援はできないにせよ、ベンチや花を贈れたらとも思う。
FREEDOM FOUNDATIONの詳細は、ホームページ(←文字をクリック)をご確認ください。