2012年6月に結成されたミューズ・クリエイション。その年の終わりから、OWCクリスマスバザールに参加してきた。OWCは、当地に暮らす外国人女性によるグループで、地域社会へのヴォランティアに主眼においた活動をしている。
今回で5度目の参加となるこのバザール。例年とは異なるホール内の会場ということで、イメージがつかめなかったのもさることながら、先日からのインド高額紙幣刷新に伴い、人々の手元には現金が不足している。
ミューズ・クリエイションの商品単価の平均は、200〜300ルピー。現在重宝されている100ルピーが不可欠である。現金での支払いしか受け付けていないミューズ・クリエイションゆえ、果たしてどれほど売り上げられるのか、そのあたりが気になるところではあった。
なにしろOWCのクリスマスバザールは出店料が高い。尤も利益はOWCが支援する20を超える慈善団体への寄付などに充当されるので、「無駄になる」ということはないのだが、それでも年々、値上がりが進み、今回は1つのテーブルが1万ルピー。合計2万ルピーの出費である。できれば赤字は免れたいところだ。
会場は、我が家から車で10分ほど、バンガロール在住者にはよく知られている老舗トムズ・ベーカリーに隣接するST. JOHN'S CHURCH のホールだ。従来はオープンエアのスペースにテントが張られていたが、今回は全ヴェンダーが館内におさまっている。
バザール前は木曜、金曜の両日、サロン・ド・ミューズをオープンして、準備を行った。チーム・ハンディクラフトの作品は、クリスマスを意識したものも多数。ミューズ・クワイアのメンバーは歌の練習のあと、アートバルーンの練習だ。
9月に実施したミューズ・チャリティバザールの際、アートバルーン作りが上手なメンバーの一人が子どもたちに配布したところ大人気だったので、今回は有料(といっても20ルピー)にして販売することにしたのだ。
彼女の他にも新メンバーがアートバルーン作りが得意だというので、彼女も含めて数名での実習。そのときどきのメンバー、それぞれに「特技」があり、それが生かせるのがまた、ミューズ・クリエイションのいいところだと思う。
実はわたしは、この「割れそうなピキピキする音」が苦手すぎて練習には参加しなかったのだが、何人かのメンバーが作れるようになっていた。今後はバザールのとき以外にも、慈善団体の子どもたちに作ってプレゼントできるのではないかと思われる。
今年もテーブルはステージに近い2カ所を確保。毎度、半数以上が初めての参加だが、経験者がイニシアティヴをとりつつ、ディスプレイは速やかに完了。
お隣のテーブルでは彼女たち手づくりのすてきな商品。二人とも日本に長期滞在した経験があるとのことで、とてもフレンドリーだった。
毎年、OWCのメンバーによって作られた焼き菓子も販売される。
かわいらしい子供服。この懐かしい感じの手刺繍にひかれるものの、身近にプレゼントできる女の子がおらず、残念!
このテキスタイルショップは、ファクトリーアウトレットを扱っているようで、エプロンやナプキンが激安で販売されていた。わたしはティータオルを6枚購入。一枚30ルピー! 日本のアフタヌーンティーの商品も「超激安卸値」で売られていたようである。
バンガロール在住の彼女が手がけたオリジナルの「しぼり」スカーフ。ここでは1枚、お買い物。
欧米の子どもたちには関心を持たれていたが、インドの子どもたちには訝しげに見られていたというこだわりのコスチューム。ともあれ、間違いなく目を引いていた。アートバルーンは安定の人気であった。
今回のステージは音響のスタッフがとても手際がよく、クオリティも高くて非常に印象的だった。リハーサルのときから、テキパキと動いてくれ、配線やマイク設置も速やかに、日本では普通のことなのだろうけれど、今までで一番であった。
ミューズ・クリエイションのステージ、今年はミューズ・クワイアのみでダンサーズはお休み。4曲を披露した。
プロの二胡奏者、ハルヨさんが、ちょうど数日前に日本からバンガロールに来訪されていたので、お声をおかけしたところご快諾。二胡の旋律、聴衆を魅了!!
従来は、フードコートにたくさんのテーブルがセッティングされていたが、今年は4つほどと少なくスペース不足につき、階段に座り込んで食べるメンバー。それはそれで、楽しそうであった。
バザール全体の入場者が例年に比べてかなり少なかったが、それでも、少しずつ、着実に、メンバー手づくりの品々は売れていくのだった。
ミニミニトートバッグとおそろい柄のシャツを着たお兄さん。手に取った瞬間、みなに「わ、おそろい〜!」と騒がれ、買わずにはいられない状況下に!
例年は11時開場で4時に閉場のところ、今年は6時閉場。一日中、立ちっぱなしでお疲れだったと思うが、今回もまた、いい一日であった。わたしが右手に掲げている袋には札束がたっぷりと! といっても100ルピー以下の小額紙幣がメインなのであるが。
幸い、テーブル代、経費代を差し引いて利益が出る売り上げとなった。このご時世でこの売り上げは、立派だと思う。特に薄利なバルーンが多売だったのも、印象的だった。毎回いろいろな発見があるバザール。同じようでいて、二度と同じ経験はない。
全バザールに参加してきたわたしも毎回、新鮮な気持ちで楽しめるのは、新しい人たちと、新しいことを共有できるからだと思う。
みなさんお疲れさまでした!
さて、以下、わたしが今回、バザールで購入した商品をご紹介……。
こちらが1枚30ルピー、およそ50円のティータオル。この華やかな柄が好み。ニューヨークのSur La Tableでほぼ同じものが売られていた。6枚購入したが、もっと買ってお土産などにすればよかったと今更ながら。
今回のお買い物では最も高価なシルクの絞り。悩んだ末に選んだ派手目の一枚。前述のバンガロール在住の女性手づくりの作品。絞りはインドではBandhaniと呼ばれ、英語ではTie and dyeと呼ばれる。グジャラート州やラジャスターン州など、北部インドの伝統工芸だ。
ハンドメイドのグラノラとピーナツバター。どちらも味見をしておいしかったので購入。
こちらはユニークかつヘルシーなナッツバター&シードバター。クラッカーなどに少し塗れば、ワインなどのおつまみにも好適。
ついついペットショップのヴェンダーで買ってしまった玄関マット。絵的に犬のpawだと思われるが、まあ猫も似たようなものである。というか、きちんと拭いてほしいのは、人間の靴の裏、ではあるのだが。
というわけで、地味ではあるが、それなりにお買い物もできて、充実の一日であった。以下、ミューズ・クワイア&ハルヨさんの二胡の動画を夫が撮影してくれたので、アップロードしておく。
◎MUSE CHOIR
我が夫による撮影につき、妻の露出度が高く、ちょっと恥ずかしいのだが、公開。願わくば、もう少し、離れた場所から撮って欲しかった……。下からすぎる。
◎パルヨン&ミポリン1
現在バンガロール滞在中の二胡奏者、Kimura Haruyoさんをお誘いしたのは10日ほど前。わたしも2曲、ご一緒させていただいた。実は先日の日本一時帰国時に入手した『日本の伝統行事』(村上龍)「日本の童謡・唱歌集」(坂本龍一プロデュース)のCDカラオケがすばらしく、ものすごく歌いたくなったので、お願いした次第。二胡の音色にぴったりの伴奏。昨日、音合わせをしただけでナチュラルに弾きこなされるハルヨさん、さすがのすばらしさ! わたしは日本の懐かしい歌の美しさに、自分で歌いながらも、何気に感極まっていた。
◎パルヨン&ミポリン2
付け焼き刃ながらも、敢えて英語で歌ったにも関わらず、メンバーの一人からは、「ふじの山、何語で歌ってたの? ロシア語?」とか尋ねられるし、夫からは、「歌詞、全然聞き取れない」といわれてしまい、いっそ全部日本語で歌えばよかったとも思ったが、まあそれはそれ。夫からは、「オベラだって、歌詞がわからなくても楽しめるから、いいよ」という慰められた。微妙。
◎木村ハルヨ 蘇州夜曲
他にも賽馬を披露してくださった。どちらもすばらしかった!