今日は、ミューズ・クリエイション創設以来、何度か訪問している盲学校を訪れた。メンバーの大半は初めての訪問。初めての訪問は、誰もが緊張するものだ。そんなときの緊張感をほぐすのには、「音楽」が最適。ゆえに毎回、最初は歌ったり踊ったりする。そうすることで、子供たちとの距離感を縮めつつ、自分たちもリラックスする。今回は、目が見えない子供たちなので、ダンスではなく、歌を披露した。
まずはみなで「ふるさと」を歌う。そのあと、ハルヨさんの二胡による「賽馬」。草原を駆ける馬を彷彿とさせる旋律に、子供達は真剣に聞き入っている。そのあと、サウンド・オブ・ミュージック、そしてHail Holy Queen。一緒に口ずさむ子供もいる。
実は今回、担当となっているシスターが変わり、いただける時間は1時間ちょうどと言われていた。子供達の勉強の妨げにはなってはいけないからと、歌のあとは、すぐに折り紙をする予定だったのだが、先生が「子供たちにも歌わせてやって」と笑顔で提案してくれた。子供たちからも2曲が披露される。
それから、2、3人ずつのグループに分かれての折り紙。以前、この施設で、別の子供たちに折り紙を教えた時に、彼らの集中力と習得の早さに感嘆した。今回もまた、多くの子供達が、積極的に紙を形にしようと集中していた。教える方もとてもたいへんなのだが、こういうこともまた、その場で経験して初めて、いろいろとわかること。
わたし自身は、あまりお膳立てをしすぎない程度に、メンバーの人たちにも自分なりの「初体験」を通して経験を重ねてほしいと願っている。みなそれぞれ、今回も感じるところ多い1時間だったのではないかと思う。
シスターは、折り紙も楽しまれ、最後は時間を超過しても、せかすことなく、子供達を、わたしたちを、見守っていた。
別れ際、シスターから「子供たちに歌を教えに来てください」と何度も頼まれる。彼らが望んでいるのは、高度な歌唱ではない。楽しく音を揃えて歌うことだ。わたしは音楽の先生ではないけれど、ある程度は教えられる。今までは、思うところあり、定期的に一箇所に通うことは避けてきたのだが、今日はかなり心が動いた。前向きに、考えてみようかと思う。
★ ★ ★
この施設では、子供達の顔写真の撮影は禁止されているので、許可を得て、メンバー及び子供達の後ろ姿の写真を中心に掲載する。参加者の感想文を、いつものように掲載しているので、ぜひ目を通していただければと思う。
【感想01】 慈善団体への訪問は今回が初めてで、緊張しつつも楽しみに伺いました。細い道を曲がったその先にあるJYOTHI SEVAの施設内は日光が差し込み、とても清潔感のある場所でした。今回集まってくれたのは高学年の生徒さんで、耳をすませながらしっかりと歌や話を聞いていて印象的でした。
初めに「ふるさと」を歌いました。普段はハンドクラフトをしていて歌を歌うことはないので、不安もありましたがなんとか終え、その後二胡の演奏、「Sound of music」、「Hail Holy Queen」と続き、生徒さんたちはとても楽しんでくれているように見えました。
こちらの歌が終わった後、生徒さんたちから歌2曲を披露してくれました。続けて折り紙のリクリエーションに移り、新聞紙で兜を折ってかぶったり、鶴や紙飛行機を作りました。目が見えない生徒さんたちがどのようにすれば折り紙を折れるのか、教えられるのかと心配していましたが、生徒さんたちはその心配をよそに拙い英語での説明と手で触れた感覚で器用に折り紙を折ることができていて感心しました。
短い時間でしたが、とても素敵な時間を過ごすことができ、幸せな気持ちにもなりました。生徒さんたちも同じように思ってくれていると嬉しいなと思います。
【感想02】 生徒の皆さんの真面目で一生懸命な姿に感動しました。決して簡単でない状況で頑張る彼らに幸あれと願わずにはいられませんでした。
【感想03】 はじめての慈善団体訪問ということと、一回しか全体練習できなかったhaily holy queenが不安だったのもあり、緊張しながらの参加でした。いざ始まってみると、子供達が歌を聴いて楽しそうに体を揺らしている姿や聞き入っている姿をみて私自身も楽しい気持ちになり、歌うことが出来ました。子供達のお陰で、私たちが気持ちよく歌わせていただいたという感じです。それだけではなく、お返しにと歌まで歌ってくれたのもすごく嬉しいことでした。またハルヨさんの二胡の演奏に子供達も聞き入って魅了されているようでした。
折り紙のレクチャーではずっと1人の男の子につきっきりで教えました。カブトは4枚折ったところですでにいくつかの工程を覚えてくれたのですが、私の拙い英語とジェスチャーでなければもっとスムーズに教えられたのかもしれません。英語で話さなきゃ!と思い英語の折り方の台詞を辿って読むのに集中しすぎて、子供の手を取って一緒に折ることがおろそかになってしまったのだと思います。英語を流暢に話せるようになるよりも、身振り手振りでコミュニケーションを取れるようになることの方がここでは重要であると感じました。またここを訪れる際は、上手に子供達の手を取って教えることを念頭に置きながら、レクチャーしてみたいです。男の子は折った鶴をとても気に入ってくれて、最後は持ち帰ってくれました。私もたくさんの元気をもらえて、良い経験になりました。
【感想04】 今日の慈善団体訪問に参加されたみなさま、お疲れさまでした! 美穂さん、いつも手際の良い段取りを本当にありがとうございます。この施設は二度目(正式メンバーになってからは初)の参加でした。シスターがちょっと厳しい感じ、、と伺っていたので若干身構えていましたが、最終的には大変喜んでいただけたようで良かったです。
演奏は、日本ではこれが仕事のため、なかなかボランティアで参加することは様々な面で難しいのですが、こちらでは貴重な経験をさせていただけていつも感謝しています。弱視の子でしょうか、準備をしている段階から、非常に興味を持ってくれていました。「賽馬」のラストのいななきでは歓声があがり(シスターの方が喜んでた?笑)これは世界共通で伝わるなあと再確認しました。コーラスは今回初参加ですが、みんなで歌う新鮮さを久しぶりに味わいました。ぜひ次回は暗譜して臨みたいと思います。
折り紙指導では、私ひとりで女子学生三名にかぶと、鶴を教えました。手を取りながら教えたのですが、かなり聡明な三人だったのであっという間にかぶとが完成。「アンティ、鶴を教えて」とリクエストが。鶴もすぐに折れてしまい、次のを教えて、と言われて悩んでいるうちにタイムアップとなってしまいました。今更感満載なのですが、日本の自宅から資料を送ってもらいました。かぶととドレスの折り方(英語と日本語)のPDFを添付しますので、次回以降にお役立ていただけたらと思います。ドレスは最後にスカートせず、真ん中をカットしてズボンっぽくしたら男女に応用できるのではないかと思います。あと、かぶとは最後に折る一枚の三カ所をカットしたら金魚になります。繋げたらモビールっぽくてかわいいです。
昔、盲学校に美術科非常勤講師で勤めていた時は、新聞紙を大量に使用しガムテープでとめて洋服や帽子を作ったりしました。盲目と同時に発達障害もある子どもたち向けには、ただただ新聞紙を丸め、それを大きな透明のビニール袋に入れる、という工作をしました。彼らにとっては紙を丸める行為と、そのときに出るガサガサという音が楽しかったようです。普通小学校では新聞紙を細く丸めてそれを材料にして工作を行いました。(例えば家とか)ただこれらはもっと幼い子どもたち向けですし、また今回はかなり限られた時間だったので、今後何かの参考になればと思いお伝えしておきます。
参加者の中に水分をお持ちでなかった方もいらっしゃった?と見受けました。活動は数時間ですが、想像以上にかなり水分と体力を使うと思います。ぜひ水筒やペットボトルの持参をおすすめします。
【感想05】 インドで初めての慈善団体、盲目学校への訪問。事前に聞いてましたが、集まってくれた子供達のお行儀の良さ・素直さに驚き、また音楽の聞こえてくる方向に必死で耳を傾け、さらには歌を二曲披露してくれて感動しました。その後の折り紙講習では、2人の生徒を担当しました。私の勉強不足で申し訳なかったですが、「次はどうするの?バードが作りたい、教えて、色紙が欲しい、もっと教えて」そんな積極的な言葉をもらいました。英語での説明はあまり上手くできなかったですが、それでも手をとって作り方を教えてあげると、2回目には自分で作れてしまうという物覚えの速さ。そして、折り紙の色は見えなくても匂いを嗅いで色を当ててしまう子供達、、匂いが色によって違うのでしょうか。すごい。最後まで元気よく会話をしてくれて、私の方が元気をもらいました。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。
【感想06】 初めての慈善団体訪問、歌と折り紙の予習はしていきましたが、もっと色々見越して準備しておけばよかったと反省しています。一時間ほどの訪問の中で、私達が歌と演奏を披露し、生徒たちが歌を歌ってくれた後、折り紙を作りました。ミューズのメンバーの歌や演奏を聞いている時の子供たちの表情は印象的でした。音のする方を向き聞くことに集中しているような子、あまり表情は変わらないけれど耳をすませているような子、聞きながら明らかに楽しそうな雰囲気でそわそわしている子、中にはただぼーっとしている子もいたのかもわかりませんが...
子供たちの歌を聞かせてもらった後は、数人ずつグループに分かれての折り紙のかぶと作り。英語で教えるというのも難しいけれど、見えない子どもたちに手で触ってもらいながら説明するのは、かなり大変でした。器用な子は時間がかかってもきっちり端と端を合わせて上手に折っていましたが、あまりクラフトには興味なさそうな子は、アンティ(おばちゃん)これでいい?と先にどんどん進む意欲は買うものの、どうも見本からはずれていて...
でも、みんなひとつずつサムライハットを完成してかぶっていました。鶴にも挑戦したのですが、折り方も説明も難しく、時間も迫ってきたので断念して、大急ぎで私が作って子供たちにあげました。少しでも楽しんでもらえたかな、興味持ってもらえたかな、そうだったらいいな、次はもっと考えて準備しよう、今そんなことを考えています。
【感想07】 JYOTHI SEVA SCHOOL FOR BLIND CHILDRENの訪問は、私にとって初めてでした。前半は互いに歌や楽器演奏の披露、後半は折り紙でかぶとや鶴を作りました。私が担当した生徒さんの一人は、あの場にいた生徒さんの中で一番シャイで消極的だったと思います。私が話しかけている英語は理解してくれているようですが、緊張しているのか折り紙に関心がないのか、それとも不快だったのか、ほとんどしゃべらず、手を動かすことも少なかったです。私の対応に問題があったのかもしれませんが、どうしたらいいかわからずひたすらゆっくり進めました。今でもどうすべきだったかわかりません。
最後に紙風船を数名の生徒さんにプレゼントしましたが、どの程度空気を入れていいのかわからなかったようで割ってしまう人がいました。また、遊んでいる最中にもあっという間に割れてしまいました。目で見て割れないように扱うことが自然にできてしまう私たちと、盲目の方とでは同じように扱うことのむずかしさを感じました。触覚、嗅覚、聴覚を使う遊びがあるといいですが、むずかしいですね。私は訪問の前に盲目のお子さんとの遊びについてネットで調べましたが、採用できるアイディアは見つけられませんでした。反省点だらけで解決策が見つけられていませんが、次回は少しでも解決して訪問したいと思いました。
【感想08】 今回初めての慈善団体訪問でした。目の不自由な子供達と交流を持つのは初めての経験で、英語が不得意な自分に何ができるだろうと不安がありましたが、歌を歌うと笑顔で聞いてくれる子供達を見て歌って素敵だなー。っと感じました。折り紙では、手をとり折り方を教えると飲み込みが早く一人でカブトを折り始める子供達に感心しました。一人で作ったカブトを「ありがとう。プレゼント」と私に差し出してくれた時は嬉しすぎて、正直うるっときました。子供達と触れ合うことができ、たくさんのパワーを貰い私はすごく心があたたかくなりました。今回も大変貴重な体験をさせていただき、本当にありがとうございました。
【感想09】 今回は私にとって2回目の慈善団体訪問。盲学校ということで私の英語でも意思の疎通が出来るか不安だったが、気持ちで通じるだろうと思い参加した。早めに着いたので、シスターよりご挨拶を受ける。メンバーが揃い、3階まで階段を上がってパティオの様な場所が今日の私たちの活動の場になった。歌を披露する時も子供達は静かに、でも身体を少し揺らしながら楽しんで聞いてくれたように思う。ハルヨさんの二胡の演奏には、興味深そうに手を伸ばしたそうにする子供がいたのが印象的だった。
事前に作っておいた新聞紙の折り紙を使って、兜「Samurai Hat」を一緒に作る。私は、生徒二人を担当した。びっくりしたのが、一回教えるだけで殆ど自分達だけで折れるようになること。覚えが早いと思った。折りながら、聞いてみる。
「日本は知ってる?」
「うん!ジャッキー・チェーンがいるとこでしょ?」
「!」
日本のテクノロジーに興味があるようで、色々と聞いてくる。二人とも素直で可愛かった。他にも即興で飛行機、紙鉄砲を作るとシスターが興味を示して下さり、生徒と一緒に鳴らし楽しんでくれた。生徒達も折り紙を折る時に、軽く鼻歌を歌ったりして音楽が好きな印象を受けた。最近のお気に入りの歌などを教えてくれた。目が見えないぶん、耳からの情報に敏感なのだろう。短い時間だったが、私にとっても子供達と触れ合えるいい機会になったと思う。
【感想10】
人生で初めて盲学校を訪問しました。学校は日本の学校のように綺麗で、生徒達も非常に礼儀正しくとても驚きました。
印象的だったことは、二胡の演奏をとても楽しそうに聞いていたことです。音や周囲の変化に敏感なんだなと感じました。
12歳の男の子に折り紙のカブトを教えたときは、それなりに楽しんでくれたようでした。しかし、少なからず自分が戸惑ってしまったので、きっとそれが伝わってしまったかなと思います。反省です。
幸いインドには、special needが必要な子にどう接したらよいかというワークショップや講座がいくつかあります。まずはそのようなところで基本的な知識やアイデアを学び、もっともっと貢献できるようになりたいと思いました。