数カ月前に東京テレビで放送された「世界に嫁いだ日本人女性 密着! 仰天ライフ」が、米国の有料日本語放送テレビジャパンで先週末、放送されたらしい。米国在住の読者から数名、メールをいただいて知った。
あらかじめ放送されることがわかっていたら、見たいと言ってくれていた米国在住の友人らに知らせるところだったが、あいにく熊本のときと同様、あとから聞いて知ったのだった。
友人知人数名に「DVDを送ります」と言いながらそのままになってしまっている。
忘れているわけではないんです。うまくダビングができなかったんです。
Macだと読み込めないDVDディスクを買ってしまったのか、データを認識してもらえず。DVDをダビングする機械というのが必要なのだろうか。あまりにも素人めいた疑問だろうか。
もうちょっと、時間をください。
● 本を買いに行ったはずが、バッグを買っていた
仕事の資料を購入するために、The Taj Mahal Palaceの書店に出かけた。書店に直行するはずが、ペイストリーショップをのぞき、ルイ・ヴィトンを一巡し、宝飾店のショーウインドーを覗き込み、老舗革靴店 "Joy Shoes" に立ち寄る。
創業65年をこえるJoy Shoesは、ムンバイ富裕層の御用達靴店。女性用のサンダルも豊富。シンプルで履きやすいものもあれば、スワロフスキーのクリスタルが散りばめられた、きらきらと美しいものもある。更にはヒールの美しいパンプスや、ローヒールのビジネス向けシューズなどもある。
かなり質の良い革製品でありながら、お値段は手頃。おすすめである。と言いながら、実はまだ購入したことはない。
さて、ここはインドで最も有名な画家であるM.F.フセインがしばしば訪れていることでも知られている。入り口には、よく裸足で歩いているらしい彼の足型がある。店の袋にも、彼の描いた馬があしらわれている。
わたしはといえば、何も買うつもりはなかったのだが、うっかり牛革型押しの、鮮やかな赤が美しいバッグを見つけた。薄っぺらだが大きいので、ノートや資料などをいれやすい。値段もまた、革製品にしてはかなりお手頃である。
革製品は豊かにあるが、なかなか「これ!」といったデザインのものが見つからないなか、このバッグはかなり気に入り、お買い上げである。
その後、書店に寄り資料を購入。取りあえずは目的を果たした。
●本を買いに行ったはずが、足のお手入れをしていた
素足で過ごすことの多い日々。ここしばらく足裏の乾燥と爪の痛みが気になっていたので、スパ・ペディキュア(マッサージ付きのペディキュア)をしてもらおうと、ホテル内のビューティーサロンへと赴く。
自宅裏のTaj Presidentの場合、スパ・ペティギュアは500ルピー程度だが、ここは倍の1000ルピー。かつてホテルに滞在したとき、何度か利用したことはあったが、そのときはまだインド物価に慣れておらず、「アメリカより安い」と喜んでいたものだ。
しかし、高低入り乱れるインド物価に慣れて来ると、高いんだか安いんだか、わからなくなってくる。
少々迷ったが、ともかく入ることにした。
こちらの方が雰囲気がいいはずだと踏んでいたのだが、Presidentと五十歩百歩である。
やっぱりPresidentにすればよかったかな、と少し後悔する。
しかしながら、おじさんのマッサージはかなり巧みで、「リフレクソロジーの技」を心得ているのがよくわかる。
「足裏は全身に結びついているのです」と語りながら、ぐいぐいとマッサージしてくれる。
これは、結構いいかもしれない。が、Presidentも同程度の技術である。
その後、足首から下を丁寧にパックしてくれて、さらにそのあと軽くマッサージ。Presidentはパックがないので、ちょっと「割にあったかな」と安心する。
が、爪の処理の段になって、このサロン、いやおじさんの株がぐ〜んと急上昇。すばらしい技を発揮してくれたのだ。
実は右親指の外側の部分の爪が、いつも皮膚を圧迫する感じではえて来て、上から抑えると、ときどき痛んだりしていた。それを指摘しながらおじさん、
「痛くありませんから、切りましょうか」
と、尋ねる。おまかせします、と言ったところ、細いナイフのようなものを取り出し、端の方をするするとカットして、痛みのもとを、あっという間に取りのぞいてしまった。数秒のできごとであった。
と、上から押さえても、全然痛くないではないか! 今まで、米印、数々のサロンでネイルケアをしてもらったが、こんなことをしてくれたところは初めて。びっくりである。
「その技術は、どこで習ったのですか?」
と尋ねたら、
「僕はカイロポジズトなんですよ」という。
な、なんですか? それは。
「僕の父も祖父も、カイロポジスト (Chiropodist) だったんです。そして息子はダブリンで、同じ仕事をやっています。先祖から代々受け継いだ技術なんですよ」
カイロポジズト。フットケアの専門家らしい。初めて知った。
足はきれいになったものの、エナメルの塗り過ぎで爪の表面は少々痛んでいる。今日はエナメルを塗らずに、クリームだけをつけてくださいと頼んだところ、その方がいい、ときには休ませてあげなければ、と言われた。
店を出て歩くと、ずいぶんと足が軽く感じる。特に親指のあたりが、明らかに軽やかなのだ。
指先の、たった数ミリのトラブルが解消されただけで、こんなに違うものなのか。かなり驚かされた一件ではあった。今後、定期的に通おうと思う。
写真左は、The Taj Mahal Palaceに隣接するインドデザイナーズブランドのセレクトショップ。この界隈、高級ブランドのセレクトショップが点在しているのだ。が、界隈は、まったく洗練されていないのだ。写真右は、やはりホテルの隣にオープンしたばかりのGood Earth。先日訪れた店よりも規模は随分小さいが、品揃えは豊富。ただ、すべてがオーヴァープライスすぎる。