「二都市生活」といっても、このごろはひと月に一度、1週間のバンガロール滞在が定番となり、さほど負担を感じなくなった。
バンガロール宅を預かるメイドのプラシラは「マダムがいないと、寂しいです」と、うれしいことを言ってくれつつ、庭師の管理をはじめ、電気代の支払いや郵便物、宅配物の受け取りなど、雑事をこなしてくれている。
数日に一度はわたしの携帯電話に電話をくれ、近況を報告してもくれる。「大丈夫だろうか」と心配すればきりがないが、ともあれ遠隔操作でもなんとかなるということを、この一年のうちで学んだ。
ムンバイ宅のメイドのジャヤも相変わらずテキパキと家事をこなしてくれるし、ドライヴァーのプラシャントも相変わらず無口でちょっと暗いけれど、時間に遅れることもなく、安全運転だ。
決して油断はできないけれど、こうして色々な人たちの手を借りつつ、わたしたちの生活は成り立っていて、「忙しいでしょ?」と言われることは本当に多いのだが、日本や米国に住んでいたころに比べると遥かに楽だ。
インドに来てよかった。と、改めて思うひととき。
さて今月から3カ月間、我が家は、旅の季節である。まずは連休を利用しての、明日からの国内旅行。結局アジャンタやエローラなど石窟&洞窟関連は夫に却下された。
しかしモルディヴやケララよりなど、すでに行ったところよりも、未踏の地を訪れたい。最終的に今回は、シムラー行きで合意を得たのだった。
ホテルからはトレッキングなどもできるようで、久しぶりに山間を歩けるのが楽しみだ。これからバックパックや防寒具、スニーカーなどを荷造りするところである。
3泊4日をシムラーで過ごした後、帰りにデリーの実家に2泊3日する。1年ぶりのデリーなので、あちこち出かけたいと思っていたのだが、唯一ゆっくり過ごせる11日は、ホーリーである。
ホーリーとは春の到来を祝う祝祭日で、人々は色水をかけあって大騒ぎする日である。毎年、3月の「満月の日」に行われ、今年は11日なのだ。
そもそも北インド発の行事らしく、バンガロールはさほど盛り上がらないのだが、デリーは本気だ。
街を歩けば、「ハッピー・ホーリー!」の声とともに、色水入りの風船を投げつけられたり、水鉄砲で攻撃されるのである。ああ。どうしよう。
本当は、もう一日ひとりでデリーに残り、12日に買い物を、と思っていたが、急にラン・ランが乱入してきたため、ムンバイに帰ることになったし……。
一応、色水攻撃を受けてもダメージの少ない衣類を着用の上、ナイロン製のハンドバッグも持参の上で出かけることにした。シャワーキャップでも被って歩こうかしらん(嘘)。
しかし、色水を作る色粉は化学薬品が入っていてお肌に悪いだのなんだのとの話もあるし、やっぱり我慢するべきか。でもせめて10日のデリー入り直後、スンダナガールマーケットで紅茶関係だけでも入手したいものだ。
ところで話は変わるが、3月11日は妹の誕生日だ。で、妹の名字は、「堀」だ。
「ハッピー・ホーリー!」と、インド全土を上げて妹の誕生日を祝ってくれているようで、妹もうれしいに違いない。
3月下旬、夫は久々香港出張。戻ってきてすぐ、今度は4月に入った途端からの飛び石連休を利用して、スイス&ニューヨーク旅。スイスは所用のついでに旅をし、1年ぶりのニューヨークは永住権保持目的も兼ねての旅だ。
インド移住以来、半年に一度は米国を訪れていたが、前回は日本旅行に切り替えたため、1年ぶりである。ついこの間、ダウンタウンでとんこつラーメンを食べたばかりだと思っていたのに。
5月下旬は日本。母校である香椎高校の創立記念講演会を依頼されたので、前回の帰国からわずか半年後ではあるが、またしてもである。今回は久しぶりに東京へも立ち寄ろうと思う。
東京で5日間ほど滞在し、福岡へ。5月27日は父の命日でもあり、なんだかちょうどよいタイミングだ。今回は夫がいないので、フルに時間を使える。通訳をせずともよいので、気が楽だ。
そんな次第で、明日から1週間、インターネットに接続できるかどうか不確かなので、その旨、一応ここに記しておきたく。
「インドチャンネル」のコラムが更新されています。
ちなみに現在、このコラムのようなコンセプトで、わがお気に入りの「インド製品カタログ」を作っている。見通しが立ったらここでも報告するが、「任意有料サイト」として公開するつもりだ。
と、公言して、自らを鼓舞する。