去年の2月より、夫がムンバイのオフィスで働き始め、そして6月からはアパートメントを借り、バンガロールとムンバイの二都市生活が始まった。
あれから1年。蒸し暑さ絶好調で、再び、1年で最も過ごしにくい季節の最中である。一方のバンガロールは、ここ数日雨模様で気温が下がり、とても涼しいようだ。やっぱりバンガロール、住むには好適の街である。
とはいえ、この街の、雲を抱いた夕景もいい。アラビア海に沈む夕日を眺めながら、キッチンに立ち、料理をするひととき。日本ではおいしいものをたくさん味わったが、しかしこうして自分で料理をして食事をするのは、心身のためにとてもよい。
今日はたっぷりのジャガイモでマッシュド・ポテトを作る。それから、カリフラワーをショウガと軽く醤油で味付けて蒸し焼く。インドのカリフラワーは、とてもおいしい。
もう少し野菜が欲しいところだったが、今日は買い物に出なかったので、有り合わせである。冷凍庫から、ポークのスペアリブを取り出す。
今日は柔らかくして食べたい。というわけで、たっぷりのタマネギ、それから適当に味付けをしてビール煮に。残り汁は、翌日、リゾットなどに再利用できるのもよい。
インド家庭料理に欠かせない圧力鍋でしばらく煮込めば、とろとろに柔らかな、豚の角煮的煮物ができあがる。これをマッシュド・ポテトに添えて食べると抜群の味わいとなる。夫も大喜びだ。
今回の日本旅は、日本を離れて13年間に帰国した中で、最も日本に対して「やさしい気持ちで向き合えた」日々であった。
なんとも横柄な言いっぷりに聞こえるかもしれないが、要するに、シニカルになることなく、母国への愛憎入り交じりつつも、おしなべて多くを好意的に見ることができたように思う。
もちろん、いい出会いが多かったこともあるが、歳を重ねて自分自身が若干、柔らかくなったような気もする。
細かいところで言えば、突っ込みどころ満載の日本であることに変わりなく、事実、心中で突っ込むことしきりの2週間であった。
日本とは、世界で最も不思議な国、と定義して、一つ一つを取り上げて説明したいくらいである。しかしその衝動があって同時に、母国への愛情のようなものが、強く感じられたのだ。
この件については、じっくりと書きたいところだが、きっと書かないまま終わってしまうのだろう。前回の日本旅で感じた「日本の食の危機的な部分」を綴りきれなかったように。
ともあれ、メイド問題は未解決で、インターネットの接続も「気分次第」な状況で、相変わらずパーフェクトからはほど遠い日々であるが、しかし、戻って来て思う。
インドが、好きだなあと。
人の表情が豊かだ。喜怒哀楽が率直で、感情が、わかりやすい。それが、とても、いい。この件に関しても、思うところ非常に多く、しかしこれも、機会があれば綴るとして。
ところで、このブログも3年を過ぎて、記録は膨大なものとなっている。過去の記事について問い合わせを受けることも少なくないが、できれば右側の「ブログ内検索」などを用いて、過去の記録を遡っていただければと思う。
加えて、定期的に過去記事のタイトル一覧も作っている。
これは、自分でも過去をまとめて反芻するのに役立っているのだが、ともあれ、タイトルから文章を察することができるようつとめているので、何かお探しの折には、こちらを使っていただくのも有効だろう。
というか、せっかく作っているので、ぜひ使用してもらえればと思う。
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