24日は、モンスーンの時期と「超高潮」のタイミングが重なって、洪水になる可能性が予測されていたムンバイ。しかしながら、当日のムンバイは比較的穏やかな気候だったようで、問題なかったようだ。
一方、福岡。豪雨に見舞われ、死者がでる被害だったとのニュース。
自動車で移動中だった妹夫婦も、大渋滞に巻き込まれ、自宅の周辺もかなりの雨水が押し寄せたようで、たいへんだったようだ。母の住まいから見下ろす多々良川もまた、今にも氾濫する勢いだったらしく、それはそれはたいへんだったらしい。
そんな最中、このバンガロールの気候の穏やかなこと。金曜も、土曜も、日中はほとんど外出もせず、映画を見たり、本を読んだり、文章を書いたりと、いつものように、気ままに過ごす。
出かけたいところもあったのだが、わたしは本来「出不精」なので、家にいるのが一番とばかり、夫ともども、家で過ごしたのだった。
さて、本日土曜の夜は、義姉スジャータ&義兄ラグヴァンに誘われていたので、THE WINDSOR (ITC HOTEL) へと赴く。バンガロールでは、THE TAJ WEST ENDに次いで、このホテルの雰囲気を、わたしはとても気に入っている。
義姉夫妻もまた、昔からよく足を運んでいて、しばしば夕食に訪れているようだ。ここのダイニング(THE RAI PAVILION) は、折に触れてフード・フェアをやっている。
今回はカシミール料理のフェアが行われているから一緒に行こうと誘われたのだった。料理はアラカルトもあるが、わたしたちは目的通り、カシミール料理&コンチネンタル料理のブッフェを試すことにした。
カシミール料理は、これまで食べたことがあるそれとは異なり、正直なところ「地味」だったのだが、しかしわたしにとってはとてもうれしい食材が使われていた。
右下の写真がそれ。左側はレンコンとダイコンの煮物。あっさりとした味付けで、非常に口に合った。インドではレンコンもダイコンも、どちらも小振り。しかも両方とも、あまり市場には出回っておらず、ローカルの市場などで入手できる程度である。
それから気に入ったのがこの青菜。ホウレンソウかと思いきや、食べてみれば、なにやら懐かしい味がする。小松菜の煮浸しだ。
独特の風味がおいしくて、他にも派手な料理があるというのに、この地味系な野菜をおかわりする。
と、隣のテーブルの夫婦が立ち上がってこちらに来て、挨拶をしてくれる。なんと奥方が、このカシミール料理の「シェフ」らしい。
シェフ自ら、お食事の最中であった。
左下の写真がそれである。ちなみにスジャータ(右端)が本日着用している美しいブルーとイエローのサリーは、義母の形見だとか。
料理好きのスジャータ、彼女としばし言葉を交わす。わたしもまた、この青菜のことを確認した。これは地元から運んで来たものらしく、この界隈では入手できないものらしい。
カシミールの言葉でHAAKと呼ばれる野菜とのこと。調べてみたところ、コールラビと呼ばれるカブの仲間のようである。
小松菜もコールラビもアブラナ科ということで味が似ているのかもしれない。バンガロールのラッセルマーケットや、ムンバイのクロフォードマーケットなど、地元の大きな市場に行けば、手に入るのではないだろうか。
ときどき食卓に上げたい青菜であった。
木曜日に行ったチャリティ・ティーパーティにおけるスパイス講座の資料作りのために、今回、改めてスパイスやインド料理に必要な食材についてを調べ、学んだ。そのことで、わたし自身もインド料理の魅力を再認識した。
金曜の夜は、木曜の夜に酔っぱらいながら捌いた鶏肉の残りを使って、ベーシックなチキンカレーを作ったのだった。
●素材:鶏肉、タマネギ、トマト、ショウガ、ニンニク、ヨーグルト
●スパイス:コリアンダー、ターメリック、キュミン(それぞれパウダー)
これだけの素材で、しかも時間をかけることなく、実においしいチキンカレーができ上がる。
辛みが欲しい人はレッドチリやカイエンパウダーなどを加えればよい。
インドの家庭料理は、日本のカレーのように、「タマネギを飴色になるまでじっくりと弱火で炒める」とか、「**を入れて何時間も煮込む」などといった、粘着的な調理法で作られるわけではない。
タマネギは、軽く色づく程度に炒めればいいし、鶏肉を入れた後も、火が通りさえすれば、しつこく煮込む必要もない。
鍋に火を入れてから30分程度で、あっさりとマイルドな、しかし風味豊かな料理ができるのだ。もっと新しいレシピを見ながら、「坂田マルハン家オリジナル」のインド家庭料理を作り上げていきたいものだ。