日曜の朝、近所のスーパーマーケット、NATURE'S BASKETへ買い物へゆく。普段は暴走タクシーや暴走2階建てバスが行き交うデインジャラスな通りも、日曜日の朝は別世界。静かだ。
学校から支給された用紙を携えて、疾病予防基金のための募金活動をしているようである。
用紙には、学校と担任の名前がある。
ほとんどがマラティ語なので読めないが、ともあれ、わずかだが募金を彼らに託した。リストにわたしの名も書いてもらった。簡単な英語を話し、アルファベットを書ける子もいるのだ。
なにしろ人口の50%がスラム在住のムンバイである。スラムの中でもライフスタイルに程度の差がある。学校に行ける子、学校に行けない子、さまざまだ。スラム内の子らの就学率が何割なのか、知る術もない。
それにしても、毎度思うことではあるが、貧しき子どもらの、元気に満ちあふれた笑顔の輝かしいことといったら。
どうしてこんなにも、笑顔がきれいなのだろう。
白く美しい歯を見せて笑っている。
絶望的なほどに貧しい人々が多いこの国、この地。
学校に行けないばかりか、児童就労に駆り出される子らも多い。
それも、過酷な労働の。命をいつ落としてもおかしくないような環境の。
貧しくても、笑っていられるだけ、学校にいけるだけ、いいのだ、この子らは。
と、低い低い次元において、彼らはまだ、ましなのだと「納得」せねばならない現状。
ムンバイのアパートメントビルディングには、こうした各種行商が毎朝やってくるのだ。
わたしは、自分で歩いて買い物に行きたいので出かけているが、多くの家は行商でまかなっていたりもする。
電話で配達を頼むところもある。
いずれにせよ、それは「使用人の仕事」である。
わたしのように、自分で玄関先に出るマダムはいない。
今日は、チックーChikkuという果実を買った。秤に載っている芋のようなものがそれだ。ジュースバーなどにいくと、このチックーのジュースが売られている。とろりと甘い。日本の柿を思わせる味がする。
さて、日曜ではあるが、午後からは仕事のため、北ムンバイのハイアット・リージェンシーへ向かう。日本からの視察団のディスカッションに参加するのが目的だ。
インドについては、語り始めるときりがない。話が芋づる式につながっていく。さほど難しくないテーマであったとしても、限られた時間のなかで要点をまとめ、質問に答えていくことは簡単ではない。
なにしろインドは、日本とは何もかもが違いすぎる。例を挙げて説明するのが理解されやすい方法だが、該当するような例がないケースが大半だ。だから背景を事細かに説明する必要がある。さもなくば、核心を理解してもらえない。
それはそうと、今日はインド在住者の「雰囲気づくり」のためサリーを着用して行った。サリーを着て歩くときには、背筋が伸びる。普段から伸びているほうだが、よりいっそう。
仕事を終え、ホテルのバンケットルームを通過するとき、盛大な結婚式に遭遇した。フロアには、着飾った招待客らが料理の周辺に集まって、立食の最中だ。サリー姿のわたしは違和感なく、ゲストに溶け込みそうであった。
左上はその、熱気満ちあふれるゲストの立食風景。そして右上は、きらびやかながらも、がらんとしたバンケットの光景。新郎は舞台上に、新婦は会場の左側にいて、これから宗教儀礼が行われるようである。
いや、もうすでに始まっているのかもしれない。
インドの場合、結婚の儀式は当事者と両親、身近な肉親が「参加」して見守る程度で、来賓たちは自分たちの食事やおしゃべりに忙しい、というケースが一般的である。実に不思議な、結婚式の光景なのだ。
ともあれ、このホテルも結婚式。食事のために移動した隣接するホテルITCでも結婚式。帰路のイヴェント会場でも、結婚式。実に賑やかな週末であった。
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