たかだか5年程度しか住んでいない立場で「今年のバンガロールは……」などと語るのもなんだが、敢えて語れば、雨が多い! もっとも、去年と一昨年は主にムンバイ在住だったので、よくわからんが。
四六時中降っているわけではないが、今日は昼過ぎから降り出し、一旦止んで、また日が暮れて降り始めた。
そういえば、5年前、わたしたちが移住する直前のこの時期、激しい雨が続いていたと聞いた。高原の気候とは、こういうものなのだろうか。まあ、恵みの雨ということで、感謝すべきではあろう。
しかし、クローゼットの中が「湿気っぽくなる」のが難。天気のいい日には開け放ちている。
さて、こちら本家のブログはこのごろ更新が怠りがち。キレイなブログは日課のように記しているのだが。あちらの方が、感情移入が少なく客観的情報が多い分、執筆のスピードがより早くてすむせいかもしれない。
ところで「毎度お騒がせ」なドライヴァー事情であるが、現在、つつがなさすぎるにもほどがあるというくらい、安泰な日々で、むしろ怖い。しばらくはこの平和を、満喫させていただきたい次第だ。
その一方で、バンガロールの道路交通事情は劣悪化の一途をたどっている。このまま、急激すぎるほどに増加する四輪自動車、二輪自動車(バイク)。特にバイクの無法っぷりは、猛烈だ。
先だって、踏切周辺の三叉路で激烈な渋滞に巻き込まれたが、その原因の一つは、渋滞に耐えかねたバイクが対向車線から逆走し、そこでまた団子状態になっているという事態である。
ドライヴァーは「この道を選んですみません」と謝っていたが、もちろん彼のせいではない。
しかし、単にバイクに乗る人々を責めることもできない。この踏切を通過する彼らの多くは、市街東部郊外、ホワイトフィールドに至る主要道路周辺に、次々に誕生するビジネス複合施設で働いている。
BPO(ビジネスのアウトソーシング)、コールセンターなど、バンガロールのビジネスの繁栄を支えている原動力のひとつは、彼らのように月給5万円前後で外資系企業などに働く新中流層の若者たちだ。
オフィスへの送迎バスを用意しているカンパニーも少なくないが、その送迎バスこそが、恐ろしき暴走バス。
どんな渋滞時でも時間通りに社員たちを運ばねばならぬことから、救急車さながら、ホーンを鳴らし続け、車間を縫いながら走るのである。
このようなスリリングな通勤を毎日行っているのかと思うと、言葉を失う。まあ、東京の通勤電車の過酷さもまた、格別ではあるが……。
昨日、母を連れてホワイトフィールドにあるアーユルヴェーダグラムを訪れた。往復路がちょうどラッシュアワーだったため、たいへんな渋滞に巻き込まれた。車内にいてさえ、窓を閉め切っていても、排気が流れ込んでくる。
バイクで通勤している人たちの、呼吸器系、皮膚疾患が懸念されるほどだ。先日の新聞には、最近、腰痛を抱える若者が多いとの記事もあった。
道路に凹凸が多く、車に乗っていてさえ腰を痛めそうな勢いのバンガロール。バイクは衝撃がより激しいことから、深刻な腰痛を招く原因になっているらしい。
道路の不足。信号機の不足。交通整理をするポリスの不足。交通マナーの欠如……。なにもかもが足りない一方で、ひたすらに増え続ける各種自動車。
自分自身もまた自動車なしでは生きていけない立場にあっては、「何をか言わんや」ではあるが、しかし、敢えて現状を、折に触れて記録しておきたく。
さて、昨日。母を連れてアーユルヴェーダグラムへと赴いた。昨年末、夫と二人で1週間滞在した、あのアーユルヴェーダ診療施設である。
あのときに出会ったドクター、マンモハン先生の知識と人柄に心を打たれ、彼に母のライフスタイルや健康管理についてのアドヴァイスを受けておきたいと思ったのだ。
先だって訪れたコロンビア・エイジア・ホスピタルでの健康診断の結果や、食べ過ぎによる便秘による救急車搬送騒ぎでの診断結果、MRIの結果などを携えて。
彼はそれらの結果を入念にチェックした結果、摂取すべき薬(西洋医学由来)のアドヴァイスをくれ、またあれこれとためになる話をしてくれた。
その一部は、「キレイなブログ」にレポートしているので、ぜひご覧いただければと思う。
■母も一日体験@アーユルヴェーダグラム(←Click!)
今回、2カ月ほど母と暮らしていて、自分がいかに「日本的なライフスタイル」から離れてしまったか、また食生活に対する考え方、物事の価値観などが、独自のものに移行していったかを、実感した。
その善し悪しはさておき、その思いを裏付ける出来事が、きっと1年半ぶりの日本訪問によって起こることであろう。それらの変化をまっすぐに受け止めたいと、今回は旅の前から、そう思う。
ところで先だってから、先延ばしになっていた「バンガロール、緊急時の教訓」について。忘れぬうちに、いくつかを書き留めておきたい。
■緊急時に救急車「108」を使うなかれ
夜、母を救急車で運ばねばならない、とわかったとき、脳裏にひらめいたのは「108」だった。それは、日本の110や119、あるいは米国の911と同じくらいに、信頼性のおける番号だと思っていた。
もっとも、ここはインド。突き詰めて考えれば信頼性もなにもあったものではないのだが、ともあれ、超緊急、というわけではなかったこともあり、あまり深くは考えなかった。
108という番号を、どこで知ったか覚えていない。ただ「煩悩の数だな」と思っていたので、記憶に刻まれた。これが州政府が数年前に始めた救急サーヴィスであることは、あの日の記録にも記した通り。
無料のサーヴィスであるが、それは同時に「いい加減なサーヴィス」であることは、あの日の記事に克明に記しているのでここでは割愛する。
では、どこに電話をすればいいのか。
バンガロールの大手病院には、専用の救急車があり、専用の番号がある。最寄りの信頼できそうな病院の救急番号を家の目立つところに貼っておくといいだろう。
また、プライヴェートの救急車サーヴィスもある。こちらは有料だが、多分108よりはましに違いない。ただ、使ったことがないので、状況はさっぱりわからない。
■かかりつけのドクターを作るべし
義姉スジャータとその夫、ラグヴァンに、この「緊急時の対応」について相談したところ、一番確実なのは、「主治医に電話をすること」だという。
インドでは、ドクターはたいてい、携帯電話の番号を患者に教える。歯科医や皮膚科医でもそうだ。従っては、通常の「かかりつけのドクター」を決めておき、何か問題が起こったら、ドクターに電話をする。
ドクターが、最寄りの病院から救急車を手配してくれることもあるし、行くべき病院を指示してくれることもある。ストレッチャーなどが必要ない場合は、自分の車で病院まで運ぶ方が早いこともあるだろう。
■最寄りの救急病院を把握し、連絡先をメモ
いずれにしても、大切なのは、「どこへいくべきか」を把握しておくこと。イエローページやディレクトリなどは、すぐに目に留まるところに置いておく方がいいだろう。
実は、わたしが普段使っているOWCの生活ガイド。これが、緊急時に見つからなかった。緊急時とは、物を探す余裕がない。だからこそ、大切な連絡先は、コピーなどをとってどこかに貼っておくのがいいだろう。
ちなみにバンガロールにおける、緊急時に比較的便利な病院は下記の通り。あくまでも、参考までに。病院の対応が悪かったからといって、責任は持てませんので、念のため。
COLUMBIA ASIA HOSPITAL
MALLYA HOSPITAL
MANIPAL HOSPITAL
WOCKHARDT HOSPITAL
大切なのは、ICUなどで応急処置をしてもらったあとの、その後の検査や治療など。ドクターによって意見が異なることが多々あり、無駄な検査を勧められることもある。
命に別状がない状態であれば、その後の検査や入院については、やはり主治医を頼るか、あるいは他の医療従事者の意見を仰ぎ、別の専門病院に移送するなどの手続きをとる方がいいだろう。
■救急時の必携品など。慌てずに、しかし素早く準備
救急車で運ばれる事態になると、当然ながら慌てる。特に夕飯の準備をしていたわたしは、病院へ行った後、「ガスの火、とめたっけ?」と気になった。
慌てているときは、無意識での行動が増えるため、ひとつひとつを意識しながら確認する必要がある。
以前、ニューヨークで火事を経験したときは、「火災の際は、歩きやすい靴を!」との警告が頭にあったので、ともかくスニーカーに履き替えたが、そのように、一度頭に刻み込んでおくと、いざというとき閃いて役立つ。
そんなわけで、今回、すぐ取り出し、持参できるようにしておきたいものだと思ったものリストを挙げると……。
・メディカルレポート(健康診断レポート)
・電子辞書(医学用語事典など)
・1日分の着替え
・タオルやリネン類(インドのそれらは、何かと汚い)
・携帯電話&充電器(こういうときに限って、バッテリーが切れかけている)
・ビスケットなどの非常食(インドにコンビニはないので)
・ジャケットやストールなど
といったところか。ともあれ、このような事態に直面しないための心がけ、というのが一番大切なような気がする。
今回、母と暮らすことによって、大小の不測の事態が発生した。そこには、その事態が引き起こされる原因があり、回避できたはずのことが、あった。
人は一人で暮らしていると、ついつい自分のペースで生きていく。人からの干渉を受けずに生きられるという意味では楽かもしれないが、干渉はまた「必要なこと」でもあるということを感じた。
気ままに生きる、楽に生きるということは、悪く言えば努力をしなくなるということである。自律の心を失する。自分に甘くなる。こともある。
楽しいだけならいいけれど、人生、そう甘くはない。
自分で気づかないうちに怠る注意や努力。
知らず知らずのうちに招いている危険。
大人数で暮らしていれば、誰かが突っ込みをいれるところだろうが、ひとりだと、そうはいかない。それはわずか二人暮らしのわたしたちにも言えること。
自分のやり方が「絶対だ」と思うところから、起こる間違いもある。絶対などない。改善の余地はある。改善すべきかも知れない。
折に触れて、自分のライフスタイルを見直し、疑問を投げかけることも、時には必要に思う。極めて漠然とした内容だが、取り敢えず、記しておく。
こちらは毎日、更新しています……。
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