こちらのブログでは、久々の、レストランの話題。先週末、夫と訪れたパルシー料理の店、Daddy's Deliだ。インディラナガールにある、いきつけのアーユルヴェーダ診療所の向かいにオープンしていたこの店。
気になっていながらも、なかなか訪れる機会がなかった。
パルシーとは、現在のイランを起源とするゾロアスター教徒(拝火教徒)のこと。少数派ながら、経済都市ムンバイで強い存在感を放っている。タタやゴドレージ財閥もパルシーの一族だ。
1階はホームメイドのアイスクリームショップとカフェが並んでおり、2階がレストランになっている。住所などは左上の写真でわかるので、知りたい方は拡大して確認を。
店内は、アットホームな雰囲気。というのも、住宅を改装して作られているので、まさに「ご家庭」のムードが漂っている。
メニューはヴェジタリアン、ノンヴェジタリアンともに豊富に揃っているが、まずはパルシー料理で最も定番ともいえるダンサク (Dhansak)のマトン入りを。これにはライスがたっぷりとついてくる。
もう一皿は、店の人の勧めに従い、鶏肉のカレー、サイル・ムルギ (Sail Murghi)を頼んだ。
野菜料理も頼みたかったが、2人では食べきれそうもなかったので、今日のところは「おためし」でこの2皿である。
ダンサクはムンバイで2度ほど食べたが、この店のが一番であった。
日本のカレーによく似ているが、ルーはダル(豆)や野菜のペーストで作られている。
かなりピリッと辛いため、辛みが苦手な夫曰く、
「僕には辛すぎる」
とのこと。彼はサイル・ムルギが気に入ったようだ。
上に載っているのは、麺状にスライスしたポテトを揚げたもの。
「この料理、日本のカレーみたいだよね」
と食べている間に少なくとも5回はつぶやきながら、夫。
日本人の口に合うかどうか、責任は持てんが、ヴァラエティ豊かなインド料理の一つとして、試しに食べてみるにはいいかと思われる。
食後は、アイスクリームを注文。あれこれあるが、ここはせっかくなのでインドらしくクルフィを。濃厚ミルキーのような味わいが癖になるクルフィ。
これも、かなり美味であった。
クルフィは、ムンバイのパルシー・デイリーのものが一番のお気に入りだったが、これもなかなかにいける。この店は、今後もしばしば利用することになりそうだ。
ところで、以下、パルシーに関する過去の記事から、いくつかをピックアップしてみた。ざっと写真を眺めるだけでも、ムンバイのライフは濃密で、発見に満ちあふれていることを痛感する。
一つの料理からも、さまざまな記憶が蘇り、新たな好奇心がかきたてられる。
インドは本当に、尽きない。
【パルシー関連の記録の一部】
■[Mumbai] ハリの息子/ 秋葉原/ CROCS/ パルシー料理 (2008/09/25)
■[Mumbai] 快適ソーシャル・クラブ。パルシー料理に再挑戦。(2010/02/24)
■[Mumbai] ムンバイの街を巡る。食べる。飲む。語る。買う。 (2009/01/14)
■紅いパルシー刺繍のサリーに身を包み、パーティへ (2010/06/12)
■手工芸の極み。黒いパルシー刺繍の優雅なサリー。(2009/12/13)
さて、こちらは本日のランチ。数年前にオープンしたCAPERBERRY。以前、紹介したことがあるかと思う。
バンガロール在住日本人女性からなる「さくら会」のランチが開催された。そのパーティのための、特別のコースメニューである。
オレンジの風味が爽やかなチキンサラダに始まり、トマトベースのシーフードスープ、魚料理、そしてデザートと続く。
サラダのチキンが非常に柔らかくしっとりジューシーで、風味もよく、おいしかった。ウエイターに調理方法を知りたいと尋ねたところ、キッチンからシェフを呼んでくれた。
インドのレストランは、気軽にシェフがテーブルを回って、あれこれと説明してくれるのがいい。
このチキンは、フランスから取り寄せた機械で下ごしらえをしているという。チキンの胸肉を真空パックに入れた後、摂氏63度に保った湯に入れて45分間、湯煎するのだとか。
どんな肉でも、おいしく仕上がるという。
そんな製法があったのか。先ほど調べてみたところ、「真空調理法」と言うらしい。知らなかった。
機械の入手は困難なので、自分でそれらしく、作ってみようかとも思う。
現在会員は、120名を超えているという。
もっともランチ出席者は半数ほどだったと見受けられるが、それにしても、5年前に比すればかなりの人数だ。
毎回毎回、去り行く人、来たばかりの人を眺めながら、はや5年。
「インドに来る前から、ブログを読んでいました」
と言う方が、
「日本に帰ってからも、読みますね」
と行って、去ってゆく。言うまでもなく、すっかり古株となってしまった我。
今日はまた、このブログを読んで、家族揃っての赴任を決意されたとの方にもお声をかけられた。インドでの強烈かつスリリングな日々を、楽しんでいただきたいものである。
【バンガロール在住の方へのおしらせ】
今年に入っては、小人数の集いを一度開催した限りのチャリティ・ティーパーティ。講座にご興味のある方が少なからずいらっしゃるようなので、来週の金曜日に催すことにしました。
主には新しい方を対象にしての、『スパイス&インド料理講座』にするつもりですが、すでに受講された方でも、もちろん出席歓迎です。
バンガロールの慈善団体に関する説明や、講座とは別の「インド生活に役立つ情報」も、わかる限りにおいて、惜しみなく提供しています。
6月17日金曜日午後2時より、参加希望の方がいらっしゃれば、坂田まで([email protected])メールを。なお、お子様の学校のお迎えがあって、午後の出席が難しい方のために、午前中の会も考えています。
4〜5名以上集まれば、随時開催しますので、ご連絡をいただければと思います。