夕べ、というか、今朝はひどい目にあった。夫は早朝便でムンバイ出張。わたしはFM熊本の収録日なので、朝は5時45分に目覚ましをセットして眠りについた。
ところが。午前3時半ごろ、「ぷぅぅぅぅ〜〜〜〜ん」という、蚊の飛来する音で目が覚めた。いつもはハーブの殺虫スプレーを噴射しているので、被害に遭うことはないのだが、夕べは違った。
スプレーをしなおしても、インド版ベープをセットしても、いっこう、失せる様子はない。結局、寝付いたかと思えば起こされ、寝付いたかと思えば起こされを繰り返して、朝になってしまった。
このごろの蚊は、殺虫成分への抗体を持つものが年々増えているが、あの蚊は格別だった。あんな蚊が巷にあふれた日には、蚊帳をつけるしかあるまいな。
ラジオはともかく、つつがなく収録を終えたものの、マイハニーはといえば、午前8時半出発のフライトが3時間以上も遅れて、空港で足止めを食っていた。
デリーの濃霧が原因で、各種フライトが遅れている上、ここ数週間前から取沙汰されているキングフィッシャー航空の経営不振が影響し、インドの空が乱れている。
キングフィッシャーについても書きたいことがあれこれあるのだが、今日のところは、写真の話題を。
市内のホテル、LEELA PALACEにて、ファミリーフレンドの結婚披露宴が行われた。
インドの結婚式は、派手に参席してなんぼ、である。
まったくもって日本とはかけ離れているということは、2月に行われたあの一大結婚式を思い出していただければおわかりであろう。
わたしも赤のパルーシー刺繍のサリーで出かけたのだった。
ちなみにインドの結婚式で、基本的に白はタブー。なぜなら白は、「未亡人の着るサリー」の色だからだ。そのあたりさえ気をつけていれば、あとは華やかであれば、よい。
インドでの結婚式と言えば、オレンジや黄色やピンクなど、暖色系の花々がカラフルな場合が大半だが、ここは「モダンな感じ」でブルー。
しかし、ブルーはモダンだが、写真に撮ると、なんだか薄ら寒い感じがして、今ひとつだ。などと人様の結婚式にあれこれと口出ししている場合ではないか。
う〜ん。でもやっぱり、なんだか寒々しいのである。おしゃれなお化け屋敷の入り口のようでもある。ずいぶんと失礼な発言である。
すでにデリー郊外で大規模な結婚式が行われたあとの、バンガロールでの披露宴。家族や親戚、ゲストの多くが欧米在住であることから、結婚式もインドにしてはシンプルだ。
会場の一隅ではバンドが始終演奏をしているのだが、インドの音楽は皆無。欧米のミュージシャンの耳慣れたメロディーが流れ続けている。
インド的な儀式は、すでにデリーで終えてきたようで、ここでは西洋的に「ケーキカット」である。ケーキのデザインはなにやら「微妙」だが、参列者の若い女性たちのファッションはすてき。
インドの結婚式で楽しいのは、女性たちのサリーやドレス姿を眺められること。さすがにあちこちで写真を撮影するのは憚られたが、「すてき!」と思える着こなしに出合えた。
束ねた白髪に、オレンジ色の花が麗しい。米国の名門大で教鞭をとる教授夫妻。新郎の叔父だという彼が、式の途中でスピーチをし、親類縁者をステージにあげて紹介したのも、非常に「インド的ではなく」、妙な感じだった。
別のファミリーフレンドとも再会して、記念撮影など。そうそう、インドの結婚式で大切なのはお料理。このごろは、いい加減、インド料理を食べる機会が多いので、減らしたいのだが、ここの料理は美味であった。
特にケララ風マトンのホワイトシチューとアッパムの組み合わせ。これ、このごろのわたしのお気に入りと化している。
そんなわけで、現在インドは結婚式のシーズン。親類縁者が少ない我々は、結婚式に招かれることをさほど多くない。たまに訪れるのは、いいものである。
金曜の夜は、またしてもThe BFlat Barへ。スコットランドからのバンドが訪れていて、ゲストもBEC (Bangalore Expats Club)関係の人が多く。この夜もまた、無国籍なムード漂っていた。
が、バーで人気の料理は、インド料理。これがなかなかにおいしいのよ。というわけで、夫はライヴが始まる前に、腹ごしらえをしておこうと張り切って注文するのである。
フラッシュをたくと、ちっともおいしそうに見えないが、たかないと、真っ暗闇なので。
ああ。かえすがえすも、このごろはインド料理を食べ過ぎている。なんか、多くの人から勘違いをされているが、わたしは特段、インド料理の「外食」は好きではないのだ。
インドに来て以来、「よほど必要に迫られない限り」は、むしろ避けてきたともいえる。
そのため、ホームページにレストラン情報を載せるにあたり、インド料理の情報が薄かったことから「こりゃいかん」と一念発起し、「ローカルフード探検隊」を結成。
自分のモチベーションをあげながら、インド料理外食に向き合っているのである。
インド外食は、油脂が多く、スパイスが強く、胃に重いものが少なくない。食べ続けると軽く太れることも避けている理由だ。
が、このごろは、インド外食に味覚が慣れてきている気がする。味覚がスパイスに対して鋭くなってきた気もする。やはり、経験か。
そして明後日からは、インド料理三昧の日々約10日間が始まるのである。
ふふふ。
いろんな意味で、どうなることやら。