LOVE NEVER FAILS。午後9時近くになってもなお明るい、青い空の美しさ。雲の動きが早くて、陰影がめまぐるしく移り変わる。
今日はホテルの界隈をふらふらと散策。ここ数日、外食疲れがピークに達していたので、ランチは日本料理店へ。刺身定食と銀ダラの西京焼定食を注文。久々に日本米と味噌汁で、胃がほっとする。
ロンドンでは欠かさず訪れる場所。ハロッズのフードマーケット。1995年に初めて訪れたときには、日本の「デパ地下」とは異なる、まばゆすぎない、落ち着いた雰囲気にとても心を動かされたものだ。当時に比べると、ずいぶん洗練された雰囲気になったが、しかし、その重厚感あるインテリアと品揃えが、毎度、目にも楽しい。
先日バルサミコ酢のことを記したが、「ヴィンテージ風」なバルサミコ酢を発見。BALSAMIC GRAN RISERVA 100。1本250ポンド、数万円。恭しい。どうすりゃいいのという感じ。味見をしてみたい。
ちょっと恥ずかしいな……と思いつつも、館内の随所に立っているくまさんたちとのツーショットセルフィーをやめられない。頼り甲斐のある大きさがたまらない。
ホテルから徒歩数分の場所に、ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)とロンドン自然史博物館とが並んで立っている。特別展以外は、どちらも入場料をとらず(寄付金は募られている)、ふらりと気軽に立ち寄ることができるのが魅力。V&Aは毎年訪れているお気に入りのミュージアム。アイルランド帰りということもあり、ケルトの十字架などが目に留まる。
じっくり館内を見て回るでもなく、続いてロンドン自然史博物館へ。こちらは初めて訪れる。ニューヨークのアッパーウエストサイドにあるアメリカ自然史博物館は好きな場所のひとつで、過去何度も足を運んだ。
ちなみに数年前、ニューヨークのアメリカ自然史博物館を借り切って、夫の近い親戚の結婚式イヴェントの「ひとつ」が実施された。わたしも招待されていたが、「ミューズ・チャリティバザール」と同時期だったために断念。夫がひとりで赴いた。入ってすぐの恐竜の骨格標本があるホールでカクテルパーティが開かれ、クジラの標本が宙に浮かぶホールでミュージックイヴェントが開催されたという。インド富裕層の結婚式は、何かとすさまじい。経験しておきたかった。
翻ってロンドン自然史博物館。今日は土曜日ということもあり、家族連れでごった返していた。ホールでは巨大なシロナガスクジラの標本に出迎えられる。本日のハイライトは、ジュラシックパークを彷彿とさせる「動く恐竜」。かなりリアルで、ちょっと怖く、しかし見入らずにはいられなかった。
自然史博物館といえば、1994年に欧州を3カ月、列車で放浪した際に立ち寄った、ウィーンの自然史博物館が忘れ難い。対になって立っている「ウィーン美術史美術館」と「ウィーン自然史博物館」。美術史美術館に入るつもりが、間違って自然史博物館に行ってしまった。間違って入場した割に、その展示の迫力に圧倒されて、夢中で館内を歩いたことを思い出す。とてつもなく広い館内に、恐竜やクジラなど巨大なものから小鳥などの小さな生き物にいたるまでの骨格標本、そして動物園さながらに、あらゆる動物の剥製やらが、「これでもか!」というくらい展示されているのだ。
地球上に生きとし生けるものを遍く目にするならば、「ウィーン自然史博物館」は世界でも最も適した場所といえるだろう。結局、そこを巡って疲労困憊したため、美術史美術館に辿り着けなかった。
自然史博物館の庭に展示されている「恐竜よりも古い木」。とてつもなく、古い。
さて、旅も明日が最終日。夫はクリケットのワールドカップ観戦。妻はひとりでのんびりと過ごす予定だ。明後日にはわたしが一足先に帰国。夫は複数のミーティングがあるので、数日間、長く滞在する。
わたしは完全なホリデーであるが、アイルランド以外は、夫は仕事のミーティングが多々あった。結構、お疲れのはずである。妻は小さなことでいちいち文句など言わずに、夫をサポートせねばなと、去り際になって、少しやさしい気持ちになったりする。我ながら、いくつになっても未熟者である。少し反省。