過去十年以上に亘りお世話になっている、アーユルヴェーダの名医、ドクター・マンモハンの言葉だ。
「医者は薬などで一時的には病気の苦痛を取り除いてくれるが、その結果、人はかえって病気の原因(不摂生や油断)を戒めることを忘れる。よい薬、よい医者によって、肉体的苦痛を簡単に一時的に治してもらって健康になったと思うことの繰り返しで、人は何を失うのか。それは自分の肉体に対する精神の支配力であり、その結果、不摂生が助長される。人の心は弱くなり、自制心をなくし、真の意味で体を大切にすることを忘れてしまうのである。」
これはマハトマ・ガンディの言葉。なんという含蓄!
「年齢は関係ない」というのは、あくまでも精神的なこと。身体は確実に、歳月を重ねる分、老化する。若いころのような無茶はできないし、回復力も落ちる。「病は気から」では片付けられないこともある。だからこそ、自分の身体の「声」に耳を澄まし、慈しみつつ暮らさねばと思う。
……だからって、そう理想的にはいかないものだ。
たまにはジャンクフードも食べたいし、毎日のようにワインやビールは飲んでるし、そこそこ自由だ。
54歳の誕生日を迎えた昨日の朝。左半身の腰周辺に、いくつかの発疹を見つけた。最初は痒いだけだったので、虫刺されかと思っていたが、徐々にチクチクとしはじめ、範囲が広がっていく。ごくわずか、水疱も見られる。そしてごくわずか、微熱もある。
これはひょっとして……とネットで調べてみるに、軽症の帯状疱疹のようだ。帯状疱疹(ヘルペス)という疾患名は知っていたが、その原因などをよく知らなかった。読んでみるに驚いたのは、子供のころに罹患した水疱瘡のウイルスが原因だということだ。
何十年も体内に潜伏していたウイルスが、加齢やストレス、過労などが引き金となり、免疫力が落ちた時に活動を開始、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症するのだとか。発症年齢も60歳代を中心に、50〜70代に多く見られるらしい。
しかも、一般に身体の左右どちらか一方だけ、に現れるとのこと。
わたしは、40代でインドに移住し、アーユルヴェーダの療法やライフスタイルによって、かなり健康体になったが、それ以前は、特に身体が強い方ではなかった。
中高時代のバスケットボールで悪化させた腰痛は、30代後半には座骨神経痛(左半身)を伴って、頻繁にぎっくり腰になっていたし、少し無理をすると声が出なくなったり、冬場は喘息のような咳にさいなまれることもあった。加えて、睡眠不足が続くと、たちまち集中力が落ちて作業効率が悪くなる。
諸々問題があるからこそ、意識的に健康を重視してきた。ホルモンバランスが崩れる更年期の現在は、多分、より配慮せねばならないのだろう。
今回の帯状疱疹(多分)には心当たりがあった。ここ10日あまり、早朝6時半から始まる隣地の工事の音で目覚めることから、毎晩11時には就寝しようとしていたのだが、なんだかんだで遅くなる日が続いた。夫の出張で早朝5時起きなどもあり、すっきりしない日が続いていたのだ。
幸い、この誕生日の週末は予定をいれず「余白」にしておいたので、昨日は昼寝をしたり、読書をしたり、だらだらと過ごしたので、頭はずいぶんすっきりし、熱も下がった。
そのまま夜までだらだらと過ごしたいところだったが、せっかくの誕生日につき、夫が予約しておいてくれた、毎度おなじみYataiiで晩餐。「日本食が一番!」と、ここ数年は言い続ける夫。フレンチ、イタリアン、ましてや外食のインド料理は、彼の胃に重い。なんだかんだで、彼も加齢度が増している。
スパークリングワインでも開けたいところだが、不調時のアルコールは禁物。というわけで、アルコールなしのカクテル「モクテル」で軽やかに乾杯。
すっかり常連の我々は、テーブルにバラの花びら鏤められ、夫の誕生日に引き続き、ケーキに花束をいただく。
自宅は今、いただいた花でいっぱいだ。中でもYataiiの花束は「これでもか!」というくらいのぎっしりみっしりどっしりにつき、一つの花瓶には納まりきれない。ゆえに分割。
すでにアレンジメントされている夫からの花はOHANAというリーラ・パレスにある店からのもの。ヴィタミンカラーも鮮やかに、元気がでる華やかさ。
「これ、オンラインで見て、選んでくれたの?」と問えば、
「ノー。電話。誕生日の花束をお願いしますと頼んだだけ。あと、予算」
丸投げかよ!
それで、こんないい感じのアレンジメントを作ってくれるとは。さすがバンガロールの老舗フラワーショップ。安定感がある。
そんなこんなで、今朝はマッサージに来てもらい(UrbanClapのサーヴィスは本当にお勧め)、リラックスする日曜の午後。今週金曜日は、ミューズ・チャリティバザールにつき。明日は念のため皮膚科へ赴き、体調を整えてのぞみたい。