島の人々曰く、「稀に見る人出の多さ」だというここ数日。日本は10月22日の天皇即位に伴って、4連休を取る人がいるのに加え、外国人客が極めて多い。ベネッセハウスも大半が外国人客で、ふとした瞬間、自分がどこを旅しているのか、わからなくなってしまうほどだ。
さて、今日もまた、綴っておきたいことがあまりにもたくさんありすぎて、とめどない。ゆえに写真だけでも残しておく。
特筆すべきは、今回、夫の熱意によって、そもそもは満室だったベネッセハウスに3連泊できたのは、極めて幸運だったということ。このホテルはアートそのもの。安藤忠雄の建築に関心のない人でも、多分、浸れる。願わくば、あと1泊したかった。そう思えるほどの、有意義だった。いつかまた、オフシーズンの静かな時期に、もう一度、訪れたいとも思う。
今回、観光客が多かったことで、あらかじめの予約が必要な、入場制限のあるミュージアムを訪れることが困難だったこと、便数の少ない船やバスなどの乗り継ぎ時間を気にせねばならず、決してフレキシブルに動けたとは言い難い。
「瀬戸内国際芸術祭」は、3年に1度、瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に開催される現代アートの祭典。できることなら長期滞在し、ゆっくりとあちこちの島を訪れたいところだが、なにしろ3泊しかない。今日は、ベネッセがプロデュースする「豊島美術館」がある豊島(てしま)を訪れた。
その、敢えて展示物を挙げるとするならば、「水」「光」「風」といったミニマムな美術館の、その特殊な空間の引力に、吸い込まれ、打ちのめされた。削ぎ落とすことの意味を思う昨今。
時間が足らず、横尾忠則の手がけた「豊島横尾館」に立ち寄れなかったのが悔やまれる。また来なければ。
郷愁を駆り立てられる。豊島(てしま)の光景を、残しておく。