ピンクレディのUFOを懸命に真似て踊っていた小学6年生の我。
まさか42年後、南インドの片隅で、張り切って踊って、新聞記事に載ることになろうとは、あったりまえだが、想像だにしなかった。
ドライヴァーのアンソニーに、「今日のデカン・ヘラルドを買ってきて」と頼んだ。戻ってくるなりニヤニヤしながら新聞を手渡す。
「え?! 中身、見たの?!」と詰問すれば、「もう、みんな(ドライヴァー仲間)知ってましたよ」とのこと。ひ〜っ。恐るべしインドのドライヴァー界の情報網。
話は逸れるが、インドにおいては、「家政婦は見た」以上に「運転手は聞いた」の威力がすさまじい。家庭内のプライヴェートな情報はドライヴァー経由で世間に流出する。我が家のアンソニーは極めて信頼がおける人物だが、ともあれ、公私ともに要注意だ。
さて、地元メディアに紹介してもらえるのは、悪いことではない。しかし、毎度、取材が適当で、記事内容がいい加減なことには辟易する。
ミューズ・クリエイションは「ダンスチーム」と、簡単に紹介されている。ダンスチームではなく、日本人有志によるNGOで、その中のダンサーズ、なんです。そのあたり、とても大事なんですけどね。
播磨は、「日本人コミュニティのメンバー」になっている。いや、日本料理店ですから。ああもう、書き直したい。
その一方で、「プリヤンカ・チョプラとディーピカ・パードゥコネが主演した映画『Padmaavat』の曲である『ピンガ』」とか、「プッシーキャットドールズとARラーマンによる『JAI HO!』」などと、インドの楽曲に関しては、結構な文字量を割いて説明している。
しかも、「ピンガのあとに日本のヒット曲によるダンスが披露されたが、観客のノリがいまひとつだったので、彼女たちは再びステージに戻ってきてJAI HO!を踊った」と、詳細をレポート。徹頭徹尾、自分目線だ。UFO。それなりに盛り上がっていた気がするのだが!
ともあれ、これも思い出。保管しておこうとファイルを開く。これまでに紹介された記事などを、久しぶりにめくれば、懐かしい面々。古いものは2007年の記事だ。瞬く間に流れる歳月。一つ一つのイヴェントを、携わるからには雑に扱わず、丁寧に取り組んでいきたいと、改めて思う。