3週間の日本旅を終え、バンガロールに帰ってきた昨日。猫らとの再会に喜び、睡眠不足なのに数時間の仮眠で目が覚め(3時間半の微妙な時差ぼけ)、長旅で溜まった雑事をのろのろと片付ける。隙間に東京滞在の記録を2つ残す。
夕方にはUrban Companyのアプリでマッサージを依頼し、90分のトリートメントを受ける。自宅に簡易ベッドその他、マッサージに必要な諸々を持ってきてくれるこのサーヴィスは本当にありがたい。Urban Companyについても詳細を記したいところだが、それどころじゃなかろうもん。昨夜は10時ごろベッドに入り、泥のように眠った。
そして今朝。目覚めた瞬間、かつてない、異様な感覚の移ろいを味わった。
今、わたしはどこにいる? ここは日本……? インド……? わたしのいるべき場所? 帰るべき場所? あれ? ここは安息の地? 不安? あ、バンガロール。バンガロールの家だ。帰ってきた。大丈夫。ここにいる。
言いようのない不安に、ほんの数秒のあいだ苛まれた。
魂の位置が、定まっていない。飛行機の速度に、魂の帰還が追いついていない。まだ中国大陸の上空あたりをゆっくりと通過しながら、南天竺へ至っていかの如く。
故郷の福岡に始まった今回の旅は、時間旅行としての振れ幅も大きく、記録を綴り残してもなお、経験の扉を閉じることができない。来週月曜からは、取り掛からねばならぬ仕事も多々あり。日常の雑事も「なぜ?」というほど発生するインドライフにつき。いつまでも余韻を引きずっていられない。
先ほどようやく、荷解きを終えてひと段落。いつもなら、もう次に進むところだが。今回ばかりはできる限り、京都と東京の情景を、残しておこうと思う。いつか必ず、役に立つので。
京都を離れる日の朝、駅へ向かう前にホテルの周辺を散策した。隣接する建仁寺に立ち寄ったところ、前日までとは様子が違う。この日、4月20日は、臨済宗の開祖であり、喫茶の風習を中国から伝えた栄西禅師(1141~1215年)の誕生日であった。
ゆえに、栄西禅師が創建した建仁寺では、誕生日を祝して、四頭(よつがしら)茶会がなるものが開催されているのだった。境内の随所で、由緒ある茶会が開かれているらしく、艶やかな着物姿の女性たちが行き交っている。
一隅では、一般の人たちにも無料でお茶とお菓子がいただけるということで、ありがたくも案内していただいた。ささやかながらも祝賀の恩恵にあずかれて嬉しい。この日は急に気温が上がり、日差しもまばゆい。スーツケースに入れたままの、来ていない半袖を着るチャンスを逃してしまった。この時節の日本旅は、服装の荷造りが難しい。
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