今朝は日本からのご依頼で、Zoomでのサリー講座。……といっても、資料を使ってバックグラウンドを話す通常のセミナーではない。サリーとはどういうもので、どういうデザインがあるか……といった、具体的な情報を提供する必要があったので、自分が持つサリーの中から、デザインに特徴があるものを選び、一枚一枚、身体に巻きつけ、まといながら説明。
画面に全体が映るよう、三脚のセッティングも入念に。
サリーは、「①棚に置かれているとき」「②広げたとき」「③身にまとったとき」……と、3段階で、異なる表情を見せてくれる。デザインや色柄だけでなく、布の質感、重量感、着方、ブラウスのデザインなどによっても、その印象はガラリと変わる。
自分が好きな色柄が、自分に似合うとは限らない。これもまた、大きなポイント。
MacBook Proよりも、iPhone14のカメラの方が、きれいに映るだろうと見込んで設定したが、どの程度、リアルに届いていただろう。本当はリアルに見て、触れてもらうのが一番だが、そうもいかない。
ゆえに、画面に近づいて、サリーをクローズアップしたり、ぐっと離れて全体像を見せたりと、行ったり来たり、巻いたり巻き戻したり(!)しながらの、アクティヴなセミナーだ。
ともあれ、サリー世界の片鱗を、それなりに理解してもらえたようで、よかった。
COVID-19パンデミックは、決してポジティヴな出来事ではなかったが、外出ができなかったからこそ構築できた新たな伝達手段や仕組みが定着し、海外に暮らすわたしにとっては、仕事の幅が広がった。
新しいものを取り入れながら、しかし取捨選択もしっかりと。情報の渦に溺れぬよう、賢明に活用せねばと肝に銘じる試行錯誤の日々。
終了後のソファーは、サリー店舗の一隅を見るような状況。インドの昔ながらのサリー店は、バッサバッサと、次々にサリーを広げて見せてくれるが、それは畳んでくれる従業員がいるからこそ。
Zoomを切った後、音楽を流し、今特訓中の歌を歌いながらサリーを畳む。どれもこれも、インドの伝統。インダス文明の数千年前から、人々が紡いできた布、施してきた手法……。
黙々と、畳みながら、歌いながら、時間旅行だと思えば愉し。インドのテキスタイル。本当に奥が深い。
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