✏️昨日は、週に一度の「女性の勉強会」に参加。今年度、わたしはアクティヴィティ担当の役員の一人となっていることから、自分が企画したイヴェントもいくつか実現してきた。今回は他のメンバーがオーガナイズしてくれての企画で、バンガロール市街北西部にある「C-CAMP」へと足を運んだ。
以下の内容、専門的に思えるかもしれない。しかし、簡単に言うと、「我々の日頃の食生活(適切な腸内細菌の環境保持)が我々の心身を健康に育む」ということを、科学的に立証して個別に食生活の提案をする……という内容である。ぜひ目を通していただきたい。
【C-CAMPとは】インド政府バイオテクノロジー省が支援する施設。2009年の開設以来、生命科学における最先端の研究と技術革新を主導。最先端のテクノロジープラットフォームとして、研究、開発、トレーニングサーヴィスを提供している。また「起業家精神や技術革新の促進」を遂行。スタートアップのための資金調達計画、起業家メンターシップ・プログラム、バイオ・インキュベーション施設などを通じ、学術・研究環境を整え、起業家フレンドリーな文化を育成している。
✏️C-CAMPのビルディングは、緑豊かなキャンパスの一隅にある。COVID-19パンデミックの最中、わずか数年前に、バイオテクノロジーのスタートアップが集結しはじめ、現在は300を超える会社の起業家らが、ここをコワーキングスペースとして研究開発しているという。
今回、わたしたちは「マイクロバイオーム」を基盤としたライフサイエンス企業「Iom(アイオーム)」のCo-founderであるBipinに話を聞いた。マイクロバイオームとは、ヒトの身体に共生する、細菌や真菌、ウイルスなど微生物の総体のことだ。
Bipinのプレゼンテーションは非常に興味深く、「Iom(アイオーム)」が提供するサーヴィスを受けてみたいと思った。”Listen To Your Gut(腸の声を聞け)”をコンセプトに、「ヒトの便」を採取して、その人の腸内細菌の状況を検査し、必要な食事、栄養素などを提案するというものだ。
実は、我々夫婦は数年前、これと似たようなコンセプトを「尿検査」で実施しているスタートアップの検査を受けたことがある。そのときはサプリメントを多数、勧められて試した。しかしわたしは医薬品やサプリメントを積極的に摂取しないので続かなかった。
関心のある方は、自分の腸の声を聞いてみてはどうだろう。関連サイトのリンクを下部に貼っておく。
✏️わたしは、過去20年に亘り「アーユルヴェーダの教え」を心に留めて暮らしている。インドに移住した40歳以降は、アーユルヴェーダはじめ東洋医学に重きをおいたライフスタイルにシフトし、極力、薬を飲まず、食事療法もしくは生薬で健康管理をしてきた。
また常々「食生活が健康を育む」と身を以って経験してきたので、各種セミナーの中でも「インドでの食生活と健康管理」は優先している。不易流行。温故知新。昔ながらの知恵が生きた食生活のすばらしさが、科学的に証明されていることに、改めて納得する思いだ。
周知の通り「腸内細菌の環境」を整える食べ物といえば発酵食品。腸内環境の傾向は、生まれ育った土地や人種によっても異なる。日本人の腸は長いし、培ってきた食の歴史は欧米人とは異なるがゆえ、「人種別」→「個別」の処方も、望まれるところだ。
いくら海外生活が長くても、わたしにとっては、インドのチャトゥネより、ドイツのザワークラウトより、韓国のキムチより、日本の味噌や麹が身体に「効いている」気がする。諸々、綴りたいことは募るが、ともあれ、古来からの叡智を享受して暮らしに取り入れている者としては、興味深い内容だった。
講演の後は、Bipinと、Product ScientistのRenuka、若きバイオロジストのSarvesh、数学者のNishadとともに、キャンパス内の食堂で美味!ランチ。他のメンバーは、みな先約があったので、わたしだけがご一緒させていただいた。
食事中の話がまた、興味深くて尽きず。この会社のCo-founderの一人は、日本のシステム生物学者であり、ソニーグループ株式会社のCTOほか、多彩な肩書きをお持ちの北野宏明氏だという。
Bipinから聞く起業の背景の物語も印象深く詳細を綴ればきりがない。ちなみにBipinはつい数日前、偶然にも我が夫(投資関係の仕事)にメールを送ってやりとりをしたばかりだという。わたしの「Malhan」というラストネームを聞いて、「え? あなたの夫の名前はArvind?」と言われ、お互い驚いた。インド世界は広そうで狭いのだ。
今度はミューズ・クリエイション企画で、このキャンパスを見学したいと切望。C-CAMPのスタートアップを巡るだけで、途轍もない学習量になるに違いない。
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