日本に戻って瞬く間の20日間が過ぎた。今週末の「ナマステ福岡」に参加してのち、来週の火曜日にはインドへ帰る。フライトを変更し、滞在を延長して、当初の予定通り生まれ故郷の熊本などを旅したいという気持ちと、早くインドに帰りたいという気持ちが交錯する。
Missing home.
わたしの居場所は、夫や猫らの待つ南天竺バンガロール。今は、あの緑あふれるターミナル2に、早く降り立ちたい。
一昨日の日曜日は、ガーデンズ千早で母とランチをすませ、広場で踊りを披露する人々を眺め、愛らしい水引きのイアリングを購入した後、母をタクシーで送り、わたしは引き続き、界隈を歩くことにした。
1日最低8000歩。鬱屈しがちなときには、1万歩は歩きたい。そうすれば、身体全体に、力が巡る。ガーデンズ千早を出て少し歩くと、母校の千早小学校。校庭に見事な桜の木が見える。
はるか記憶を遡れば、これはわたしたちが在校時に植樹されたものだ。帰宅後、先日の掃除中に見つけていた小学校の卒業アルバムを開く。
やはり。このときには、桜の姿はない。かつてはここに、1970年に開催された日本万国博覧会のシンボルだった岡本太郎氏による「太陽の塔」を模倣したものが立っていた。
ページをめくれば……見つけた! 小学4年生の時のクラス写真。太陽の塔の前で撮っている。左端に、植樹後まもない、細い桜の木が写っているではないか!!
あのころは、なんと細くて頼りない木だろう、いったいいつ咲くのだろう……と思っていた。
あれから歳月は確実に流れ、50数年の今、立派な木に成長している。
年輪も、ロールケーキも、似ているな。巡り繰り返す季節の中で、わたしたちは、芽吹き、育ち、開き、実り、熟し、枯れていく。
(自分は枯れる気がしないけど😸……いつかは、枯れる)
千早小学校を出て、隣接する香椎第一中学校へ。ここには、中学1年の2学期まで通った。入り口に「努力の上に花が咲く」のことばが貼られている。
わたしの好きなことばだ。高校時代、中村学園と試合をするときに、この言葉を記した黄色いバナーが吊るされていたのを思い出す。
素朴ながらも心に残る言葉。今、調べてみたら、中村学園創始者の中村ハルさんの遺訓だという。
帰路、千早のなみきスクエアの図書館に立ち寄り、郷土のコーナーでしばらく過ごす。背表紙を眺めて愉し。
尽きぬ。
家に戻る前、入口を通過して、多々良川の河川敷まで足を伸ばした。そして、河畔のカフェ”minamo”で、コーヒーを飲む。
巡る。
昨日もまた、母の眼科や歯科に同行する合間、待合室を抜け出しては、近所を歩いた。そこかしこで、桜花は開いている。もう十分だろうと思うほどに写真を撮る。しかし、もう、こんなにも桜を見ることはないかもしれぬと思うと、撮らずには、いられないのだ。
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