日曜日の今日は、義父ロメイシュの友人で、我が家のパーティーにも訪れてくれたマンシング家を訪れるために、ホワイトフィールドという郊外の町へ行く。
夫のラナはコーヒー&ティーのソムリエ、妻のディピカは「小原流」の生け花をやっている、あの夫妻である。
ホワイトフィールドはバンガロア市街の東部に位置する町で、最近は新しい住宅地が次々に造成されているあたり。サイババが一年のうちの数カ月をこの地で過ごすということでも、知られているらしい。
自宅を出て車で1時間あまり。大通りをそれて、がたがたの未舗装路を抜けたあたりに、彼らの邸宅はあった。
玄関先には、さすが生け花をたしなんでいらっしゃるだけあり、生花が生けられている。使用人の姿も見えず、極めて静かな暮らしのようすである。
ラナは先日、コーヒー鑑定士のなんたらかんたらコンテストで、なんとかいう賞を受賞したとのこと。その盾を見せてくれた。さすがにコーヒーにこだわりがある分、食前酒のカクテルにもこだわりがあるようだ。
「マティーニ、マルガリータ、シンガポールスリング……。いろいろできるけど、何がいい?」
と聞かれる。わたしと夫はシンガポールスリングを。母は昼間からアルコールを飲むと酔いが回るのでライムジュースをいただく。
やがて、先月、英国留学から帰国したばかりの一人息子も帰宅。
驚くほど純粋無垢で素直でキュートな26歳の好青年だ。犬のジンジャーと家族3人。静かな暮らしをしている様子がしのばれる。やがて、ディピカ手作りのランチタイム。
ココナツミルクを用いた南インド風のエビカレーや、やはりココナツ入りのキャベツサラダ、北インドのマトンミートボールにダルなど、手をかけた家庭料理を供された。デザートは、わたしたちの大好きな、菓子店KC. Dasの甘いヨーグルトデザートが出て来て、わたしと夫は大喜び。
初めて食べる母も、「甘酸っぱくておいしい!」と幸せそうである。
デザートのあとは、ラナによるコーヒータイム。今朝、ローストしたばかりだという南インド産のコーヒー豆を挽き、丁寧に煎れてくれる。
エスプレッソに近い、濃厚なそのコーヒーは、ほのかな酸味があり、深い香り。とても味わい深い1杯であった。なんだかんだで3時間余りも長居をしてしまった。
そうして夜は、スジャータとラグヴァンがやってきて、毎度モハンの料理で晩餐。二人は夕べ、ケバブー食べ放題の店で食べ過ぎたため、朝食と昼食を控えめにしたところ、夜になって猛烈にお腹が空いていたらしく、気持ちいいほどたいそうな勢いで料理を食べていた。
また、明日の朝と昼が食べられなくなるのでは? と心配するほどのそれは旺盛さ。モハンが「わんこそば」よろしく背後から供する焼きたてチャパティ(ロティ)を、一枚、二枚、三枚、四枚、五枚と平らげていく。
それにしても、モハンの料理は、やっぱりおいしい。
それにしても、日本語と英語の同時会話で、脳みそ重労働。我ながら鍛えが甘い。ヒンディー語もあるのだからな。がんばらんとな。