穏やかには違いないけれど、けれどやっぱり波乱な我々の身上。まだまだ定住には遠く。だからやっぱり、旅するような暮らしなのだ。
今日は久方ぶりに、大家夫妻と電話で大口論。以前ちらりと触れたが、我が家の大家は一筋縄じゃいかない夫婦で、そりゃあもう、やりとりが大変なのだ。
何かと「故障」や「不備」が多いこの国。それは覚悟の上である。だからこそ、対応の早さが勝負となる。こちらは大家の「言い値」に沿った高い家賃を払っているのだから、大家にはやるべき仕事をやってもらわねば。
しかし、「今すぐ」「明日」が口癖で、「今すぐ」解決したためしがなく。今日は史上最高のバトルを展開し、エネルギーを消耗。以後1時間ほどは使い物にならなかった。なにがって、わたしがだ。
たまには、インドのちょいと大変な暮らしの一面についても書いておかねばね。
さて、午後は母を連れて、またしてもホテル巡り。ご近所のウィンザーマナーシェラトンへ。ここで午後のお茶をする。長閑。
そのあと、わたしは例のHatworks Boulvardでフェイシャル。最近お肌の調子が悪いので、おなじみ我が家の「ミホの品質管理担当者」であるアルヴィンドから、「ミホ、フェイシャルに行ったら?」と指令が出たのだ。ふふふ。喜んで!
夜は義姉スジャータとその夫ラグヴァン、その弟マドヴァン、そしてデリーから訪問している彼らの両親(Dr.夫妻)が我が家へ。ラグヴァンの家族、つまりヴァラダラジャン一家は幾度か記した通り、学者一家である。個性炸裂、味わいの深い家族だ。
母への通訳もそこそこに、飛び交う会話を拾い集めながら、夜は更けて行く。
もう久しく、ロティカ(ラグヴァン母)から、デリーのインターナショナルセンターで写真展をするよう勧められている。彼らは日本の皇室とも縁のあるインターナショナルセンターの要職についているのだ。
いよいよインドに移住したのだし、早くそのような企画を実現したいと思っている。あと、もうちょっとで、自分の仕事に専心できるというところ。ああ、待ち遠しい!
さて、モハンの料理は今夜も好評。彼がKC. Dasのミシュティ・ドイ(甘いヨーグルト菓子)を気に入っているわたしのために、手作りミシュティ・ドイを作ってくれた。KC. Dasの素焼きツボを使って。
KC. Dasのものに比べると、滑らかさに欠けるけれど、味わいはとてもいい! 甘みが少々控えめで、程よい酸味といいバランス。母も喜び、ゲストも喜んで食べていた。モハン、相変わらずやってくれるぜ。
↑ウィンザーマナーのカフェにて。生まれて初めて「ピナ・コラーダ」を飲み、その味わいについてコメントしている母。
●母の作文(6) 3月14日
今朝、日本の義姉(兄嫁)に電話をする。福岡は雪だという。そういえば、わたしが37年前、次女をお産した3月11日も雪だった。年老いた兄夫婦には、寒さがことさら、身体にこたえて辛いと。
そんな最中に、わたしは今、バンガロールにて、のんびりと生活しており、夢かとおもうばかりだ。
近代建築のビルが次々と立ち並び、緑の並木は美しく、ホテルもこの近くには何軒もあり、毎日のようにお茶にいくのも楽しい。しかしその一方で、目を背けたくなるほどのつぶれかけた家に住む人ら。素足で、ときどき物乞いの人が、停車しているときなど、わたしたちの車のウインドーを叩く。
二週間以上、毎日のように出かけていると、町並みでは見たくない景色と見たい景色とが、はっきりとしてきて、少々心悩ます。日本人のわたしがいろいろと言っても仕方ないだろうけど、インドは基本的に掃除ができていない。
ゴミを一カ所に集めたり、道路をもう少しきれいにすれば、人もかわっていくだろう……なんて一瞬思ってみるが、とにかくこれがインドなのだろう。
こうしてペンを取っている間にも、キッチンよりいい香り。最早、ランチの時間だ。モハン(使用人)が忙しく働いている。あー、わたしもお腹がすいてきた。
なにもしないのに、やっぱりお腹はすくものだ。さーランチだ。うれしいー。